そして粛正の扉を

著者:黒武洋
出版:新潮社
初版:2001.01.25.
紹介:卒業式の前日、生徒を教室に集めた担任教師が生徒を人質に立てこもった。社会で犯罪を重ねていく、自分たちの欲望と勝手な自己満足のために、罪もない人々の生活を、不幸に陥れる。彼らの犠牲になった人々に代わって、彼らの担任教師がこれ以上の被害の拡大を食い止めるために、緊急措置を行う。
用意周到に立てられたその計画と、冷静沈着な行動。その心の中にある動機は・・・第1回ホラーサスペンス大賞受賞作
コメント:予約したのも忘れていた一冊。
タイトルを見て、一瞬読むのをためらったのですが、読み始めたらどんどん引き込まれていく。一瞬「バトル・ロワイヤル」を連想させる殺略シーンではあるが、根本にあるテーマが全然違う。少年法によって保護される加害者のプライバシー。真実を知らされない被害者。社会にでても、悪をまき散らすだけの少年少女たちを処刑(?)していく、一瞬そこに共感を覚えてしまう。
内容の是非はともかくも、読んでいくうちにどんどん引き込まれ、最後には予想を超えた結末。なかなか面白かったです。
特に我が子の問題行動に頭を悩ませながら、お金でしか解決できない親と、実は子供の死によって、開放された親の気持ち・・・どれもこれも、現実の中にないとは言えない物で、思わず引き込まれてしまいました。


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