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2001年1月アーカイブ

著者:光原百合
出版:女子パウロ会
初版:1996.03.15.
紹介:読んでいるとちょっと幸せになれる、そしてちょっと悲しい小さなお話が17編。ホラ、かたくなに閉ざされたあなたの心にも小さな灯火がともる。
籐城清治の影絵が、メルヘンの世界によく合っている。
コメント:短編の童話集です。
小さな石の気持ち・何も出来ない魔法使いの話・自分を守るために全身をトゲだらけにしてしまった花木。海を夢見た樫の木・ベットの裏側の国で生きてゆくもの・散らない桜の木・大切な物を入れる袋・よけいな飾り物をサッパリ落としてくれる石鹸・飲むと願いが叶う泉の水、しかしそこには風の声。etc・・・

著者:J.D.サリンジャー
出版:白水Uブックス
初版:1984.05.20.
紹介:「子供の夢・純粋さ」と「大人の現実と欺瞞に満ちた世界」。このあいだで精神の葛藤をする17歳のホールデン。
大人へ反発し、友人を批判し、一方で他人を求め自分の存在を確認するために「電話」をかけつづける。追いつめられて、逃げ出して、救いの手を伸ばしたところが年の離れた妹だった。
「兄さんは世の中に起こることが何もかもいやなんでしょ。」
ライ麦畑でつかまえて欲しいと願っていたのは、他ならぬホールデンだったのだ。
彼を救い出したのは・・・

コメント:前半は訳が今ひとつしっくりこなかったのだが、後半になって主人公のほとんど独白に近い内容に、引き込まれていく。50年前に書かれた作品としては、なかなかおもしろい。
「大人への反逆」の一方で次第に崩れていく精神。宗教や国の違いを問わない普遍的な内容と言うが、今の自由奔放に生きている子供達には、このような葛藤があるのだろうか?どんな感想を持つのかそれも興味があります。

著者:飯田穣治  梓河人
出版:角川書店
初版:2000.01.31.
紹介:自殺を考えているホームレスの流は、寒いある日、裸の赤ん坊を拾う。
その赤ん坊のお尻に貼りついていた新聞紙の記事から「アナン」と名前をつけ、ホームレス仲間と育てる事に。その赤ん坊は、実は他人の悲しみを聞いて、それを解き放つという不思議な力を持っていた・・・その力をいつしか、芸術に高めていくアナン。
彼とその育ての父がたどる運命はどこに繋がっていくのか?

コメント:先が気になってどんどん読んでしまいました。アナンの魅力はすごいですね。ラストはどうなるんだろうって、すごく気になったけど、なるほどと納得のいく結末でした。

著者:アンネ・フランク 訳:深町眞理子
出版:文藝春秋
初版:1994.04.15.
紹介:あまりに有名な「アンネの日記」ですが、実は初挑戦です。
1942-1944、オランダに住む13~15歳のアンネの日記につづられた、ユダヤ人一家の「隠れ家」生活。
第2次世界大戦、ナチスドイツによる迫害の中で、嫌悪・好き嫌い・怒り・思いやり・優しさが語られる。月日を追うごとに変化し、成長していくアンネ自身。恋愛・性・そして自分の将来への希望がつづられる。

コメント:最初は、鼻持ちならない女の子のたわ語と、半分辟易としていたのですが、次第に戦争に巻き込まれてゆくユダヤ人の生活と、それとは別に少女が変貌していく課程に、目を見張る。
くしくも同じ年の娘を持ち、受験を目前にさまざまな悩みを抱えているであろうと思うのだが、いつの時代にも共通する悩みと、それとは別にこの平和な時代に生きる喜びを密かに感じてしまう。娘には、ぜひ最後まで読んで欲しいと思う。

著者:江國香織
出版:理論社
初版:1991.07.00.
紹介:現実と幻想の境界を静かに流れる時間。美しくも怖い9つの童話。
・デューク:可愛がっていた犬が死んだ。悲しむ私の前にハンサムな少年が・・・
・夏の少し前:課題で残された土曜の午後。洋子は教室で涼ちゃんのことを思い出した。・僕はジャングルに住みたい:小学校の卒業。みんながまわすサイン帳に・・・。
・桃子:親とはぐれた幼い桃子。そばで面倒を見ていた修行僧は恋に落ちて・・
・草之丞の話:僕の母はひとりで僕を育てていた。そんな僕の前に姿を見せた父は、幽霊だった。
・鬼ばばぁ:広場のこども達をのぞく養老院の窓にはトキの姿があった。トキと時夫の交流。
・夜の子どもたち:昼間こども達が遊んだあとの公園で、遊んでいるのは?
・いつか、ずっと昔:れいこと浩一。れいこがれいこじゃなかったとき、その昔の恋人は?
・スイートラバーズ:麻子が生まれる前日に、おばあちゃんは亡くなった。おばあちゃんの若い頃にそっくりになった麻子には・・・ずっとおばあちゃんが憑いていたのだ。

コメント:ちょっと怖いけど、でも幸せな気分になる。大人のためのおとぎ話みたい。

海風

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著者:近藤啓太郎
出版:家の光協会
初版:1980.10.03.
紹介:海辺の町に暮らす、高校3年生の仲間たち。友達・恋愛・将来のこと、悩み多き時代をどうやってくぐり抜けるか。頭で考えるより、まずは体で感じることの大切さを伝える。

コメント:昭和55年に出版されたものですが、20年前にしても、ちょっと会話が古い感じ。作者の年代が高いのかな?その点をのぞけば、なかなか面白い本です。青春とか、青年期・・もしかしたら回顧録的?ぅまの子供達に読ませたら、なんて言うかな?ちょっと興味深い。

著者:江國香織
出版:新潮文庫
初版:1995.06.01.
紹介:ウィルミントンの町に秋がきて、僕は11歳になった。映画も野球も好きだけど、一番気になるのはガールフレンドのジルのことなんだ・・・・・・。アメリカ育ちの大介の日常を鮮やかに綴った表題作「こうばしい日々」。
結婚した姉のかつてのボーイフレンドに恋するみのりの、甘く切ない恋物語「綿菓子」。大人がなくした純粋な心を教えてくれる、素敵なボーイズ&ガールズを描く中編二編。(裏表紙より引用)
コメント:ちょっと軽めで読みやすい本なので、2時間ちょっとで読んでしまいました。
私的には好きな本ですね。時間が出来たらむすめ達にも読んで欲しいと思える一冊でした。思春期の入り口に立った子供の様子がなかな ゥいい感じです。「こうばしい日々」の方は、日本とアメリカの感じ方・違いの対比なんかもあって面白いです。

著者:有吉佐和子
出版:新潮社
初版:1971.04.20.
紹介:伊豆七島のひとつ「御蔵島」に、基地問題が持ち上がった。
昔の離島の生活を知るオヨヨン婆の目を通して、次第に便利に文化になってゆく島の生活と、反面失われてゆくもの。目先のことだけでない物事の本質を見つめるオヨヨン婆の視点がとても魅力的だ。古き良きものと、新しいもの。本当の幸せとは何なのか?
はからずも降ってわいた御蔵島射爆場候補のニュースをそれぞれの人が別々の思惑で見つめる。

コメント:現在の島の生活とはもちろん比べものにもならないが、離島の先生不足・医者不足・子供達は高校になると島を離れるようになるし、根本的な問題はいまもなお変わらない現実がそこにあるのだ。
そう思うと、あらためて色々なことが考えさせられた一冊でした。

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