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1999年7月アーカイブ

著者:灰谷健次郎
出版:角川書店
初版:1999.04.05.
紹介:小学校卒業、そして中学校進学を間近に控えた倫太郎たち。倫太郎は中学校からの説明会の呼び出しをすっぽかしたり、ミツルは「校則で決められている制服は着ない。丸刈りにもしない」と宣言したりと、入学式の前から倫太郎たちの名前は学校中に知れ渡っていた。
これまで、理解ある人々に囲まれてのびのびと育ってきた倫太郎たちだが、中学校という新しい環境の中で、彼らはどう変わっていくのか?
待望のシリーズ第4巻、書き下ろしで登場。(表紙扉より引用)

コメント:これはすごいです、同じ中学生だけど、うちの子たちは、こんな事全然思ってもいない。やっぱり違うなぁ・・・この少年倫太郎には、ちゃんとモデルがいるということでした。そうなると、ますます・・・・でも、実際我が子が、こうなったら、私は、どんな対応をするだろうか?はっきり言って、自信がないですね。
この「少年編Ⅱ」だけ読んでも、結構色々なことを考えさせられました。

著者:E.T.A.ホフマン
出版:冨山房
初版:1981.12.01.
紹介:クリスマスにもらった、くるみ割り人形。その夜、人形たちとネズミは戦いをした。傷ついた人形をマリーは、手当をする。
「人形の国」「アーモンドと干しぶどうの門」「砂糖でできた人形たち」「オレンジの川」「アーモンドミルクの湖」「蜂蜜入りクッキーの村」「ボンボンの町」「マジパンのお城」そして美しい王女。マリーはくるみ割り人形を助けたのだ。

コメント:バレエ組曲で有名な「くるみ割り人形」ですが、今まで本を読んだことなかったのです。クリスマスプレゼントの中にあった「くるみ割り人形」に心ひかれるマリー。ドロッセルマイヤーおじさんの語るお話の中に引き込まれていきます。

著者:真保裕一
出版:新潮社
初版:1995.09.20.
紹介:日本最大の貯水量を誇るダムが乗っ取られた。人質は発電所職員と下流域の市町村!
残された時間は24時間。
同僚と亡き友の婚約者を救うべく、ダムに向かう主人公・富樫のもうひとつの、そして最大の敵は、絶え間なく降りしきる雪、雪、雪・・・・・。
吹雪に閉ざされ、堅牢な要塞と化したダムと厳寒期の雪山に展開するハードアクション・サスペンス!(表紙扉より引用)

コメント:いやー!おもしろかった。
雪に閉ざされた、巨大ダム。そのダムがなにものかによって占拠された。ダムの湖水が放流されたら下流の町は壊滅的な崩壊を免れない。
送電がストップしたら・・・?
彼らの目的は・・・・そしてたったひとりで彼らに立ち向かう男・・・。
もうすごい緊張感!感動!

著者:森絵都
出版:理論社
初版:1998.07.
紹介:ある日、死んだはずのぼくの魂は、天使の抽選の結果新しい人生に再挑戦することになった。期間は1年。僕は見知らぬ男の子の体に入り込んだ。期間は1年、その間に
ぼくは自分の犯したあやまちを思い出さなくてはいけないのだ。14歳の男の子の話です。
コメント:まったく新しい視点から自分を見つめれば、今の生活も、もっと違ったものになるのかもしれない・・・一人で殻の中に閉じこもらないで、まったく違う自分になって、歩き出すことができたなら・・・・。
思春期の子どもたちに向けた、メッセージ。我が家の娘たちも読みました。

著者:京極夏彦
出版:講談社
初版:1994.09.05.
紹介:男がある日部屋の中から失踪した、密室。
その妻は、妊娠20ヶ月もたつというのにいっこうに出産の気配も見せない。
その産院からは、生まれた赤子が姿を消すという噂が流れる。<憑き物筋><姿を消す看護婦><ダチュラ><忘れ去られた記憶>京極堂シリーズ第1作。


コメント:夏にふさわしい1冊。何とも不気味でまがまがしい。
京極堂の一見無関係なうんちくに思わずその手の内に落ちてしまう。
ちょっと苦手だなぁ・・・・と思ったけれど、読み終わってみれば納得のいく一冊でした。

著者:シドニィ・シェルダン
出版:アカデミー出版
初版:1998.09.10.
紹介:帯カバーより
1.彼女は果たして100万ドルのために患者を殺したのか。証拠をつかんだ同僚医師の魂胆は?
2.彼女はなぜ賭などのために命をかけたのか?二重婚約を解決するために彼が選んだ道は?
3.彼女は愛の天使なのか、それとも色と欲をからめた単なる淫乱女なのか?優秀な女医の出世街道の先にあるのは?
この年エンバーカデロ郡立病院をおそった激震にあなたは耐えられるか!


コメント:「おもしろい!」3人の女性研修医の話なんだけど、ものすごいセクハラの中で、個性的な女医さんがそれぞれ一生懸命生きているの。シドニー・シェルダンって、初めて読んだけど、ちょっとはまりそうです。訳者がいいのかな、「超訳」ってかいてあるけど、多分日本語訳も面白いのだと思います。この超訳が、キライっていう人もいるかもしれないですけど・・・

著者:森博嗣
出版:講談社文庫
初版:1998.12.15.
紹介:孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る、天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウェディングドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然島を訪れていた、N大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。(表紙裏より引用)

コメント:久々に、推理小説という感じで良かったです。
ウィンドウズ95がでる前に書かれた本で、UNIXによるプログラム・トリック。256×256の答えは・・・
トリックがちゃんとしていて気にいりました。
だけどこの、犀川・萌絵コンビ、妙な二人ですね。フフフ・・・

著者:池澤夏樹
出版:中央公論社
初版:1988.02.29.
紹介:スティル・ライフ
星をみること、あるいは山の形、せせらぎや蝉時雨。
彼と話す話はそんな話だった。
仕事の話とか、家族の話だとか、そんな話をしたことがない。
ある日、彼から電話がかかってきた。「変な話」をもちかけるという・・・・。

ヤーチャイカ
かんなと父・文彦はふたり暮らし。
生活は変化している。日常だと思っているものはいつ変わるかわからない、父はロシア人と出会い、カンナはもうディプロドクスを飼い続ける事はできないのだ。

コメント:そうですね。「いつも」という日常が、少しずつ形を変えていく経過・・・
が感じられます。個人的には「君が住む星」の方が好きですね。

著者:宮部みゆき
出版:新人物往来社
初版:1993.09.30.
紹介:死んだはずの男が生き返った?
不思議な力を持つ「お初」にはその男が若返ったように見える。油の大樽の中に小さな白い手が見えた。
続く子殺し、「りえ」・・・・死人憑きはいったい何なのか?
「浅野内匠頭」が切腹した場所にあるという「夜泣き石」。お初がそこでみたものは・・・?100年の時を越え、怨念が今よみがえる・・・


コメント:宮部みゆきの「時代物」初挑戦!
あー。おもしろかった。忠臣蔵の実は隠された真相を追いながら、当時の権力につぶされていく武士たちの悲しい後ろ姿が見えます。

著者:北村薫
出版:新潮社
初版:1997.08.30.
紹介:突然、車が飛び出してきた。信じられないような割り込み!次の瞬間、君はハンドルを右に切った、そしてブレーキ・・・・そこへ左折のダンプカーが!
記憶は前の日にさかのぼる。すべて昨日のことだ。自己にあったその時間になったとき・・・・君はまた昨日の同じ場所、同じ時間に戻るのだ。永遠に繰り返される時・・・・
<時と人>の三部作の2作目。「ターン」
心の中に聞こえる声、いつもふたりで話していた、それはごく自然のことだったのだが・・・繰り返す時間の中で、ある日電話のベルが鳴った。そこから聞こえる声は・・・

コメント:北村薫さん2冊目。おもしろかった。あっという間に読了!
これが男の人の手によって書かれたものとは信じがたい。
<時と人>の三部作の3作目。「リセット」は、まだ出版されていないので、次が楽しみですB北村薫さんの他の作品も読んでみたいな。

著者:桐生操
出版:KKベストセラーズ
初版:1999.03.05.
紹介:・ラプンツェル(魔女と呼ばれた女の復讐)
・ヘンゼルとグレーテル(人殺し領主の少年狩りの罠)
・三枚の蛇の葉(真実の愛の結末)
・ブレーメンの音楽隊(さえない男たちの反乱)
・人魚姫(浮気な王子とひたむきな騎士)
・裸の王さま(詐欺と承知で家臣を試す)
・幸福な王子(生身の王子を愛した少女)
グリム童話、他の一見簡素な文章の行間に、人生や愛に関するより深い示唆を読みとり、童話が本当に意味するところのものを引き出しえぐり出した。

コメント:一作ごとの解説が参考になります。
本当はこういう時代背景の中でできた話なんですね。
私は「ブレーメンの音楽隊」が個人的には一番おもしろかったです。
「ブレーメンの音楽隊」は実は「脱サラ楽団」だった!

著者:柳田邦男
出版:文藝春秋社
初版:1995.07.30.
紹介:25歳になる息子の自死から、脳死へいたるまでの11日間。書くことを生業とする父が、息子の心の中、精神的苦悩を彼の存在証明のために書きつづる。
「誰の役にも立てず、誰からも必要とされない存在。」から「自己犠牲」によって他者の役に立ち、自らの存在を明らかにする。彼の意志は「骨髄バンク」にドナーとして登録された。父はその延長として、腎臓提供に同意したが、息子の脳死を、人の死と認めつつも、家族として医療の立場での医師との間に様々な思いの違いを感じ始める。


コメント:脳死について、今まで漠然と考えていましたが、あらためていろんなことを考えさせられました。
自分の息子の心の病に6年間も気づかずにいたという著者の苦悩。息子の「自己犠牲」を、生かすことによって、人の役に立ちたいを言う希望を叶える。
いいとか悪いとかではなくて、本当にいろんなことを考えさせられた本でした。

著者:村上春樹
出版:講談社
初版:1982.10.15.
紹介:一枚の写真に写った、一匹の写真を探して旅が始まる。
羊の目的は?羊と共に生きた者はどうなるのか?
そして、探し当てた場所にはすでに羊もネズミも存在しなかった。
長い長い過去を振り返って、旅をした先で失ったものは・・・・。


コメント:全く不思議な「村上ワールド」その中にあって、共通しているのは、子供を産まない夫婦と、しっぽの曲がった猫。いったいこれは・・・???

著者:小野不由美
出版:新潮社
初版:1998.09.30.
紹介:ある樅の林に囲まれた小さな村で次々と人が死んでゆく。原因は不明、新しい疫病か?町とは孤立した村。人々が結束した共同体。村は「死」によって包囲されている。
突然の転居、死の直前の退職。それは、人々の死とどんな関係があるのか?

他者に存在を認められること。「人々に求められる存在になること」と、「自分自身の本当の姿でいきるようとすること」この二つの間で常に揺れ動いている。彼が生きてゆく場所はどこにあるのか?


コメント:上下合わせて、厚さ8cm。一瞬読むのを躊躇するほどの存在感!!
しかし読み始めてからは、徐々にその世界に引き込まれていきました。読後感は人も屍鬼も悲しい。読み物としてはとても面白かったです。

著者:ベルナール・ウエルベル
出版:ジャンニ・コミュニケーションズ
初版:1995.03.05.
紹介:「昆虫記」と「80日間世界一周」を生んだ国フランスから、21世紀文学の夜明けを思わせる奇想天外な文学が今上陸した。主人公はアリ。そう、あの蟻である。彼らは都市を建設し、連合を形成し、外敵と戦う。蟻たちをこよなく愛する作家ベルナール・ウエルベルが13年の歳月をかけて書き上げた、想像を絶する不思議の国の冒険物語。(表紙扉から引用)
コメント:蟻の博物誌、いや、意志を持った蟻の物語。まるで見てきたような蟻の世界と、一方まるで無関係そうな人間世界での出来事に、果たしてどこに接点があるのか。
まったく持って奇想天外なのだが、ここまで来ると、続編の「蟻の時代」を読まずに入られない。
・6本のマッチで4つの正三角形を作る方法は、すぐわかったんだけどなぁ・・・・
・蟻や蜘蛛の生殖なんて知らなかったから、これもビックリ!

著者:灰谷健次郎
出版:角川書店
初版:1998.02.27.
紹介:天の瞳 幼年編の続編、表紙の扉から
小学校5年生になった倫太郎。学級担任のヤマゴリラと衝突することはあるものの、おおらかで魅力的な仲間たちに囲まれて、へこたれずに前へ進み続けている。
そんなある日、事件が起こった。リエが学校に来なくなったのだ。リエの登校拒否の原因はなんなのか、自分に何ができるのか。悩み抜いた倫太郎がとった行動とは・・・。
様々な人たちとの出会いを真摯に見つめながら成長する倫太郎。灰谷健次郎が登校拒否の問題を世に問う、待望のシリーズ第3巻。

コメント:主人公倫太郎の成長を追いながら、その周囲の人たちとの関わりが描かれているのですが、倫太郎に教えられることがたくさんあります。彼の両親、そして、祖父との関係もとっても大きなものがありました。子供を持ち育てている私にとって、考えさせられることがとても多いです。この先も気になりますが、この本は多くの人に読んで欲しいな。

著者:村上春樹
出版:新潮社
初版:1995.10.05.
紹介:「でもあなたには今のところ鳥刺し男もいないし、魔法の笛もない」
「僕には井戸がある」と僕は言った。
「それをあなたが手に入れることができればね」、ナツメグは上等なハンカチをそっと広げるみたいに微笑んだ。

奇妙な夏が終わり、井戸は埋められた。そして人々はみんなどこかに去っていった。ねじまき鳥の声ももう聞こえない。僕に残されたのは、頬の深く青いあざと、謎の青年から引き渡された野球のバットだけだ。でも僕はやがて知ることになる────何かが僕を新しい場所に導こうとしていることを。意識と過去の帳の奥に隠されたねじの在処を求めて、地図のない冒険の旅が開始される。そしてその僕の前に、ねじまき鳥の年代記(クロニクル)が、楡の鈴音とともに静かにひもとかれる。完結編。(本の扉より引用)
コメント:自分の足下、自身の存在自体、知り得ない歴史の呪縛。見えているもの、見えていないもの。とっても不思議な世界です。
ウーン、これが村上ワールドというのか・・・・?
「羊をめぐる冒険」も借りてきたんだけど、ちょっと一休みです。

著者:ダニエル・キイス
出版:早川書房
初版:1994.07.05.
紹介:1977年にオハイオ州で連続強姦犯として起訴されたビリー・ミリガンは、精神異常のため無罪となり、1979年、最重警備施設である州立ライマ精神障害犯罪者病院へと移送された。だがそこは、体罰に電気ショック療法を用い、薬物で患者を廃人にしてしまう恐るべき場所だった。筆記用具の使用を禁じられたビリーは、シーツをほぐした糸で文字を作り、ライマ病院の内部での出来事を作家ダニエル・キイスに書き送った。人格たちの統合は崩れ、交渉術に長けたアレン、反社会的な少年トミー、犯罪者のケビンなどの別人格が交互に現れ、「憎悪」の管理者であるレイゲンが主導権を握るようになった。混乱の時期を迎えたビリーに救いの日は訪れるのか?(表紙扉より引用)

コメント:「24人の・・」で、ライマに送られたその後、病気そのものよりも、その治療・対応が政治的に利用されていくのがとても辛い。最後まで、ミリガンがどういう結末を迎えるのか想像ができません。「24人の・・・」で出現した、統合された「教師」はどうなるのか?ミリガンの人格はひとつになるのか?
多重人格は、現実から逃げよう、別のところで生きようという力?
それなら、生きる望みを失ったときに、多重人格は・・・・・
「児童虐待」は、子どもに引き継がれる。だとすれば、「虐待」をする親もまた、「虐待」を受けて育ったのかもしれない・・・・ミリガンは救われるか?
はーっ、終わった。やっと気になっていた問題が解決した。

著者:夏目鏡子・述 松岡譲・筆録
出版:文藝春秋
初版:1994.07.10.
紹介:名作「坊ちゃん」に描かれる松山でのいろいろな出来事。夏目家の親戚のこと。熊本での婚礼の様子から、微に入り細を穿って語られる、文豪・夏目漱石の日常生活。お見合いで出会ってから死別するまでを、共に過ごした婦人でなければ垣間見ることのできなかった人間・漱石の赤裸々な姿を浮き彫りにする。解説・半藤末利子(裏表紙より引用)
コメント:妻の目から見た漱石。
生の漱石に出会ったような気持ちです。
漱石も天才肌の人だったようですが、その漱石と暮らした鏡子さんの精神力はまたすごいものがありました。明治の女性がみんなそうだったとは思えないし、鏡子さんでなくては漱石の妻は務まらなかったでしょう。
彼女の本音も、あちこちにかかれていて、思わず笑ってしまいます。
完璧な良妻と言うよりは、悪妻といわれていたようですが、この本を読むと、飾らない人柄に惹かれてしまいます。
夏目漱石の作品は「吾輩は猫である」「ぼっちゃん」くらいしか読んでないのですが、いつかほかの作品も読んでみたいと思うようになりました。

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