著者:鈴木陽子
出版:集英社文庫
初版:1998.06.25.
紹介:子育てが終わったら、何を生きがいにしたらいいだろう・・・。
ある日、辺地で働く老医師の姿をテレビでみて、医者になりたいと思った著者。一念発起、36歳で医学部合格。
42歳で医者に。北海道えりも町の診療所に単身赴任。家族と離れた日、大声で泣き、大阪に住む息子の入院に心痛める著者。
しかし、女赤ひげ先生として孤軍奮闘。女性医師の姿を描く、感動の書。
(裏表紙より引用)
コメント:これはノンフィクションである。辺境医療の苦労の話かと思って読み始めたのだが、それはほんの一部でしかなかった。結婚して、子供を産んでからはじめた医師への勉強。「子育て後の生きがい探し」は、誰でも思うことだが、まず医師をめざそうなんて言う人はいないだろう。まして、夫が応援してくれるなど考えられない。彼女が自分の人生をイキイキと生きている間に、問題なく育っていたはずの子どもに気付かなかった一面が見えてきた。
長男の病気のことは別にしても、母として、子育てに一度も後悔の思いがなかっただろうか?家にいて、子どもを育てていたとしても、怜の人生は同じだったかもしれない・・・でも・・・と、私は思わずにはいられない。彼女の生き方は私にはまねできないし、真似したいとも思わないのだ。