イルカ

iruka_.jpg著者:よしもとばなな
出版:文藝春秋
初版:2006.03.31.
家族を持たない、身軽な生活を送ってきた自分が、インフルエンザにかかって高熱を出した。心細く不安な気持ちで実家から妹を呼んだ。そして、付き合っている男には、奥さんのような、お母さんのような存在が張り付いている。
自分自身の膠着した現状から抜け出すために、今までの自分とは違う何かの気配を感じて、意識しないまま選んだ行き先は、駆け込み寺のまかない婦のような仕事だったり、暗い重苦しい空気を持つ別荘だったりする。
そんな中で自分が自分のものでなくなって行くような、妊娠初期の不安定で、敏感な精神状態がさらりと描かれている。
あるがままに受け入れて、今まで持たなかった、家族というきずなが少しずつできて行く様子が、なんだかほのぼのと嬉しくなります。


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