救急車
金曜から土曜になろうとする深夜。階下でドスンという物音。
あ~今度は何を落としたんだろう??と眠い頭で考えていたら
「どうしよう!ジジが倒れてるよ!」と娘の声。
あわてて階段を見下ろすと、一番下の段に頭を乗せて、上向きで倒れているジジ。
目を閉じて、動かない・・・救急車!!!
初めての119番通報。妙に落ち着いている自分が不思議。
ジジ頭を打っているかもしれないから動かさない方が良いだろう
とにかく、服を着替えなくちゃ・・・・と思っているうちに
ジジが目を開けて、起き上がろうとしている。
「そのまま寝ていて、動かない方がいいよ」といっても、
起き上がろうともがいている。そして、おしっこ・・・
実はこの日、トイレばっかりいっていたので病院へ行ったところ、
「前立腺が少し腫れている」ので、炎症を抑える薬と尿が出やすい薬をもらってきていた。
その上、便秘気味なのか、何度も何度もトイレから出てはまたトイレに行くことを繰り返していたのだった。
そして、トイレから出てきたところか?入る前か?に、倒れたのだった。
しかし・・・
救急車が来る前に、意識を取り戻し、なんと、またトイレに座ったのだ。
(どうしよう・・・でも、頭を打ってるかもしれないし・・・)
結局、救急車と消防車がきて、酸素吸入・・・・
もちろんジジは何が起きているかわからず、されるがままに・・・救急車に。
ところが、搬送される病院が決まらない。脳外科の担当医がいる病院がなかなか見つからない。おまけに、認知症患者だ!
5~6件目にやっと搬送先が決まる。(けっこう待っている時間が長かったような気がする。本当に命に関わる事態だったら、間に合わないんじゃないかな?)
救急車には夫が乗り、私は車であとを追うことにした。
さて、病院に着いたジジ。点滴をしながら、不安そうな様子。
CTを撮ることになって、不安が増し、とうとう騒ぎ出した。
「帰る!帰してくれ!死んじゃうよ!」「ケツがくそまみれだ!!」
おまけに、腕に力をいれブルブルさせ。足は毛布を蹴飛ばしバタバタする。
入院して様子を見ることを勧められたが、考えた末、連れて帰ることにした。
入院させたって、大騒ぎすることは目に見えてる・・・
だいたい。本当に死にそうな人は、こんなに大暴れなんてできるはずないしね。
もちろん、お医者様には「何があっても、保障できませんよ」としっかり釘を刺されたことは言うまでもない。
「さー。ジジ。もう家に帰るよ。起きていいよ~歩けるでしょ?」
「トイレ行きたいっていってたでしょ?いってこよう!」
ところが・・・トイレは行かなくていい・・・と・・・
(ほらね。やっぱり。嫌なことがあると、すぐうんちだおしっこだっていう!)
というわけで、病院のスリッパを借りて、帰ってきたのでした。
(反省)救急車を呼ぶときは、しばらく様子を見てから・・・
病院に行っても、意識がある限り、入院は無理だろう・・・
大怪我で大出血するとか。そういうのでもない限り、救急車も呼べないなぁ。
家に着いたら、夜中の3時。疲れた・・・
翌日、午前中にジジを再度病院の診察に連れて行く。
CTの写真では特に重大な異変もないので、大丈夫でしょう。との事。
とりあえず、一段落。ヤレヤレ…
結局なんだったんだ?
軽く貧血気味だし、足元はヨタヨタしてるし、おまけに前立腺炎の薬は頭がフワッとすると注意書きがあるし・・・
倒れる要素はいっぱいあるということだ。
たまたま今回は廊下で倒れたので、物音が大きかったが、
これが部屋の中で、布団につまずいたのなら、誰も気づかなかっただろう。
そういえば、以前、朝起きたジジの顔にぶつけたような傷があった事もあった。
何がおきても、不思議じゃないのが、現実なのだった。