フォー・ディア・ライフ

著者:柴田よしき
出版:講談社
初版:1998.04.30.
紹介:新宿一丁目にある無認可保育園の園長は子供たちの父親代わりの元刑事だった。
経営難が続く保育園の影で、私立探偵の裏家業。家出人の捜索から暴力団がらみの依頼までこなす。家を飛び出した中学生、姿を消した探偵、暴力団に追われるチンピラ。一件無関係そうに見えるものがその裏で何本もの糸が交錯しながらつながっている。思いがけない彼らの接点は?それぞれの胸に秘めた思いが、複雑にからみつく、その中に埋もれた真実は・・・?
偽善といわれようとも、保育園はつぶさない
「早く戻ってね。そう、俺は必要とされている。そして俺にも、子供たちが必要だった。」
コメント:「RIKO」シリーズと微妙に重なる。
暴力団と警察・・・そして元刑事と、役者はそろった。それぞれの立場と利害。
女性が書いたとは思えないけど、細かい心の動きや目の付け所がやっぱり、柴田よしきだなと感じさせる。ただ事件を追う推理小説じゃない、元刑事の生き様が、まるでそこに息づいているように描かれている。
そこには、もう一度読み返したいと思うほど、気になる世界が広がっていた。


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