著者:土師 守
出版:新潮社
初版:1998.09.15.
紹介:「神戸連続児童殺傷事件」の被害者の父による手記。
息子「淳」くんの生い立ちと、家族の生活。そして事件。犯人逮捕からマスコミによる、被害者へのプライバシー侵害。「少年法」の問題点などをつづる。
今、被害者側の当事者として、事件に対する真実の声を『私たち、被害者の遺族の心の軌跡』をここに表した。
コメント:この事件に関する本は去年「少年A・この子を生んで」という加害者の家族が出した本を読みましたが、とても納得して読むことができる者ではありませんでした。まさにこの親にしてこういう子が産まれたと思わざるを得ない、自己本位なものでした。
今回、「淳」を被害者側からの手記として読んで、こういった事件の陰に隠れてしまいがちな、マスコミの報道などによる、被害者の人権やプライバシーが侵害されるという二重の精神的被害。
また、「少年法」:単なる非行(万引きとか)と、重大な非行を同列に扱い、非行少年を保護しようとする法律によって手厚く保護される加害者など、多くの問題点があるということがわかった。被害者の家族の二重三重の苦しみ・悲しみを思うと、本当にやり場のない憤りを覚える。


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