4月の読書

onnsitu.jpg読んだ日:2007.04.30.
書名:温室デイズ
著者:瀬尾まいこ
出版:角川書店
初版:2006.07.31.
紹介:いじめ・不登校・暴力。小学校中学校という義務教育の枠の中で、子どもたちは様々な試練にあう。親も・教師も・誰も助けてくれない。自分ひとりで、うまく潜り抜けるしかないのだ。
親の視点で見ると、学校にも助けを求める事ができず、ただひたすら子どもが自力で立ち直るのを見守る事しかできないのだ。
「うちの学校は今安定していますから・・・」といって安心している場合じゃない。小さなイジメの芽は今もすくすくと成長しているのだ。
子どもを育ててきて、この難しい年代をどうにか乗り越えてきた我が子達にエールを送りたい。悲惨ないじめにあったわけじゃないけど、それぞれのシーンで、少なからず嫌な思いはしているはずで・・・。心に刺さった小さなトゲが今もうずく。
kippu.jpg読んだ日:2007.04.28.
書名:キップをなくして
著者:池澤夏樹
出版:角川書店
初版:2005.07.25.
紹介:「キップをなくしたら、駅から出られないんだよ。君は今日から「駅の子」になるんだ。」
イタルは東京駅の一角の「駅の子」たちが集まる場所に連れて行かれる。そこは寝るところも食事も用意されていて、勉強は年上のものが教える。駅の子の仕事は、通学途中の子どもたちの安全を守る事。最初は戸惑っていたイタルだが、駅での生活にも慣れてきた…いつまでこの生活が続くのか? 
ちょっとしたファンタジーです。駅と異空間の中で過ごす子どもたちは、その中で、色々な人と関わり、死と向き合うようになる。
また、永遠に駅に閉じ込められるのではなく、元に戻り、「駅の子」としての記憶もなくならない。とすれば、私も、ちょっとキップをなくしてみたくなるな。
pafe.jpg読んだ日:2007.04.26.
書名:パーフェクト・プラン
著者:柳原慧
出版:宝島社
初版:2004.02.05.
紹介:代理母の良江は、自分が生んだ子どもが虐待されている事を知り、子どもをさらってしまった。そんな良江の周りに集まったメンバーは、犯罪を犯すことなく、莫大な金を手に入れる方法を思い立つ。
新宿歌舞伎町と大久保を舞台に、血はつながらないが、まるで家族のようなメンバーが集まった。虐待された子ども。ボケかかった老人。容姿にコンプレックスを持つ男。用心棒。そして、代理母。子どもを虐待する母と・仕事優先で家庭を顧みない父。株の仕手戦と裏で操るハッカーの素顔は?
nora-takaさんのブログで紹介されていたので、予約して読んでみました。なかなか盛りだくさんで、本当に最後までハラハラドキドキでした。ボケかけたお年寄りと、虐待されて自閉症気味になった子どもがともに関わる事で、それぞれが人としての暮らしを取り戻すところは理想ですね。
kiiroime.jpg読んだ日:2007.04.23.
書名:黄色い目の魚
著者:佐藤多佳子
出版:新潮社
初版:2002.10.30.
紹介:中学校の国語の教科書で紹介されていた本。図書館で購入したので読んでみました。
似顔絵を描くのが得意な木島は、絵を描き続けて死んだ父テッセイをうまく消化できずにいた。
家族の中で居場所がないみのりは、イラストレーターの叔父の家に入り浸っている。黄色い三角の目をした魚「サンカク」はみのりだといわれた。
そんな二人が、高校の美術の時間にであう。恋とか恋愛とかそういうのとは違う、何かもっと別のところで、つながりを感じている二人。少しもかっこよくないんだけど、それぞれの抱えている思いが良く伝わってくる。ラストがいいねぇ。
kiddo.jpg読んだ日:2007.04.22.
書名:キッドナップ・ツアー
著者:角田光代
出版:理論社
初版:2006.5.
紹介:夏休みの第1日目。私はお父さんにユウカイされた。
ユウカイの目的は?身勝手な大人に振り回されるハル。「お父さんのせいで、私はろくでもない大人になる!」
そうなのか?なんでも人のせいにして、自分の生き方を見失って行くのか?
ハルの心の動きがとてもリアルだ。それにしても、こんな大人・父親いるか~?


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