著者:堀田あけみ
出版:角川文庫
初版:1992.11.10.
紹介:悠子が一希に出会ったのは15歳。カレは家庭教師の大学生。まだ恋の意味も分からない春の出来事だった。
八年後、再会した2人───年月は少女を女にかえていた。そして彼には婚約者の優子がいた・・・。
2人のユウコの間で揺れる一希。1人のユウコは恋人、もう1人のユウコは愛人という道を選んだ・・・。
恋人のいる人を好きになる・・・それは罪なことなのでしょうか。決して結ばれることのない愛、切ない愛を綴った恋愛物語。(裏表紙より引用)
コメント:まあ、なんて悲惨な主人公の生い立ちなんでしょう。ちょっとこう言うのは苦手ですねぇ・・。こういう状況下で成長してしまうと、やっぱり大人になっていく家庭で大きく影響が出てしまうのかな。お話とはいえ、なんで??という気持ちになります。
それにしても、まだ結婚もしていないのに、婚約者がいて、それとは別に愛玩具的な存在を容認する男って・・・(気持ち的にはそういう願望が合っても不思議じゃないけど)。妾腹の子だから、日陰の女でいいなんて悲しい。虐待を受けて育った子供が、大人になってまた自分の子供を虐待してしまうというのに似てる。そういうことはどこかで断ち切っていかないとなぁ。だけど、そうスパッと断ち切れないものを抱えている人間が多いってことなのかもしれない。哀しいけど・・・