著者:藤本ひとみ
出版:文芸春秋社
初版:1998.03.20.
紹介:サド公爵の夫人ルネ。サド侯爵の度重なる乱交を怨むことなく、盲目的に侯爵を愛し続け、許しているのはなぜなのか?
ルネの心を縛りつけるのものは何か?ルネの心を解き放つためにサド侯爵の生い立ちをたどる。そこには幼児のころ母親から憎悪されていた侯爵の姿が・・・・
またルネの心を縛りつけているのも母親であることに気づく。
コメント:母親としての立場で読んでいました。子供を愛し育てることの難しさを感じました。現代における「子離れできない母」あるいは「生みっぱなしの母」の姿がそこに見えて心に影を落としました。子供を自立させるためには、豊かな愛情とさらには母親の自立。そのために、夫が妻を一人の女性として扱うことが不可欠なのだと・・・フーム。