著者:三崎亜記
出版:集英社
初版:2005.01.10.
紹介:「となり町との戦争のお知らせ」(総務課となり町戦争係)
それは、町の広報誌に載せられた小さな記事だった。
9月1日迫り来る戦争に、何の緊迫感もなく、心の準備もないままその日は訪れた。何のための戦争なのか?どのような戦いが行われているのか?具体的なことが全く分からないままに、偵察員となった僕に見えてきたものは…?
行政の一環としての戦争事業、戦争コンサルタント。戦いを感じることがないにもかかわらず、確実に町民の戦死者がでる。
いったい、「戦争」ってなんだろう?
コメント:もちろんありえない話なのだが、現実の戦争というものも、私にとってはこれと同じような感覚でしかとらえられていないのかもしれない。どこかで、誰かが戦わされているが、その痕跡を全く実感できずにいる。そんな私の状況が、描き出されているのかもしれない。