冷めない紅茶

0907021.jpg著者:小川洋子
初版:1990.08.15.
出版:福武書店
もう、20年も前に発表された本なのに、今の時代に古さを感じない。
小川洋子の作品を初めて読んだのは「博士の愛した数式」
その後、芥川賞の「妊娠カレンダー」を読んで、女の恐ろしさをひしと感じたりしている
この作品が発表されたのは、実は「妊娠カレンダー」よりも前だという
「冷めない紅茶」は死というものと向き合うのではなく、死に引き込まれて行くようだ。
同級生の告別式でであった、友だちと、その彼女・・・
幸せそうな2人の世界にひかれる自分と、現実の生活を冷静に見る自分。
どこまでが現実で、途中から幻想が始まっているようにも思う。
死の影が、そっと手を伸ばしているような気がする。
「ダイヴィング・プール」は、女の汚さが見透かされているようで怖いなぁ。


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