蹴りたい背中

著者:綿矢りさ
出版:河出書房新社
初版:2003.08.30.
紹介:「適当に班をつくって・・・」班に入れなかった余り者・孤独・さびしさ・・・
だけど、自分を偽って意に添わないグループに合わせて、無理して笑っているのはもっと嫌。自分の存在を消し去りたい、だけど本当に存在が消えてしまうのは怖い・・・。
アイドル「オリチャン」のかけらをひたすら集める、もう1人の余り物「にな川」と
自分の姿を重ね合わせ、またその異様さを嫌悪しながら、自分でもどうしていいかわからない衝動をもてあましている。
蹴っている背中は、実はにな川の背中であり、自分の背中なのかもしれない。
コメント:最年少芥川賞受賞作品と、話題になったのでちょっと楽しみにしていました。
自分と、その周囲・社会とうまく折り合いを付けていくことを偽善的に感じてしまう若さ。純粋と言ったら、妙に居心地の悪い気がするだろうか。
取りあえず、自分を偽り、周りに合わせ、周囲を味方に付けてから、自分の思う方向に動かそう・・・。用意周到・計算と打算・策略をめぐらせる者にとっては、あまり共感は出来ないだろうなぁ。


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