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1999年8月アーカイブ

著者:桐生操
出版:KKベストセラーズ
初版:1998.07.
紹介:・シンデレラ
・白雪姫
・眠れる森の美女
・ヘンデルとグレーテル
・他
グリム童話、他の一見簡素な文章の行間に、人生や愛に関するより深い示唆を読みとり、童話が本当に意味するところのものを引き出しえぐり出した。

コメント:どちらかというと、子供に読ませたくないグリム童話と言う感じです(笑)
でも、娘は、読んでます。中学校の図書室にもあるんですよ。
でも、そのころの社会背景が解説されているので、おもしろいです。
この本も、図書館で予約して、4ヶ月待ちでした。

著者:佐藤多佳子
出版:新潮社
初版:1997.08.30.
紹介:しゃべることに抵抗を持っている、テニスコーチ・劇団員・小学生・引退した野球選手。それぞれが抱える、様々な個人的な問題。自信を失いつつある人たちが、ひとりの噺家のもとに集まった。落語を通して、それぞの問題に正面から向かい合うことになる。年齢も、立場も異なる人々との交流の中から彼らが手にしたものはなんだったのか。

コメント:結構テンポよく読むことができ、また心の葛藤もあり、なかなかいい作品でした。おすすめです。

著者:「少年A」の父母
出版:文藝春秋
初版:1999.04.
紹介:前評判が悪かったこの本。「親の言い訳」にすぎないと言う・・・・
事件前を思い出しながら書いた記録。突然の逮捕後の日記。どれも混乱の中で自分自身が混乱している。親自身が起きている状況を納得できていない。続く事情聴取の中でも、何も分かっていなかった様子が窺われる。被害者側への謝罪の言葉のとなりに並ぶ、自分が置かれている状況への不満。○○を食べた。△△がおいしかった。食欲がない。周囲の人の励ましが嬉しかった。etc・・・
報道関係者の執拗な取材。残された家族の生き方。そして「長男A」への様々な思い。あまりに人間的すぎるのだ。


コメント:同じ年の子供を持つ親として、事件当時は「なぜこんな事件が起きたのか?」というよりも、「なぜ、親が気づかないのだろう?」という気持ちでした。
我が子がこんなことをするはずがない、という思いはわかるけど・・・やはり不可解。
多分この本は、マスコミからの要望があって書かされた文なのだろう。こんな文を本として出す意味があるのかという意見も多いだろう。

でも、ふと思ってしまうのだ。社会の目、被害者側からの視点で考えれば「いったいどんな子育てをしているのだ!!」「なぜ気づかなかったんだ?」という気持ちですが、逆に、Aの親の立場になってみたら・・・・。
・3人の子供を育てる専業主婦
・子供のためにPTAの仕事を引き受け
・地域の人たちともつきあい、サークル活動にも参加し
・勉強のことはうるさく言わず、子供の興味のあることをのばそうとする
・子供の意思を尊重私塾にも行かず。
ほとんど、私の生活と重なってしまう!!
違うのは、体罰を与えないことくらいなのだ。
いったい、どこで、こんなに「少年A」との世界が離れてしまったのだろう?

著者:宮部みゆき
出版:出版芸術社
初版:1991.02.22.
紹介:嵐の中、増水した道路でマンホールのふたが開けられていた。その中に子供が落ちたらしい。ふたを開けたのは、故意か?過失か?
その場に居合わせた少年は、透視能力があるという。少年が言うことは真実なのか?それとも巧妙なトリックなのか?
送られてきた白紙の手紙、無言の脅迫。犯人の狙いは・・・。

コメント:人が持たない能力を持って生まれたために、生きることが難しくなる。
透視能力・サイキック、冒頭からズンズン引き込まれていきました。
奇想天外なお話ではなく、もしかしたら本当にいるのではないかと思わせる無理のないストーリー。人の心を読んでしまうが故に犯罪の中に引き込まれてしまう、危うい少年達。さすがに宮部みゆき!!と言う感じでした。

著者:佐々木丸美
出版:講談社
初版:1975.11.12.
紹介:孤児院で育ち、養家での辛い仕打ちから逃れた飛鳥が出会ったのは、5才のとき迷子になって助けてもらった青年だった。親代わりの青年祐也と、飛鳥を取り巻く様々な思い。養家への消し去ることのできない恨み・・・・・。そして成長とともに彼女の祐也への思いは形を変えていく。


コメント:言ってみればひとつのラブストーリー。
孤児というちょっとヒロインに感情移入しにくいお話だったけど、「あしながおじさん」的青年の存在と主人公の成長や心の葛藤は、いかにもドラマチックで引き込まれてしまう。
珍しくもう一度ページを繰り直してしまった。続編も読んでみよう。

著者:椎名誠
出版:集英社
初版:1985.05.20.
紹介:椎名誠の息子、岳君とのエピソードをまじえたエッセイ風小説。


コメント:天然児(?)岳君と、彼を取り巻く人々。
父親としての暖かい眼差しを通した文章は、魅力的だ。岳くんのともだち、 先生、つりとの出会い。彼の成長の記憶がエピソードにつづられる。岳くんは、確かに魅力的ですね。

著者:原百代
出版:講談社文庫
初版:1985.05.15.
紹介:武則天───この女帝は、日本では一般に「則天武后」と呼ばれ、正しい歴史的理解をされていない。しかし、彼女は単に唐の高宗の后だっただけでなく、自ら起こした周のまさしく皇帝だったのだ。───それはともかく、まずは一代の女帝の生涯をその生誕から見て行こう。時は大唐帝国、太宗の貞観二年(628)(裏表紙より引用)
コメント:中国の歴史を全く知らない私が読んでも、興味深く読めそうな本です。
時代背景、風土、生活習慣なども詳しく説明が加えられ、中国初心者の私でも思わず引き込まれてしまいました。
「てん足」という風習は聞いたことがありましたが、後宮での「宦官」については初めて知り、とても驚きました。照る(武則天)がこの後どのように太子と関わっていくのか興味深いです。

著者:田辺聖子
出版:角川文庫
初版:1990.05.25.
紹介:貴族のお姫さまであっても、意地悪い継母に育てられ召使い同然。粗末な身なりで、一日中縫い物をさせられ、床が一段低く落ちくぼんだ部屋にひとりぼっちで暮らしている姫君────といえば、”シンデレラ姫”を思い浮かべることでしょう。姫君と青年貴公子のラブストーリーでもある「おちくぼ姫」は千年も昔に書かれた、王朝版「シンデレラ物語」です。
(表紙カバーより抜粋)
コメント:かるくって、サラサラ読めて、
「おちくぼ姫」の性格がいいので、なんだか読んでいて嬉しくなってしまいました。
たまにはこんな軽い本もいいわ。

著者:森博嗣
出版:講談社文庫
初版:1999.03.15.
紹介:同僚の誘いで低温実験室を訪ねた犀川助教授とお嬢様学生の西之園絵萌絵。
だがその夜、衆人環視かつ密室状態の実験室の中で、男女に明の大学院生が死体となって発見された。被害者は、そして犯人は、どうやって中に入ったのか!?人気の師弟コンビが事件を推理し真相に迫るが・・・・・。究極の森ミステリィ第2弾。(裏表紙より引用)

コメント:密室殺人?理系小説だとか、新しいミステリィだとか言われているけどそうかな?トリックもある程度予想できて、違和感もない。私は充分に楽しめました。
次作も読んでみよう。

著者:ジャスティン・コーマン&ロン・フォンテス
出版:小学館
初版:1994.04.20.
紹介:大好きな牧場を救うために都会に出たベイブ。ところが街ではとんでもない事態に巻き込まれ、牧場を救うどころか、動物たちの生活も危険に脅かされている。
動物たちに平和な暮らしはやってくるのか?そして、ベイブは牧場を救うことができるのか?


コメント:映画「ベイブ」の続編。やっぱり映画の方が見ていて楽しいだろうな。

秘密

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著者:東野圭吾
出版:文藝春秋社
初版:1998.09.10.
紹介:スキーバスの事故に遭遇した妻と娘。重体の妻と奇跡的に助かった娘。
父と娘の、一見平和な生活が始まったかに見えたが・・・・


コメント:ヒロスエ主演で映画になったというこの作品。
結構気に入りました。妻と夫、娘と父。この肉体と精神のきわめて均衡のとりにくい関係の中でのそれぞれの苦悩。
さいごのほうほ、ユーミンの「翳りゆく部屋」がでてきたところで思わず目が熱くなってしまいました。

著者:銀色夏生
出版:角川文庫
初版:1988.07.25.
紹介:生まれることも歴史です。失うことも歴史です。私たちがもっとも大切にしなければならないことは、私たちの本当の目的です。
私たちの目的は、素晴らしく美しく悲しいほど純粋だったのではなかったでしょうか。
そのためになら生きていることを誇れるという目的だったのではないでしょうか。
私たちはそのことをうっかりと忘れないためにこそ、お互いに存在しているのです。
(表紙扉から引用)

コメント:SPEEDの歌にもこんなのがあったけど・・・・
この本もいいな。LESSONより好きです。銀色夏生って、女の子だったんですね。詩だけ読んでいたら男の子が書いたのかと思ってしまいました。
こんな時代、今なら戻りたいって思うけど、あのころは手探りで、出口がなくって、結構迷っていたよね。訳もなく友達といると落ち着いたし・・・・。

LESSON

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著者:銀色夏生
出版:角川文庫
初版:1988.04.25.
紹介:私たちは迷わずに歩いていきましょう。 もう、ここまで来てしまいました。
月日は、すぎていきます。あのころに帰りたいなんて言わないでください。
今、目の前にいるのが私です。今、目の前にいるのがあなたです。
どうしようもないことは、もう どうしようもないでしょう。
笑えることが素敵です        ───著者(表紙扉から引用)

コメント:銀色夏生という名前にひかれて手にした本。
思いがけなくそれは写真集のような詩集だった。
今となってみれば、過ぎ去ったあの時代が懐かしく感じられるのだが、
あのころこの本を手にしていたら、きっと私のバイブルになっていたかもしれない。

著者:山本文緒
出版:角川書店
初版:1998.11.25.
紹介:離婚経験者・・・・。
もう2度とあんな思いはしたくないと思っていたはずなのに・・・・。
目の前に現れた男によって生活が変えられていく。


コメント:まあ、お話だからね。世の中にはこういう人もいるかもしれないなぁ・・・と思うのだけど、私とは違うタイプですね。なんというか、「執着心」とか「独占欲」とかあんまり好きじゃないみたい。タイトル通り、「恋愛中毒」症状なんだね。こういう人生って、けっこうハードだと思うな。

著者:帚木蓬生
出版:新潮社
初版:1993.05.20.
紹介:新任看護婦・規子が小耳に挟んだ「無脳症児」のひと言がきっかけだった。
この病院で何かと方もないことが進行している───周囲で頻々と起こる奇妙な出来事、そして親しい者たちの死。涙の乾く暇もなく襲ってくる「臓器農場」からの魔の手。マッドサイエンスをくい止める者はないのか……。

新任看護婦・規子が勤めた総合病院は「多臓器移植」が、数多く行われていた。
そこの産婦人科には、裏と表の顔があるという。奥の特別病棟にはふつうの看護婦は入れない。患者を救うための「臓器移植」。そのための臓器は、いったいどこからやってくるのか?頭の片隅に浮かんだ疑問がふくらんでくる・・・(表紙扉より引用)

コメント:現実の社会の中でも本当に起こりそうな話で、ちょっと恐くなりました。
それに、なんで大切な人が殺されちゃうの?という気持ちです。事件が解決しても、とっても悲しかった。殺されそうになるくらいでも、ストーリーは充分読み応えがあると思うんだけどな。

著者:ベルナール・ウエルベル
出版:ジャンニ・コミュニケーションズ
初版:1996.05.2ケ.
紹介:フォンテーヌブローの町で、不思議な殺人事件が次々と発生する。殺されているのは化学者ばかりで彼らは何らかの薬品開発に関わっていた。どれもが完全犯罪で、犯人の手がかりはない。腕利き刑事と地元紙の女性記者が調査に乗り出す。(表紙扉から抜粋引用)

コメント:「蟻」の続編。蟻たちの見た世界と、地下に閉じこめられ、人間社会と隔絶され、蟻の生態を学ぼうとした人間達。そして、不思議な犯罪。
なんだか不思議な世界が広がっていきます。

著者:天童荒太
出版:幻冬舎
初版:1999.03.10.
紹介:優希は看護婦に、ふたりの少年は弁護士と刑事になっていた。またしても悲劇が優希を襲った。実家は消失し、その焼け跡から母の死体が発見された。その容疑は弟にかけられ優希は動転するが、彼はそのまま失踪してしまう。優希を支えるふたり、長瀬笙一郎と有沢梁平も、それぞれが持つ勇気への感情を持て余し、互いに猜疑心さえ抱いていった・・・・・。十七年前の「聖なる事件」、その霧に包まれた霊峰に潜んでいた真実とは?(表紙扉より引用)


コメント:母から、父から、様々な虐待を受けながら、愛されたいと思うために、自己を押し殺して生きてきた子供達。大人になったとき、彼らが受けた心と体の傷跡は、果たしてどのような形で残っているのだろう。彼らが救われるときは来るのだろうか・・・
辛い親子関係の犠牲になった子供達。親もまた、心の傷を持って、それ故我が子を苦しめる。
この本の内容が、単なるお話ではなくて、現実の社会の中で、すぐ身近に存在すると言う事実が、さらに私の心を凍らせます。

著者:天童荒太
出版:幻冬舎
初版:1999.03.10.
紹介:霊峰の頂上に登れば「神に清められ自分たちは救われる」と信じた少女・久坂優希とふたりの少年は、その下山の途中同行していた優希の父親を憑かれたように殺害する。三人は事件の秘密をかかえたまま別れ、それぞれの人生を歩んでいたが、一七年後運命に導かれたように再会を果たす。その直後、優希が固く口を閉ざす「過去」を探ろうとする弟の動きと周囲に起きた殺人事件の捜査によって、彼女の平穏な日々は終わりを告げた。しかし、まだそれは最後の審判への序曲に過ぎなかった。(表紙扉より引用)


コメント:下に掲載

著者:北村薫
出版:創元推理文庫
初版:1997.02.21.
紹介:絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を過酷な運命が待ち受けていた。ひとりが召され、ひとりは抜け殻と化したように憔悴の度を加えていく。文化祭準備中の事故と処理された女子高校生の墜落死───親友を喪った傷心の利恵を案じ、ふたりの先輩である《私》は事件の核心に迫ろうとするが、疑心暗鬼を生ずるばかり。考えあぐねて円紫さんにうち明けた日、利恵がいなくなった・・・・・・(裏表紙より引用)

コメント:「円紫さんシリーズ」の3冊目です。ミステリーはミステリーなのですが、確かにとてもやさしい気持ちになれる本ですね。他の3冊(空飛ぶ馬・夜の蝉・六の宮の姫君)も探して読んでみようと思います。

著者:荻原規子
出版:徳間書店
初版:1996.07.31.
紹介:村娘狭也の幸せな日々に、影を落とすのは昔の記憶……「鬼」に追われた六歳の自分。十五になった祭りの晩に、「鬼」はついに追いついた。〈おまえは「闇」の氏族の巫女姫だ〉と告げられて、憧れの「輝」の宮に救いを求める狭也。だが、宮の神殿で縛められて夢を見ていた「輝」の末子、稚羽矢との出会いが、狭也の運命を大きく変えていく……(表紙扉より引用)

コメント:この世界が今の形になる、その時代のお話。陰と陽・闇と輝・月と日。
ファンタジーといっても、よくあるように現実の世界から向こう側へ行ってしまうのではないのですね。混沌とした世界の中で、自分のあるべき姿を求めていく・・・・
なかなかおもしろかったです。

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