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1999年6月アーカイブ

著者:山岸凉子
出版:白泉社文庫
初版:1994.03.22.
紹介:敏達亭の時代、政治の中枢では崇仏派の蘇我馬子、神道派の物部守屋───2台勢力が争っていた。馬子の長子、毛人は後宮に迷い込むうちに厩戸王子とめぐりあう。その驚くべき才能と不思議な能力に毛人はたちまち王子のとりこになる。古代日本国家の創始期を舞台に、まったく新しい厩戸王子像を描く歴史巨編。

コメント:コミックです。厩戸王子の持つ超能力!毛人への思い。実際歴史上でもかなり不思議なところが多い人物だったようです。奇想天外なストーリーなのだが、もしかしたら・・・?と思わせてくれるところが、なかなか面白かったです。なぜ厩戸王子が天皇にならなかったか?ということの考察も何となく納得してしまうのでした。

著者:灰谷健次郎
出版:角川書店
初版:1996.01.30.
紹介:倫太郎、保育園ではなかなか先生の思うようにはなってくれない。彼が尊敬するのは大工の棟梁のおじいちゃん、おじいちゃんの言うことには、じっと耳を傾ける。
少年倫太郎の成長期。


コメント:主人公の男の子、とっても豊かな感受性を持っているのですが、なかなか一般的には受け入れられにくい面もあるのね。そんな男の子を取り巻く、人々とのお話です。両親や、保育園の先生たち、小学校の先生、いろんな人が、様々な関わり方をしているのですが、とっても興味深く読んでいます。男の子の成長や、反応も、驚くものがあります。このあと、少年期では、いよいよ中学時代を迎えると思うのだけど、そんな展開になるのか、とても興味があります。

著者:岡田淳
出版:理論社
初版:1995.07.
紹介:昔々、こそあどの森に宝物をかくした海賊がいた。
その名も「海賊フラフラ」。───はたしてそのありかは!?
その鍵は、ある一冊の本の中にかくされていた。


コメント:こそあどの森シリーズ、第3段。
海賊フラフラのお話はとっても面白い、船は本当に存在するのか?
そして宝は、本当にあるのか?最後まで、ワクワクドキドキだったんですけどね。
宝物って・・・・見つかった方がよかったんでしょうか・・・・?

著者:新井素子
出版:集英社
初版:1999.02.10.
紹介:宇宙歴4XX年、惑星ナインの最後の子どもとなった「ルナ・E」は、過去にコールドスリープについたものたちを覚醒させた。子供を産むことそれだけが人生の目的だった「マリア・D」。惑星管理局員として、特別教育を受け、仕事に忠実だった「ダイアナ・B・ナイン」。惑星ナインの直系の子孫「特権階級」として暮らしていた「関口朋実」。
ルナは疑問を投げかける「なぜ、母は私を、最後の子供を産んだのだろう?」
そして、ルナはとうとう、ナインの母「レイディ・アカリ」をもコールドスリープから目覚めさせてしまうのだ。目覚めたレイディのしたことは・・・そして、ルナは救われるのか?


コメント:この本は、地球からの移民。惑星ナインの最後がかかれているSFですが、舞台は遠い惑星でありながら、その中で語られている問題は、現代の問題でもあるという、いろいろと考えさせられることの多いお話です。これも話し言葉でかかれています。
新井素子さんの作品の根底には、女性であること、生き方、地球全体の自然とりわけ植物に、こだわりがあるようです。
かなり引き込まれて読んでしまいました。

著者:鈴木光司
出版:角川書店
初版:1999.02.05.
紹介:「リング」「らせん」「ループ」に続く最終章「バースデイ」です。
今までの話が、ここで一つの結末を迎える。
「ヒトガンウィルス」を治すことはできるのか?ループ界で増殖する「山村貞子」の行く末はどうなったのか?そして、ループ界へ戻った薫と、こちらの世界の礼子の思いが最後に・・・
今までの話が、ここで一つの結末を迎えます。


コメント:「バースデイ」というタイトルから、何かの「誕生」であることは予想していましたが、本当は、もっと違ったものが生まれてくるのではないかと、思っていました。たとえば「山村貞子」が生まれるとか・・・・
しかし、短編形式を取っていると思わせておきながら、全体としては、一つであるという二重構造。いつもながら、鈴木光司には、してやられてしまいます。
「リング」はホラー小説として、映画、ドラマで有名になりましたが、本当はこのシリーズは、家族・妻・子どもへの愛情がテーマなのじゃないかしら。
鈴木光司さんの「家族へのあふれる思い」がいっぱいのラストで、私は満足いたしました。ハイ!

著者:村上春樹
出版:新潮社
初版:1994.04.12.
紹介:「悪いこと?」
「とても悪いことです」と加納クレタは予言した。森のなかにすむ予言の鳥のように、小さなよく通る声で。
猫が消えたことは、始まりに過ぎなかった。謎の女はその奇妙な暗い部屋から、僕に向かって電話をかけつづける。「私の名前を見つけてちょうだい」。加納クレタは耐えがたい痛みに満ちた人生から、無痛の薄明をくぐり抜け、新しい名前をもった自己へと向かう。名前、名前、名前。名付けられようのないものが名前を求め、名前のあるものが空白の中にこぼれ落ちていく。それにしても僕が不思議な井戸の底で見いだしたものは・・・・。(本の扉より引用)
コメント:彼の抱える問題が少しずつ姿を現しはじめてくる。彼が失ったものはなんだったのか?戻ってくるのか、或いは先に進むのか?
これでもかというように、自己の内部を、ズルズルと引っぱり出してくる村上春樹。どうしてこんなにまで・・・・?という感じですが、彼にとっては、この作品を書くことが、自分自身の存在を確認することなんだろうな。やっぱり、続きを読まなきゃ落ち着かないです。

著者:村上春樹
出版:講談社
初版:1990.06.25.
紹介:40歳を前に、日本を離れる。40歳までにできること、やっておくべきことが何かあるはずだ。40歳を気にできるようになるものもあるかもしれないし、パタッと何かが失われるかもしれない・・・・。それを見極めるために、しばらく日本を離れることにした。そのころの旅のエッセイ。
コメント:イタリア(ローマ)、ギリシャ、南ヨーロッパの国を旅しながら暮らした3年間の村上夫妻。旅のガイドブックにはない、もう一つのイタリア、ギリシャの側面が見えてくる。
世界地図を膝の上に載せ、私も一緒にギリシャの島々を旅した気分だ。

著者:村上春樹
出版:新潮社
初版:1994.04.12.
紹介:「何もかも忘れてしまいなさい。私たちはみんな温かな泥の中からやってきたんだし、、いつかまた温かな泥の中に戻っていくのよ」とその女は言った。

ねじまき鳥が世界のねじを巻くことをやめたとき、平和な郊外住宅地は、底知れぬ闇の奥へと静かに傾斜をはじめる。暴力とエロスの予感が、やがてあたりを包んでいく。誰かがねじを巻き続けなければならないのだ。誰かが。1984年の世田谷の路地裏から1938年の満州蒙古国境、駅前のクリーニング店から意識の井戸の底まで、ねじのありかを求めて探索の年代記は開始される。(本の扉より引用)
コメント:村上春樹さんは団塊の世代なんですね。いろんな方に薦められた本ですが、第1部では、まだプロローグが始まったばかりで、まだ問題の本質が明らかにされてきません。というか主人公がまだ問題に気づいていないのですから、私に分かるはずもないのです。ただ、作者が自分自身の体の、心の奥深くにある何かを探っているらしいことだけは分かるのですが・・・なんだか分からないけど、このままじゃ、終われない・・・。

著者:貴志祐介
出版:角川書店
初版:1997.06.30.
紹介:その黒い家の前に立ったとき、彼の頭に警告が・・・・
───早くこの場を立ち去れ!───
とっても怖い話だ。しかしこれはもはや空想の世界ではなくて現実社会の中に確かに存在しているのだ。

コメント:怖い怖いというので、昼間明るい日差しの中で一気に読み上げてしまいました。きっとそのせいで思ったほどは怖くなかったです。
家、この本が出版された2年前だったらもっと怖かったかもしれません。この話を怖いと思わなくなった自分の心の方がちょっと恐ろしい。
それよりも、主人公のトラウマにとらえられた夢の話や、心理状態の方が興味深かったです。

著者:北村薫
出版:新潮社
初版:1995.08.20.
紹介:〈時と人〉のひとつめ。
17歳の高校生だった私が、気がついたら別の人になっていた。体は大人なのに、心は17歳。私は元の世界に帰ることができるのかしら・・・・


コメント:北村薫さん、ずっと男の人だと思っていたのですが、このほんをよんで、「女性!」と思いました。だけど本当は、やっぱり男性だったんですね。
ねえ・・・どうしてこんなに中年の女の気持ちが分かるのぉ?
この本、面白かったです。一気に読んじゃいました。

著者:佐藤さとる
出版:講談社
初版:1973.08.14.
紹介:子どもの頃見つけた小さな森、そして小さな人。その森をずーと忘れずに大切にしてくれる人。せいたかさんと小さなコロボックルのお話が始まりました。


コメント:もう40年も前に出版された本です。子どもの頃図書室でその前を何度も通りながらずっと読まなかった本。ああ!!何で今まで読まなかったんでしょう?
40年という歳月を感じさせない本なのです。本当にいい本というのはこういうのを言うのですね。シリーズになっているので、ほかのも読んでみたいと思います。

理由

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著者:宮部みゆき
出版:朝日新聞社
初版:1998.06.01.
紹介:「一家四人殺し」は何故起こったか?家が、家族が、そして人がだんだん壊れていく。
ある巨大マンションで起こった殺人事件。その家族は・・・殺されたのはだれなのか?
様々な家族の過去と生い立ちに触れながら、現代の家族が抱える悩みに触れる。
・・・マンションの競売・占有屋・・・(直木賞受賞作品)

コメント:あいかわらずミヤベはすごいなぁ・・・!
一見うまくいっているような家族、だけど何かが違っている。それぞれの関係者が事件を振り返って語る話を、誰かが聞き書きしている構成。今回は割と最後まで殺人の理由がわからなかったなぁ・・・。私が犯人の気持ちに共感できていないせいかなぁ?

著者:池澤夏樹
出版:文化出版局
初版:1992.10.25.
紹介:美しい地球の風景と、その風景にまつわるお話を少々。
僕からきみへの優しい思いが伝わります。


コメント:「やさしい時間」が訪れた。ひとつひとつの断片の中にひそむ、時と場所が、手紙という形でつづられていく。こんな手紙をもらったらうれしいな。

著者:河野美代子
出版:集英社文庫
初版:1999.05.25.
紹介:「愛し合っていればセックスしてもいい」とは、現代の若者の常識。しかしその結果、10代の妊娠と人工中絶が増えているとしたら?産婦人科を受診した女性の姿を通して、著者は生命の大切さ、正しい避妊の必要性を訴えかけます。
「もっと自分の体を知り、もっと自分の体を大切に!」豊かな性の確立をめざす中高生への熱いメッセージ。(裏表紙より引用)
コメント:子供たちの性を考えるために、紹介されて読みました。
お医者さんの立場から書かれた本書は、確かに事実であり、理にかなっているのですが、例えば娘に「これ1冊を読みなさい。」という気持ちにはなれない。だって、この本だけ読んだらきっと恐怖感の方が強いのじゃないかな?
私としてはこの本を読む前に、もっと人を愛すること、相手を思いやること、男の性と女の性のとらえ方の違い、自分を大切にすることなどの心の面を語る本を読んで欲しいな。この本は、ファーストブックにちょっときつい。

著者:小泉吉宏
出版:ベネッセコーポレーション
初版:1997.09.20.
紹介:コブタの子供が、おかあさんと、おとうさんのまえで、どうしていいのか困ってしまっています。


コメント:絵本・・・かなぁ?コブタ君、きみの気持ちに気がつかなくってごめんね。

著者:ダニエル・キイス
出版:早川書房
初版:1992.08.31.
紹介:24人の多重人格を持つ男。多重人格とは?なぜ多重人格が発生したのか?ひとつの肉体に存在する24人の意識。それぞれがお互いを知り得ない少年期から、人格がお互いを自己管理していく青年期。「好ましいもの」と「好ましくないもの」。自己の中の人格を否定して生きる方法。空白の時間・・・・。
事件の真相はどうだったのか?そして、彼に罪はあるのか?


コメント:多重人格、よく知らない言葉でした。初めは、ビリーUの立場に立って読んでいたので、多重人格ゆえの理不尽さを感じていました。しかし、自己内部で否定される人格の存在については、どんなに「好ましくないもの」であっても、否定しないで受け入れるべきではないかと感じるようになりました。
そして、一市民として、犯罪の被害者となりうる立場で考えれば、やはり近くに住んでいたらおそろしいと感じるのは当然のことだと思います。多重人格は治るのか?続編が気になります。

著者:岡田淳
出版:理論社
初版:1997.04.00.
紹介:行方不明になったポットさんを探して、森のみんなの捜索が始まる。
そのときスキッパーの前に現れた一羽のふくろうと、そこに隠された意外な秘密とは・・・・

コメント:トマトさんは二重人格だった?その秘密を知っていたのはポットさんだけ。トマトさん本人も知らない。トマトさんがショックを受けないように、ポットさんはみんなに秘密を打ち明ける。愛するっていうことは、相手のいいところも悪いところもすべて丸ごと受け入れることなんだ・・・。
この本、ゆーゆに小学校の図書館から借りてきてもらいました。

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