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2003年12月アーカイブ

著者:柳美里
出版:新潮社
初版:1998.11.25.
紹介:風俗店が並び立つ横浜黄金町、少年が育つには決していい環境とは言えない。中学を登校拒否してドラッグに浸る。父親は、自宅の地下に金塊を隠し持つパチンコ店経営者。少年を後継者と考えているが、自分の思い通りにならない子どもたちに怒りをぶつける。宗教に逃避する別居中の母、知的障害を持つ兄、援助交際に溺れる姉など、家庭崩壊の中、何でも金で解決しようとする父に対し、少年が起した行動とは…。

コメント:犬を殴り殺してしまったり、父親を殺害してしまうその行動の裏側には、激情というよりも、その周りの人に対する、父親の対応への積もり積もった不満が重なった結果に思えるのだが、それとはまた対照的に、殺害後も平常を保って日常生活を送っている、その精神構造が不気味だ。溢れるお金以上に、小さな少年にのしかかった、障害を持つ兄や、兄ばかりを可愛がる母など、少年の成長過程を思うと、不憫で哀れだ。

著者:夢枕獏
出版:文藝春秋
初版:2002.01.14.
紹介:「怪蛇」右足の太もものところに出来た悪しき腫れ物、その中身は?
「首」一人の姫の元で男がはちあわせした。竹取物語のように姫が男に出した難題とは?「むしめずる姫」虫が好きな姫が飼いだした毛虫がどんどん大きくなって・・・
「呼ぶ声の」桜の木の下で、問いかけに答えてしまったら?
「飛び仙」宮中にでる妖と、頼子の体がかゆくなる理由は?
コメント:話題になって久しい「陰陽師」なんとなく手を出さずにいたのですが、書架で見つけて思わず手にしてみました。意外・・・というか、納得の面白さ。他のも読んでみようかしら?

著者:ウィンストン・グルーム
出版:講談社
初版:1994.12.12.
紹介:IQ70でも、それだけでははかりきれない才能。
・フットボールの花形プレイヤー・ベトナム戦争のヒーローとして勲章を授与され・ある時は卓球チームのメンバーとして中国に遠征し・その後は実業家としても成功する。
だけど・・・フォレストにとって大切なことは
・大好きなジェニーの姿を見失わないこと・母さんの涙を止めること・そして友達を信じること。
いろんなことがあったけど、フォレストは幸せなんだな
コメント:映画が有名で、タイトルだけは知っていました。実はコメディなのかと思っていましたが、本当はそうじゃなかったんですね。ベトナム戦争の時代。反戦・ヒッピー・・・
私が子供の頃、70年代のアメリカにおいて、本当に大切で、幸せなことがなんなのか、フォレストが教えてくれる。

著者:加納朋子
出版:幻冬舎
初版:2001.10.10.
紹介:どうってことのない平凡な1日になるはずだったあの日
さやと、生まれて間もないユウ坊を残して俺は死んでしまったらしい。
だけど、俺はさやとユウ坊のことが心配で心配でたまらない・・・
寂しいけど、ちょっと不思議な心あたたまるお話。

コメント:こんな風に、あっけなく死んでしまったら、やっぱり誰かの体を借りてでも、そばにいて欲しいと願うだろうな。人の心にはそんな力があるような気がする。

著者:柴田よしき
出版:実業之日本社
初版:2001.05.25.
紹介:シティホテルでリゾート気分を味わう女たち。
ホテルに住む女・そのホテルに出没するという幽霊のウワサ・・・
その真相は?

コメント:ホテルという場所は、ある種「非日常」を手に入れる場所らしい。
ホテルでは、お客様であるいはお姫さま気分になれたり・・・私も、優雅な独身だったらそんな非日常に時には浸ってみたい気分になる。あぁ・・・でも現実に戻ったときが、寂しいかもしれないなぁ。

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著者:石原慎太郎
出版:幻冬舎
初版:1996.07.24.
紹介:弟、石原裕次郎への追憶。


コメント:兄弟であることは知っていたが、私が知っている裕次郎はもう既におじさまだった。
今は都知事としての「顔」時々とんでもない発言が飛び出す「口」・・・我が道を行く慎太郎のイメージだが、少年期、青年期の兄弟の様子を垣間見ると、また印象が変わってくる。小説家の兄と、俳優の弟がお互いを支え合っていた・・・・イヤ、弟はまだ慎太郎の中に生きているのかもしれない。

著者:北村薫
出版:文藝春秋
初版:1994.10.15.
紹介:恋愛小説・水に眠る・植物採集・くらげ・かとりせんこうはなび・矢が三つ・はるか・弟・ものがたり・かすかに痛い
ちょっと不思議な短編集
コメント:「矢が三つ」男と女の生まれる比率が2:1。だから二夫一婦生になるのは当たり前・・・そんな世の中だったら?これはちょっとおもしろい。

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