著者:原百代
出版:講談社文庫
初版:1985.08.15.
紹介:高宗を天皇と呼び、みずからは天后と称して、ついに事実上の最高位についた、武后。今や唐朝随一の実力者である。しかし燦然と輝くその栄光も平穏無事なものではない。すでに廃した長子・弘についで、次子・賢までが疑心暗鬼の虜となって、彼女の行く手を阻もうとは!?
肉親相剋の苦難に烈女武后は敢然と挑む。(表紙扉より引用)
コメント:次々と自分の息子を廃していった武后。一方高宗は56才の命を閉じた。
いよいよこれから武后の出番。次なる新帝は中宗・顕であったが、依然実権は武后の手にある。中宗は有頂天になり暴言を吐きたちまち廃され、次なる新帝は完全に名目だけの新帝となる。
事実上の天子となりたい武后だが、女帝はなかなか認められない。年齢のわりに美少年のような武后の鬱々とした気分を晴らしたのは、「女」としての開眼であった。
武后60を超え、ますます力がみなぎる。