夏への扉

著者:ロバート・A・ハインライン
出版:早川書房
初版:1979.05.31.
紹介:僕の飼っている猫のピートは、冬になると決まって夏への扉を探し始める。家にたくさんあるドアのどれかが夏に通じていると信じているのだ。1970年12月3日、この僕もまた夏への扉を探していた。
最愛の恋人には裏切られ、仕事は取り上げられ、生命から2番目に大切な発明さえ騙し取られてしまった僕の心は、12月の空同様に凍てついていたのだ!そんなぼくらの心を冷凍睡眠保険がとらえたのだが・・・巨匠の傑作長編
コメント:私の読み方にもよるのでしょうが、前半はちょっと重苦しくて「夏への扉」がどこに開かれているのか見当もつきませんでした。
後半からは、ストーリーが一気に展開し、何とも言いようのない世界に引き込まれます。
まさに「夏への扉」がそこに存在していました。おもしろい!!

初恋ストリート

著者:藤村かおり
出版:金の星社
初版:1997.07.
紹介:ボーイッシュで下級生にモFモテの知沙と、小柄でフツーの女の子のひとみは同じ女子校に通う仲良しコンビ。クラスも部活もいっしょだけど、、話したいことが山ほどあって交換日記もしている。
ある日、千紗から戻ってきた交換日記に「好きな人、できました」と書いてあってひとみは大ショック!だんだんふたりのなかはしっくりいかなくなって・・・・。
これってもしや嫉妬なの?女の友情あやうし!!
コメント:青少年向け。娘と同世代なのでちょっと読んでみました。この年頃は女の子の友情と恋の間で悩むんですね。お話よりも現実の娘の方がよっぽど面白いなあ。

侯爵サド夫人

著者:藤本ひとみ
出版:文芸春秋社
初版:1998.03.20.
紹介:サド公爵の夫人ルネ。サド侯爵の度重なる乱交を怨むことなく、盲目的に侯爵を愛し続け、許しているのはなぜなのか?
ルネの心を縛りつけるのものは何か?ルネの心を解き放つためにサド侯爵の生い立ちをたどる。そこには幼児のころ母親から憎悪されていた侯爵の姿が・・・・
またルネの心を縛りつけているのも母親であることに気づく。
コメント:母親としての立場で読んでいました。子供を愛し育てることの難しさを感じました。現代における「子離れできない母」あるいは「生みっぱなしの母」の姿がそこに見えて心に影を落としました。子供を自立させるためには、豊かな愛情とさらには母親の自立。そのために、夫が妻を一人の女性として扱うことが不可欠なのだと・・・フーム。

火車

著者:宮部みゆき
出版:双葉社
初版:1992.07.15.
紹介:婚約者が失踪した。依頼を受けて調査を始めて明るみにでたのは、彼女が他人の戸籍を語っていたという事実だった。
失踪したのは誰だったのか?名前の本人はいまどうしているのか?
現代社会のカードローン地獄・サラ金・取り立て。逃げて逃げて・・・・
自分を捨てて他人になりすます。だけどやっぱり本当の自分からは逃げ出せないのだ。
コメント:カードローン地獄・サラ金・自分には無縁な世界だと思っていました。
でもいつ自分がその中に足を踏み込むかわからない危険性を感じました。
おかげさまで勉強になりました。ハイ!

スナーク狩り

著者:宮部みゆき
出版:光文社
初版:1992.06.
紹介:裏切られた女は散弾銃を持って、結婚式場で何をするつもりだったのだろう?
男は女の銃を奪って何をしようとしていたのか?
スナークとは?愛・裏切り・友情・報復・・・・・
人間の真実をえぐるサスペンス傑作。
コメント:これはわりと読みやすいです。あまり頭を悩ませなくてもスイスイ読めます。だけど、裏切られた女も、銃を奪った男も、とても可哀相。
人間の心理ってこんな風になるものかしら?殺意・報復。

レベル7

著者:宮部みゆき
出版:新潮社
初版:1990.09.
紹介:「レベル7」までいったら戻れない?日記に謎の言葉を残して姿を消した少女。
そして目覚めた男女の腕には「レベル7」の入れ墨が・・・
コメント:事件が起きているのかいないのか?それすらもつかめない中、手探りで本を読みすすめる他はない。読者の気持ちは多分目覚めた男女と同じ気持ちだろう。しだいに解き明かされる謎。社会の隙間にしかけられた罠にはまっていくようだ。うーんすごいな。

魔術はささやく

著者:宮部みゆき
出版:新潮社
初版:1989.12.10.
紹介:一見なんの関係もない3人の女が死んだ。自殺あるいは事故なのだろうか?
「後ろから誰か来る」追いかけられる気配を感じて走り出した。逃げ出した。安全な場所めがけて・・・・。そして・・・
事件の陰で動く魔法の男。すべては彼の手の中にあるのか?
第2階日本推理サスペンス大賞受賞作品。
コメント:ミステリーにあまりなじみがない私にとっては、結構面白いものでした。お話がどのように展開していくのか楽しみだったし、守るがどうなるのかずっと気にかかりました。
この本はMさんに紹介していただきました。

プラハの春

著者:春江一也
出版:集英社
初版:1997.05.31.
紹介:いまから30年前、チェコスロバキアはソ連共産党からの脱却を目指して「プラハの春」を手にしようとしていた。
しかし、ソ連群の軍事介入により「プラハの春」は終焉を迎える他はなかった。
この本は、当時日本大使館員だった作者の目がとらえた「プラハの春」を素材にした、ドキュメンタリータッチのサスペンスノベルである。
コメント:私は、政治も歴史も地理にも疎い。「プラハの春」の存在もよく知らず、当時の東側情勢も学校の教科書で習ったレベルでしかない。
この本を読んで、少しその当時の状況がわかるような気がしてきた。
カテリーナと「プラハの春」そして日本大使館員・堀江との関わり・・・歴史を知らない私にも、歴史が見えてくるようだ。
この本は、Fさんに紹介していただきました。とても面白かったし、読んで良かったと思いました。ありがとう。

アルジャーノンに花束を

著者:ダニエル・キイス
出版:早川書房
初版:1989.04.15. 改訂版
紹介:32歳になっても、幼児の知能しかないチャーリイ・ゴードンの人生は、罵詈雑言と嘲笑に満ちていた。昼間はパン屋でこき使われ、夜は精薄者センターで頭の痛くなる勉強の毎日。それでも、人のいいチャーリイは少しも挫けず、陽気に生きていた。
そんなある日、彼に夢のような話が舞い込んだ。大学の偉い先生が、頭をよくしてくれると言うのだ。願ってもないこの申し出に飛びついたチャーリイを待っていた連日の過酷な検査。検査の競争相手は、アルジャーノンと呼ばれる白ネズミだ。
脳外科手術で超知能を持つようになったアルジャーノンに、チャーリイは奇妙な親近感を抱き始める。やがて、脳外科手術を受けたチャーリイに新しい世界が開かれた。だが、その世界は、何も知らなかった以前の状態より決して素晴らしいとは言えなかった。
今や超知能を持つ天才に変貌したチャーリイにも解決しがたい様々な問題が待ち受けていたのだ。友情と愛情、悲しみと憎しみ、性、科学とヒューマニズム、人生の哀歓を、繊細な感性で描きだす感動の1966年度ネビュラ賞長編部門受賞作。
コメント:すごい本です。半分くらい読んで、その先のストーリーがまだ予想できませんでした。
うまく言葉にはできないのですが、かなり衝撃的な内容でした。
ただ、チャーリイがあたたかい心を取り戻すことができて、少しホッとしています。
この本を紹介してくれた、Mさんに感謝します。ありがとう。

心とろかすような

著者:宮部みゆき
出版:東京創元社
初版:1997.11.28.
紹介:──著者のデビュー長編「パーフェクト・ブルー」で登場したジャーマンシェパードの老犬マサと蓮見探偵事務所の面々──父親で所長の浩一郎、長女で短大卒業後、父親の許で女性調査員として働き始めた加世子、次女で美術の方面に進みたい希望を持っている高校生の糸子、それに前作で蓮見家と親しくなった好青年、諸岡進也・・・お馴染みの人たちが遭遇する五つの事件。本書は、そこに登場する様々な人間たちの実像に、あくまでも真っ向から立ち向かおうとする彼らの活躍をマサの目を通して語る、待望の初短編集である。さりげなくても心温まるやりとりの中に、人生のほろ苦さをにじませ、読むものをたちどころに「宮部ワールド」へと誘っていく手腕を、たっぷりとお楽しみいただきたい。
コメント:宮部さんの作品を読むのは3冊目です。
このシリーズは赤川さんの「三毛猫ホ-ムズ」と違って、犬のマサが語り手になっているのが魅力的です。「吾輩は猫である」の犬バージョンと言う感じ。
心に残ったのは、最後の「マサ、留守番する」。私の持っている固定観念とか先入観を見事にひっくり返してくれました。宮部さんはこの本の中にでてくる若い男の子たちの気持ちをとても大切にしているような気がしました。
この本は、ネット上で知り合った方に紹介していただきました。ありがとうございます。