都立桃耳高校

著者:群ようこ
出版:新潮文庫
初版:2001.01.01.
紹介:制服が廃止になった桃耳高校はロンドンブーツや編みタイツが闊歩して、青春花盛り!山岳部は授業中に飯ごう炊さん、先生たちは学校で犬を飼い始め、みんなが思い思いに楽しんでいる。私はグランド・ファンクやレッド・ツェッペリンが聞ければ充分幸せ。
ボウリングのスコアが4でもカレシがいなくても、それでいいや。世の中なるようにしかならんわい!(裏表紙より引用)
コメント:私が若かりしころと時期がすこし重なる。
そして、それはうちと同じ第3学区
「勉強の○○、運動の△△、恋愛の□□」といえば・・・
なんとうちの近くじゃないか?思わずニヤリと笑ってしまう
ごくごく普通の?女子高校生の、ぼやきが聞こえてきておもしろい。
時代は流れて30年経っても、案外変わってないもんだな。

乙武レポート

著者:乙武洋匡
出版:講談社
初版:2000.05.25.
紹介:1999年4月。TBS「ニュースの森」のサブキャスターに起用された乙武氏。
乙武と言うフィルターを通してみた、社会。本当のバリアフリーとは何なのか?
それ以上に、障害者としての立場ではなく、もっと自由な視点で世界を見ていきたい。
ニュースの送り手としてのプロの仕事を間近で見ながら、得た物は限りない。自分にできること、人に助けてもらうこと、自分のやりたいこと、そして、仕事ではなく得た友人。乙武キャスター生活1年間の出会いとレポート。
コメント:大きな障害を自分のものとしながら新しいものに挑戦していく姿は、障害者というイメージを大きく超えている。彼のたぐいまれな能力と性格の明るさ。そして人を引きつける笑顔の影で、「ホントはそんなにいい人じゃないんだけどなぁ~」と言うつぶやきが聞こえてきそうな気もする。実はごく普通の青年の顔がのぞく。
ありのままの、乙武氏の今後の活躍がちょっと気になる。

インストール

著者:綿谷りさ
出版:河出書房新社
初版:2001.11.20.
紹介:女子高校生と小学生が風俗チャットで一儲け
押入のコンピューターから二人が覗いた〈オトナの世界〉とは?
第38回文藝賞受賞作品(帯より引用)
コメント:作者が現役女子高生というので、ちょっと興味を引かれた。
受験?勉強?おしゃべり?毎日繰り返されるたわいのない日常。ふと浮かんだこれでいいのか?という疑問。そして自分を取りまくすべてのものを捨てた。思いっきりよく!
なるほど、ここまで思い切りよく今の自分を捨てることができたら、ずいぶんサッパリするだろう。そしてそこに残った自分自身と向き合うことで、また違った自分が見えてくる。まあ実際、そこまで思い切ったことはできないけど、なんか気持ちはわかるような気がするな。

世界がもし100人の村だったら

著者:池田香代子:再話
出版:マガジンハウス
初版:2001.12.11.
紹介:もしもたくさんのわたし・たちがこの村を愛することを知ったならまだ間にあいます。
世界を100人に縮めるとまったく違うあなたが見えてくる。
毎日新聞の「天声人語」でも取り上げられたあの話題のEメールが、すっかり生まれ変わって素敵な絵本になった。
あなたも、この村に生きている。(帯より引用)
コメント:テレビでも取り上げられて、子供たちの学校でも取り上げられて、それじゃやっぱり手にしてみようと購入した本。きれいに色分けされたデータは、今までの私たちの価値観や基準を塗りかえた。今こうして、この本を手にして読んでいること、それはつまり・・・
言葉の少ない小さな絵本だけど、大人が読んでも、子供たちが読んでも多くのことを考えさせられる、本です。
自分がいかに幸せなのか?と言うことだけではなくて、村のみんながすこしでも幸せになれるにはどうしたらいいのか。立ち止まって考えてみたい。

緑の午後(おいしいコーヒーの入れ方5)

著者:村山由佳
出版:集英社
初版:2000.12.30.
紹介:僕の恋人は、5つ年上のいとこ・かれん。
星野りつ子にぼくらの関係を告げたときから、何かが動き始めた―――。
父の帰京と再婚、そして妹の誕生・・・・・・。僕、かれん、その弟・丈、三人だけの満ち足りた生活に、すこしずつ変化が訪れようとしている。その変化が何をもたらすのか、僕はまだ気づいていなかった―――。
丈の恋の行方を描いた番外編も同時収録、村山由佳の人気シリーズ第5弾!(表紙扉より引用)
コメント:りつ子に拒食症?の気配。人の心は壊れやすい。
うーむ、ショーリとかれんの同居生活も終わりそうだし・・・
これからどうなるんだろう。気になるなぁ。

雪の降る音(おいしいコーヒーの入れ方4)

著者:村山由佳
出版:集英社
初版:1999.04.07.
紹介:「お前に弟か妹ができると言ったらどんなものかなぁ」
突然のおやじの電話にぼくはぶっ飛んだ。福岡に単身赴任しているおやじに、どうやら彼女ができたようだ。それも妊娠3ヶ月!
そこで、かれんと二人で福岡まで行くことに・・・。新幹線の旅は楽しかったけど、むこうで会った親父の彼女というのが・・・。(表紙扉より引用)
コメント:いいなぁ・・・今時のこの年齢の男女で、こうプラトニックなのはアリなのか?なんかいいけどねぇ。ちょっとショーリが可哀想な気もするけど、娘の親としては、このくらい大事に思って欲しいとちょっぴり思います。学生であるがゆえの、無力感・不安そして嫉妬。がんばれショーリ。
お互いを甘やかさない。いつまでも好きでいてもらえるように、自分を磨いて努力して行かなくては、恋は続かない。フーム、なるほど。

池袋怪談

著者:日向章一郎
出版:集英社
初版:2000.04.10.
紹介:深い怨念と呪いの力を持つ「般若」の面。その力を利用して呪いをかけたのは、それぞれのパートナーだった。
受験戦争の中で、嫉妬と羨望の念にとらわれた少女。執拗に繰り返されるイジメ。しかし、幸せそうに見えた人も、実は幸せじゃなかったんだ・・・。少女が「般若」の面を手に入れたとき・・・。
コメント:「ゼロの世界」シリーズ3弾。
作家自身が主人公になっちゃうこのシリーズ。日向章一郎が何となく気に入っている私にとっては、まあおもしろい企画。
理解しがたいけど、無視できない霊とかオカルト的なものに引き寄せられる。人の気持ちのすき間に忍び込む、魔物が人の心を惑わせる。

17歳

著者:井上路望
出版:ポプラ社
初版:1999.03.
紹介:ミニスカートにルーズソックスまゆ毛の手入れをして、時に化粧もする「いまどきの女子高生」でもそれは実像ではなくて大人たちが作った偶像なんだ。いじめられて、大好きなバスケを続けられなくなった空白の時間の中で私は今の気持ちを文字に表した。書いていくうちに、姿を現した「私の心」。書くことによって、本当の自分と向き合うこともできた。苦しいことから逃げないで、遠回りしているようでも「私」は「私」でいたい。
コメント:以前話題になって書店で見かけたときに気になっていた本。図書館で目にして思わず手に取りました。ちょっと目立つがために、イジメの対象になってしまう「ろみ」。母子家庭でありながら、母の理解ある、思い切った子育てと、まわりの上質な大人たちにはぐくまれてまっすぐ育っていく。大人たちへの不信感や疑問、心の中で反発しながら、考える17歳。大好きな母・理解ある母のこと・・でも、そんな母にさえも、心の中に踏み込まれたくないと言う。
・・・娘を持つ母の気持ちで読んだら、そこが一番気になってしまった。

天才ピテカントロプス

著者:日向章一郎
出版:集英社
初版:2001.07.10.
紹介:失踪した友人を捜していた高校1年の望は、新宿の裏路地で、同じ年の少年・猛と知り合った。やはり行方不明になったクラスメイトを捜しているという。彼らは失踪する直前に「どうせ死ぬのに」と言う言葉を残していたのだが・・・・。あやしい占い館で二人を出迎えた女の子(?)が、何か事情を知っているらしい。かれらはじけんかいけつにのりだした・・・!デコボコ3人組の青春ミステリー。(表紙扉より引用)
コメント:珍しくかわいい女の子がでてこない、男3人組のお話。
惨劇に遭遇した人々の消えない記憶と、それを巧みに利用した新興宗教まがいの洗脳が背景に盛り込まれていて、それなりにgood。
日向章一郎の本って、その時の子供達を取りまく時代背景や流行、社会現象なんかをさり気なく取り扱っていて、そこがちょっと気に入っているところです。

ゼロの世界

著者:日向章一郎
出版:集英社
初版:1999.05.10.
紹介:ショウイチロウ(本名・コウノアツシ)26歳。職業・小説家。担当編集者・ホサカが持ち込んできたオイシイ話には、やっぱり裏があった!?大手出版社の週栄社が立ち上げた『S・Z・P』なるものの代表に祭り上げられた彼が体験する“ゼロの世界”とは―――。日向章一郎が描く「ショウイチロウ・ヒュウガ」の、半分ホント(?)なオカルト・ミステリー、ここに登場!(表紙扉より引用)
コメント:イヤァ・・・昔やったことがあります。「こっくりさん」不思議でしたね。
今回のシリーズは霊にたたられちゃう話です。
木曜日の夕方4時。少女たちが屋上から落ちる。彼女たちはいっしょにこっくりさんをやった仲間たちだったのだ。霊感の強い少女に聞こえた「つち」という言葉の意味は?