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2005年7月アーカイブ

著者:乃南アサ
出版:朝日新聞社
初版:2004.11.30.
紹介:親からも見捨てられ、通り魔や強盗傷害を繰り返す
無軌道な若者・伊豆見翔人は、逃亡途中で宮崎の山村にたどり着く。
成り行きから助けた老婆スマの家に滞在することになった翔人は、
近所の老人シゲ爺の野良仕事を手伝ううちに
村の暮らしに馴染んでいくが……

やりたいことをやり尽くして、弾けて消えればいい─
現代の若者の“絶望感”を細やかな心理描写で描き出す傑作長編サスペンス
(表紙カバー・帯より転顧)
コメント:時間が、子供だった自分をいつしか無気力な高校生に作り上げ、だらだらと過ごすばかりの浪人生に仕立て上げ、やる気ゼロの五流大学生にさせた。4人家族はバラバラになり、連続強盗殺人犯ができあがった。その場しのぎですぐやる気をなくし、そんな日々。
 山奥深い平家の落人が隠れ住んだという山里での生活は、それまでの生き方を、根本から変えようとしていた。
 自暴自棄・自堕落な主人公が、90歳の老婆や、山里の人々とのかかわりの中で、それまでの自分と向かい合う。最初の投げやりな態度から、少しずつ変化していく様子が少し希望をつなぎ、しかしたびたび、裏切りそうになり、その心の動きにハラハラする。「ぼうは、ええ子」そうやって頭をなでられる経験がなく育ったのだと、推測させられる。
 いい人たちにめぐり合えて、やり直すことができれば・・・彼は幸せものだ。

著者:白岩玄
出版:河出書房新社
初版:2004.11.20.
紹介:まるで着ぐるみを着るようにして、誰からも愛されるまじめな高校生を演じる。
本当の自分自身の姿は誰の前にもさらさない。そうすれば、大概のことはうまく通り過ぎてゆく。
ある日、転校生がやってきた。太った身体、わかめの様な髪の毛、脂ぎった顔。彼はなるべくしてイジメの標的になった。
彼の名は「信太」→「野ぶた。」
いじめられ、無視される存在のかれを、クラスに受け入れられるようにするには…そうだ、プロデュースすれば…
コメント:本当の自分と、外の自分。着ぐるみを着て、自分でない自分を演じること、それが確かにうまく世間を泳ぐために有効な手段のひとつかもしれない。
仲間の中に埋もれてつぶされてしまうよりは、多少は自分を偽っても、生在を確保できた方がいいに違いない。
だけど、そこにはやっぱり無理がある。ほんの些細な油断が、そこに大きな落とし穴が口をあけているのだ。

著者:宮部みゆき
出版:講談社
初版:2005.01.01.
紹介:江戸町民のまっとうな日暮らしを翻弄する、大店の「お家の事情」。ぼんくら同心・井筒平四郎と超美形少年・弓之助が「封印された因縁」を解きほぐす。2000年刊「ぼんくら」に続く下町時代小説。
芋洗坂のお屋敷で殺された女主人。その場に居合わせて捕らえられた佐吉。
しかし、事件の真相は思わぬところに…
コメント:「おまんま」「嫌いの虫」「子取り鬼」「なけなし三昧」「日暮らし」
短編と見せかけて、じつは「日暮らし」への序章。
各お話のところどころに「ひぐらし」「日暮らし」という単語が潜んでいる。
宮部みゆきの時代小説は、読んでいくうちに、その下町の世界にするすると引き込まれてしまう。登場する脇役たちも魅力的で、このシリーズの続きがまた楽しみです。

著者:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
出版:徳間書店
初版:1997.08.31
紹介:「魔法使いハウルと火の悪魔」の続編。主人公アブダラと「空飛ぶ絨毯」とビンの中の精霊「ジンニー」
ベースはアラビアンナイト的である。
平穏な日常から、自らに与えられた運命に立ち向かう力を求められる。

コメント:
ハウルもカルシファーも出てこないのだが・・・実はちゃんと出ているのだった。

コメント:
ハウルもカルシファーも出てこないのだが・・・実はちゃんと出ているのだった。

著者:桐野夏生
出版:集英社
初版:2004.11.20.
紹介:娼婦の置屋で生まれ、戸籍をもたないまま8年も育ち、福祉施設で過ごしたアイ子。彼女の周囲で起きる火事、嘘と盗み、そして殺人の人生。
いつも持ち歩く白い靴。それは、たった一つの母の形見。アイ子は自分の「ママ」を探していた。
不幸な母と、娘の物語。
コメント:育った環境がその人の人生に大きく影響を及ぼすと思っていた。
しかし、小さな子供に、その環境を変える力はないのだ。だとすれば、幼い子供の身につくことは、その環境から自分の生き抜く力を学習することだけ・・・
それぞれが、皆したたかに生きるすべを探っている。そのことを、誰が非難することができるだろう。

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