著者:柳田邦男
出版:文藝春秋社
初版:1995.07.30.
紹介:25歳になる息子の自死から、脳死へいたるまでの11日間。書くことを生業とする父が、息子の心の中、精神的苦悩を彼の存在証明のために書きつづる。
「誰の役にも立てず、誰からも必要とされない存在。」から「自己犠牲」によって他者の役に立ち、自らの存在を明らかにする。彼の意志は「骨髄バンク」にドナーとして登録された。父はその延長として、腎臓提供に同意したが、息子の脳死を、人の死と認めつつも、家族として医療の立場での医師との間に様々な思いの違いを感じ始める。
コメント:脳死について、今まで漠然と考えていましたが、あらためていろんなことを考えさせられました。
自分の息子の心の病に6年間も気づかずにいたという著者の苦悩。息子の「自己犠牲」を、生かすことによって、人の役に立ちたいを言う希望を叶える。
いいとか悪いとかではなくて、本当にいろんなことを考えさせられた本でした。