プラナリア

著者:山本文緒
出版:文藝春秋
初版:2000.10.30.
紹介:「プラナリア」自分の体が半分になってもそれぞれが再生するという・・・乳ガンで乳房を喪った私もプラナリアになれば再生できるのだが・・・。
「ネイキッド」がむしゃらに仕事をしてきた、だけどそれが2人の距離を離していった。離婚と同時に仕事を失いひとりになったとき、編みぐるみにハマリ、マンガ喫茶で時間をつぶす私の前に現れた、優しい男・・・。
「どこかじゃないここ」夫のリストラ、子供の学費、夜のパートにでる私。家族のために一生懸命働いているのに、子供は父を避け、家庭を避け、私から離れようとしていく・・「囚人のジレンマ」7年のつきあい。セックスレス。ラブリングをもらっても嬉しくない男との結婚は考えられるか?
「あいあるあした」
仕事ばかりして、妻に浮気された男。仕事を辞めて始めた居酒屋。転がり込んできた手相見の女。11歳になる娘の髪を切るときは父親の顔に戻る。
コメント:女、或いは男のものがたり。
決して自堕落だったつもりもない、精一杯がんばって家族や自分のためにできるだけのことをしてきたのに、かえってそれが仇になってしまう。置き去りにされた自分の居場所を見回して、小さなため息をつく。私は一体何をしているんだ?
同時に直木賞を受賞した「ビタミンF」と妙に対をなしているような作品だ。「ビタミンF」は男の、おやじの物語であったのに対し、「プラナリア」は取り残されて、自分の思惑とは違った方向に流れていく時の中で、ただ立ちつくす女の姿が見える。


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