著者:湯本香樹実
出版:新潮文庫
初版:1994.02.25.
紹介:町はずれに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ───。いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変えはじめていたのだが・・・。喪われ逝くものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。(裏表紙より引用)
コメント:このお話、山下が、おじいさんのお葬式にいったことからはじまりますね。
ところが、子供達は身近な死を実感したことがなかった。それどころか、実は身近にお年寄りと接する機会もなかった。そこで、近所の「今にも死にそうなおじいさん」の観察を始めたわけです。
これって、子供は残酷だなぁ・・・なんて思いました。もしも自分の子供がそんなことをしていると気づいたら、絶対に止めさせようするでしょうね。ところが、幸か不幸かこの中の親たちは、子供達が何をやっているのか全く気づかなかった。このあたりは、結構現実でもあるかもしれないですね。子供の行動や考えてること気づかないこともいっぱいあるでしょうね。