認知症の介護者教室
大雪の21日。ジジが通うデイサービスセンターで「認知症の介護者教室」が行われた。
主たる介護者はババとなっているので、足元の悪い中一緒に出かけました。
講師は「B家族会」の代表で、義母の介護を終え、今は姉の介護をされている方です。
MCI(軽度認知障害)とは
買い物の間違え・同じものをいくつも買ってしまう・メモを忘れる・やかんを焦がす・など、物忘れが起きているが、まだ生活には支障をきたさない。失敗はするが、何とか生活していられる。
この状態では、自分が忘れっぽいのに気づいている。
この段階で、薬を服用することで症状の進行を抑える事も出来、適切なグループでの脳ドリルや作業療法を受けることで、そのままの状態を維持できる場合も多い。
これは、あくまでも本人が自分の状態に気づいて、認知障害を意識し理解することが重要です。
この段階を過ぎてしまうと「認知症」に移行します。
(例)
「友だちとの約束を忘れてしまい、まわりに迷惑をかけても、約束した事も思い出せない。」
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それでも、失敗を他人に指摘されると認めたくない。悔しい。
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失敗を隠そう・ごまかそうとする。
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一度に二つのことが出来ない。頭が真っ白になり、冷静に考えられなくなる。
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トイレに行きたいのに、トイレが分からなくなる
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オシッコを忘れてしまう。
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トイレがみつかる。
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安心して、おしっこが漏れてしまう。
↓
汚れた下着を、しまいこんでしまう。
そして認知症の人も自分が役に立つ人間だと認めてもらいたいと思っている。そこで、家族のためにお湯を沸かそうとしたり、戸締りをしようと考えるのだが、お湯を沸かしていることを忘れてしまったり、鍵の開け閉めが分からなくなったりする。
認知症の人は、私たちがテスト用紙を前にして、覚えていない頭の中に入っていないことを、何とか思い出そうと四苦八苦している状況に似ている。毎日が新しいことの繰り返しで、とても疲れるので、周りの人に当り散らしてしまう。
お話を聞いて、半分はジジの状況とババのストレスにあてはまり、そして半分はこれから起こりうる自分自身を含めた,MCIへの理解と注意点でした。
介護者教室の半分は「もしかしたら認知症かもしれない…」と不安に思う家族に、これからどう対応していくのかを、アドバイスされていました。そして、もう認知症まっただ中の家族に対しては、今のストレスを話し合うことで、自分だけが辛い立場にいるわけではないという、介護情報を共有することによって、気持ちを楽にするという狙いがありました。
大切なことは、認知症の方は「記憶・判断力」が衰えることはあっても、「感情や相手の表情」などはよくわかる。ということでした。なので、決して、「頭がバカなんだから!」という事を言ったりしてはダメなんですね…喧嘩になります。
もうひとつ、認知症の対応で「相手のありのままを受容しましょう」といわれますが、他人のことならば、受け入れることは出来ても、長い歴史を持ってきた家族にはなかなかそれが難しい。「受容しなければならない」と自分を追い込むことで、介護者が胃潰瘍になったりしないように、介護保険などのいろいろなサービスをうまく活用して、上手に手を抜き、介護者の生活も尊重されなければならない。ここをうまく越えて行きたいと思いました。
このほかにもいろいろと、参考になるお話がたくさん聞けました。
そして家に帰ってみると、少しだけ、前日よりもジジに優しくなっている自分がいました。「家族会」「勉強会」って必要だなぁ…と実感している私です。