幻色江戸ごよみ

著者:宮部みゆき
出版:新潮社
初版:1998.09.01.
紹介:盆市で大工が拾った迷子の男の子。迷子札を頼りに家を訪ねると、父親は火事ですでに亡く、そこにいた子は母と共に行方知れずだが、迷子の子とは違うという・・・・・・(「まひごのしるべ」)
不器量で大女のお信が、評判の美男子に見そめられた。その理由とは、あなおそろしや・・・(「器量のぞみ」)
下町の人情を怪異を四季折々にたどる12編。切なく、心温まるミヤベ・ワールドの新境地!(裏表紙より引用)
コメント:「鬼子母火」娘を置いて死んだ母の思いが髪に宿り・・・
「紅の玉」華美の禁令のおかげで高価なかんざしが作れなくなった佐吉に、注文が・・・「春花秋燈」蔵の奥深くしまってある古物の行灯には曰くがあった・・・
「庄助の夜着」着物には様々な思いがとりついている。庄助が買った夜着に憑いていたのは?
「だるま猫」臆病者の文次は火消しになりたかった。だるま猫の頭巾をかぶると空勇気が出てくると言う・・・
「小袖の手」ものには、それぞれ魂が憑いて来るという。九十九神・・・
「首吊りご本尊」辛い奉公に命を絶とうとするとそこにでてくるのは・・・?
「神無月」娘の治療費には、大金がいる。その金を作るのは年に一度、神無月の夜。
「侘助の花」看板屋の所に、娘だと名乗り出た女の真意は?
「紙吹雪」因業な金貸しと女中。彼らの間にはどんな事情があったのか?屋根からまいた紙吹雪はあの日の雪のようだった。
なもない町の人々の悲しみ。昼と夜。心の中にひそむ思いがひっそりと姿を現す。
ちょっと不気味で哀しいお話。中で気になったのは「だるま猫」と「侘助の花」です。


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