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1999年9月アーカイブ

著者:北村薫
出版:東京創元社
初版:1990.01.20.
紹介:「円紫さんと私」第2弾
女子大生の私が出会うちょっとした不思議。日常という小さな出来事に埋もれている真実。今回もまた円紫さんの細かい観察眼に驚かされます。。同じ事柄でも、あちら側とこちら側では見えてくるものの形を変える。自分らしさを見失わないように・・・・
数多くの読書案内(?)と、落語ネタ、そのすべてが思考のキーワードだ。

コメント:私と、正ちゃん・江美ちゃん・の3人のちっちゃいヒミツ。そして根底に横たわる、私と姉とのそれぞれの思いが静かに姿を現す。
これはけっこういい感じです、善作より好きだな。この円紫さんシリーズを読んでふと思ったのですが、もしも、本当に円紫さんのような人がいたら、ちょっと恐いですね・・・・隠し事なんて絶対にできません。(^-^;

著者:高橋三千綱
出版:角川文庫
初版:1979.05.30.
紹介:15才の勇にとっては、剣道をしている最中に感じる緊張感がこの世でもっとも信用できることの一つに思えた。その一方で剣道だけの世界に不安を覚え、合宿を放棄して旅に出てみたりする。そんな彼を視つめる女学生松山の潤んだ瞳。目覚める性への憧れと反発。家族への理由のない苛立ち。そして剣道へのひたむきな情熱。勇の心は揺れ動きながらも、今、大きく羽ばたこうとしている。
青春の無頼と悲しみ。ストイシズム、そして優しさを歯切れのいう文体で爽やかに謳いあげる青春小説3部作。
「五月の傾斜」「二月の行方」(裏表紙より引用)

コメント:時代的にはちょっと古いのだけど、16才の少年「勇」と、父親・剣道・友達などを通した彼の生活や、様々な出来事そして心の動きにおもわず引きつけられてしまいました。
男の子が読むときっといいと思います。

著者:倉本聰
出版:理論社
初版:1986.01.00. 第5刷
紹介:北海道の、コロボックルに似た小人のお話です。
富良野の森を舞台に、広大な自然と、森を切り開く人間。そしてそこに住むニングルの関わりが明かにされていきます。
人間の文明に犯されてしまったニングルの若者が、その結果自分の家族や仲間達を失うことになった、その衝激・・・最後のニングルの語りかける言葉が、とてもとても胸を打ち、思わず目頭が熱くなりました。

コメント:佐藤さとるの「だれも知らない小さな国」が好きだった人は、ちょっと手に取ってみてください。

催眠

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著者:松岡圭祐
出版:小学館
初版:1997.11.20.
紹介:「催眠療法」
ある日多重人格と思われる女性に出会う。ある時は言葉少なく、ある時は宇宙人。そしてある時な、非常に明るい活発な女性に変身する。
彼女は別の人格を演じているのか?
世間で周知されていない「多重人格」を疑うカウンセラーは催眠療法を用いて彼女を救おうとする。彼女の隠されたトラウマとは?そして事件の真相は?

コメント:稲垣吾郎主演で映画化されたという「催眠」。どうしても、嵯峨に彼のイメージがかぶさってしまいます。まあ、それはそれでいいのですが・・・
多重人格については「24人のビリー・ミリガン」などで前知識を持っていたので抵抗なく読めました。自分自身が閉じこめた意識が催眠誘導によって、表に出てくると言うのはなんだか気持ちが悪いなぁ。健康な精神のためには必要なのでしょうか?私の下層意識にはいったい何が潜んでいるのだろう?

著者:J・R・R・トールキン
出版:岩波書店
初版:1965.10.13.
紹介:ビルボと言う名のホビット(小人族)が、のどかに暮らしていたある日、
魔法使いとドワーフ達の頼みで宝物を探す旅に出る。
トロル・ゴブリン・ゴクリ・オオカミたちと戦い、
霧ふり山を越え、闇の森でエルフ達にとらわれ、
宝物を守っている龍の穴にたどり着く。
それからどうやって宝物を手に入れたか・・・・
ホビットの「行きて帰りし物語」お話の最後までお楽しみ。

コメント:人に誘われて渋々出かけた宝探しの旅。ドワーフ達に助けられ、指輪を手に入れてからは、みんなを助け、みんなの力を借りて宝を手に入れる。平和な暮らしを一番に望むホビットの冒険。自分の村に帰り着いたとき、そこで彼を待ち受けていたのは?いやはや楽な暮らしはなかなか手に入らないものです。

著者:佐々木丸美
出版:講談社
初版:1978.01.20.
紹介:北斗興産の跡継ぎ問題にからむ3人の赤ちゃんが姿を消した。
そのひとり上久弥生をめぐる物語。女の子はふたりとも養女だった。
ひとりは優しく育てられ、ひとりは冷たくされた。ある日王子さまが迎えに来た。
ふたりは彼のもとで育てられる。会社の思惑に踊らされるふたりの少女。そして愛の行方・・・


コメント:葵の一人称で語られる話。うー・・・何ともドロドロしたやりきれない話だ。
「雪の断章」「花嫁人形」の3作を読んだので、これでお終いにします。

著者:トリイ・L・ヘイデン
出版:早川書房
初版:1996.09.30.
紹介:母親に捨てられ、父親に虐待され、社会に反発して自分を閉ざすことによって自己を守ろうとした少女シーラ。
シーラを救おうとしたトリイの行動が、結果として、シーラを再び、捨ててしまうことになった。シーラの母親への憎悪・愛情・救いを求める心。様々な思いがシーラを取り巻く。トリイと母親の混同・・・・
彼女が、過去を通り抜け、未来に目を向けることが出きるようになったときシーラは自分の人生を自分のものにすることができた。

コメント:「シーラという子」のその後ですが、
シーラとトリイが分かれたその後、再会してからの記録がつづられています。
ノンフィクションであり、感動すると言うことはなかったのですが、深く心に響くものはあり、もし今自分自身の中で葛藤しているなにかを持っている人がいたら、この本はひとつの指針を示してくれるかもしれないと思いました。

著者:エリス・ピーターズ
出版:現代教養文庫
初版:1990.11.30.
紹介:12世紀半ばのイングランドのシュルーズベリ修道院。
5月初めの気持ちよく晴れ上がった朝だった。かつて十字軍に参加し、今は薬草園の世話をしている修道士カドフェルは今日こそグウィセリンの遺骨の話が持ち上がるに違いないと思った。野心家の副修道院長が有力な聖人の遺骨を手に入れて、この大修道院の守護神にまつろうと聖人の遺骨探しに奔走していたからだ・・・。(表紙扉より引用)
コメント:修道士カドフェルの魅力がわかりました。
事件や、まわりの出来事もとてもおもしろく読めたんだけど、
最後の、事後の処理って云うの?あの心配りが魅力ですね。
例の、中が鉛で内張をしてある聖骨箱のその後もちょっと気になったりします。
中身がどうなってるのかなぁ・・・って

著者:重松清
出版:朝日新聞社
初版:1999.02.01.
紹介:・エイジ・14才。バスケ部休部中。ホームドラマのような家族と普通の中学生。
・連続通り魔事件が発生した。犯人は同級生だった・・・
・友達、成績、部活、片思い、いじめ、追いつめられた「気」
・ホームドラマを演じる自分・・・ここにひとりの中学生がいる。


コメント:等身大の中学生・・・そんな気がしました。
うまく言えないけど、とても好きな本です。もはやそんなに純粋でもなくうぶでもなく、だけど心に迷いや様々な思いを詰め込んで、どうしたらいいのか自分自身を持て余している。でも、みんなの前では体裁を作りつつ、そんな自分に反発する。
そうやって、この時代(Age)をくぐり抜けていく。
この本を読んで中学生をわかった気になっちゃいけないんだけど、でも・・・共感できちゃうところも多い。

著者:原百代
出版:講談社文庫
初版:1985.07.15.
紹介:高宗の寵を得て、武照は首尾良く宮廷に返り咲いた。しかも単なる寵妃でなく皇后の地位を手にしたのだ。もはや、女性としての最高の地位!だが、彼女はその程度の栄華に満足しているほど甘くはなかった。昇りつめた権力の座を確保し、よりいっそうの強権を獲得するまで油断はみじんも許されない。(裏表紙より引用)


コメント:武后は高宗の名の下に自分の権力を高めていった。このことが結果として、女性の地位を高めることになったのはとてもおもしろい。恐ろしいほどしたたかで、頭の切れる女性だったのです。
期待した我が子・弘との間に生まれた大きな亀裂。我が子に否定される母は辛いだろうな。

著者:森博嗣
出版:講談社
初版:1996.09.05.
紹介:伝説的数学者、天王寺翔蔵博士伸す無三ツ星かんでくる済ますパーティーが行われる。人々がプラネタリウムに見とれている間に、庭に立つ大きなブロンズのオリオン像が忽然と消えた。博士は言う。「この謎が解けるか?」像が再び現れたとき、そこには部屋の中にいたはずの女性が死んでいた。しかも、彼女の部屋からは、別の死体が発見された。パーティーに招待されていた犀川助教授と西之園萌絵は、不可思議な謎と殺人の真相に挑戦する。(表紙扉より引用)
コメント:「消えたオリオンの謎」を絶対に解いてみせる!!と気合いを入れて読みました(笑)
言葉の表面を読むだけでなく作者がそこここに隠してあるはずのヒントを注意深く拾い・・・・・ヤッタ!!
「消えたオリオン像の謎」の方は比較的早い段階でトリックがわかりました。そして事件・・・・。解明されない不合理を独自に解くことによって糸口にたどり着く。
いいなぁ・・・森博嗣の推理小説は私好みです。いわゆるミステリーというのとはひと味違いますね。ちょっと気になるのは、最後に公園にいるおじいさん。あれはいったい誰だったの?やっぱり○○○○なの?

著者:トリイ・L・ヘイデン
出版:早川書房
初版:1996.03.31.
紹介:小さいときから虐待を受けて育った女の子が傷害事件を起こした。
家庭内暴力・貧困・性的虐待にむしばまれた少女が、教師トリイと出会うことで、次第に心を開いていくノンフィクションの記録です。

コメント:前から気になっていた本だったのですが、女の子のおかれた悲惨な家庭環境。何人もの問題を抱えた子供達のクラスを受け持つ一教師、トリイの、希望と絶望。感想なんて、一言ではいえないです。

著者:佐々木丸美
出版:講談社
初版:1980
紹介:悲恋に咲いたガラス窓の雪の花。破れた恋に痴れる花嫁人形───。
悲しき愛と秘められた恋の運命を謳いあげる愛のメルヘンの世界。
「雪の断章」「忘れな草」の続刊。(本の紹介より引用)
コメント:なんでまたこんなにひどい境遇の女の子を作らなければならないの?
最初の部分は本当にかわいそうで理不尽な気持ちでいっぱいでした。
途中、友達ができるところで他の作品との共通した登場人物も出現して、3作がひとつの根から派生している物語だということがわかってきました。
だけど、いくらお話だからって、ここまでひどい状況を作り出さなくてもいいと思うな。私はこんなのイヤだ!!と言いつつ・・・中途半端は気になるので「忘れな草」も読んでしまおう。

著者:原百代
出版:講談社文庫
初版:1985.06.15.
紹介:唐の意地をかけて高句麗に赴いた太宗の親征も結局は失敗だった。そのうえ征旅の帰途に得た病は、容易に回復しそうにない。もし帝が死んだら、たとえ一度でも龍床に侍した宮人は即刻尼寺行きとなるのだ。「武姓の女」であるゆえに、帝の寵を失い、今は一宮人にすぎない武照に過酷な運命は容赦なく迫る・・・・・・。(裏表紙より引用)

コメント:武照の人心をつかむ策略が見事です。太宗の死後、尼寺から高宗のもとへ復活するその手管といったら・・・・。そして王后の心をつかみ、子供を産んでからは自らが后となるまでの、その策略ぶり!!
原 百代の解き明かす正しい「武則天」像。思わず引き込まれてしまいます。

著者:北村薫
出版:創元推理文庫
初版:1994.04.01.
紹介:「円紫さんと私」シリーズの一冊目。北村薫のデビュー作です。
女子大生の私と、噺家円紫さんの出会い。小さなエピソードにまつわるちょっとした不思議。推理小説とも、ミステリーともいえない、円紫さんの観察眼と優しい心が魅力的な作品です。

コメント:先日、先に「秋の花」を読んでしまったのでちょっと物足りなく感じてしまいました。北村薫の作品の最初にこれを読めば良かったのかな。
ミステリーとしてではなく、人の心を読む本という感じです。
男の人なのに女子大生の一人称で書いているし、北村薫ってつくづく不思議です。男性の立場で書かれている作品もあるのかな?

著者:荻原規子
出版:福武書店
初版:1991.12.20.
紹介:遠子と小倶那は双子のように育った。だが小倶那が都に出、「大蛇の剣」を手にしたとき、ふたりの絆は断たれてしまった。小倶那は大君の策謀にのせられ、神代から勾玉を守ってきた遠子の郷を焼き滅ぼしてしまう。「小倶那はタケルじゃ。」郷の大巫女の言葉に遠子は・・・・?
神々が地上を去って数百年の後、残された「力」をめぐって輝の神の裔、闇の神の裔の人々の選択を描きます。
「空色勾玉」で人気を博した著者による、ヤマトタケル伝説を下敷きにした壮大なファンタジー。(表紙扉より引用)

コメント:自分では選ぶことのできない定めによって、翻弄されるふたり。一番大切な人だからこそ、自分の手で殺さなければならない。
ファンタジーでありながらラブストーリー。ちょっと長いかな?と思ったけれど、思わず引き込まれあっという間に読んでしまいました。おもしろかったです。次は「紅色天女」だ!

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