著者:宮部みゆき
出版:角川書店
初版:2000.07.30.
紹介:「居眠り心中」昔流行の手ぬぐいでお互いの手をしばり心中する。そんなことがはやり、手ぬぐいを売った店はつぶれてしまったという。奉公にでた銀次が居眠りしているときにみたものは、夢だったのか?
「影牢」大番頭松五郎の回想。あの忌まわしい岡田屋の事件の真相は?
「布団部屋」兼子屋の代々の主人は短命だったと言う・・・。そして、そこの奉公人たちは、どんなに手に負えないものたちであっても、皆しっかりとしたお店ものになるということだ。そこには一体どんな秘訣が隠されているのだろう?
「梅の雨降る」気だての言い働き者の娘が、器量がよくないと言う理由で奉公を断られた。ある日「大凶」のおみくじを引いた娘は・・・・。
「安達屋の鬼」笹屋の嫁が語る、義母と一緒に暮らす鬼のお話。・・・・人として生きて、初めて“鬼”が見えるようになるんだよ。
「女の首」太郎は声を出すことが出来なかった。母を亡くして、かぼちゃに守られて大きくなった。奉公に出た先の納戸でみたふすまには女の首が・・・。その首は太郎にしか見えないのだ。
「時雨鬼」男の優しい言葉は、本物なのか?とれとも自分の欲望のためなのか?若い娘の迷いを見透かすように語りかける女は、「鬼は人の形をしている」という・・・。
「灰神楽」お店の女中が、刃傷沙汰を起こした。しかし理由が見あたらない。女はまるで何かに取り憑かれたようだ。そして、一緒に白い灰のような息を吐き出すと死んでしまった。女に取り憑いたものはなんだったのか?
「蜆塚」口入屋。同じ生業を長くやっていると不思議なことに出会うという。同じ顔をした同じ人間が十年たっても年をとらずに違う人間として現れるのだ。
コメント:これも、短編集。怪しい・不思議なお話が9編。