著者:俵万智
出版:中央公論社
初版:1995.03.25.
紹介:テーマに添った現代短歌などをピックアップして,万智さんの解説や、感じたことなどが書いてあって、初心者マークの私にも、とても分かりやすいです。
「あとがき」より抜粋
《一首の短歌から得られるものというのは、読む側の心の状態や環境などによって、変化する。まして違う人間が読めば、受け取るものは様々だろう。本書の文章は、あくまで私が、それぞれの作品から受けた感動を言葉にしたもの。その文章を楽しんでいただけたら嬉しいなと思うと同時に、私なんかそっちのけで、掲出の短歌作品そのものに向き合う時間を作っていただけたら、とも思う。
本書が読者のかたにとって、現代短歌へのひとつの窓となってくれたら、幸せです。》
コメント:最近の私が「短歌」と聞いて、最初に思いついたのも俵万智さんでした。若い人や、初心者の人にとっては、取っつきやすいというか、入りやすいのかもしれない。なぜなら、本格的な短歌は、言葉の使い方ひとつにしても、誰かがそばで解説してくれないと、ほんとうに伝えたいことが伝わってこないものが多いような気がする。でも彼女のは、言葉が平易だから、比較的すんなりと心に届くような気がする。
私には短歌の下地がないせいかもしれないけど、「三十一文字のパレット」で、彼女が紹介して説明してくれた歌を見ても、やはり私がひとりで読んだのでは、分からないことがたくさん隠れていました。
こうして紹介されることで、他の歌人の歌に接することができるのも、やっぱり出会いのひとつなのだと思います。