天の瞳 あすなろ編Ⅰ

著者:灰谷健次郎
出版:角川書店
初版:2002.05.31.
紹介:乱闘事件で逮捕された生徒に対し「罪にならないためにはわたしたちはなにができますか」と、ひとりの女生徒が先生に問うた。
 その言葉に心を動かされた倫太郎たちは1年7組からの手紙として意見をまとめ、廊下に張り出した。だが、学校側はそれを取り外し頑なな態度をとる。
 誰かの問題ではなく、自分たちの問題として学校を考えるために、生徒、教師、保護者の三者集会を開こうと、倫太郎、ルイ、青ポン、ミツルたちは動き出す・・・。
 シリーズ第7弾。教育とは、生きることとは何かをみずみずしく問う、感動のライフワーク。(表紙扉より引用)
コメント:「人間にクズはないョ。たとえ、ダメな先生でも。相手に、そういったら、相手も同じ事を言うよ。それ、堂々巡りネ」ルイが、豪二に言った言葉だ。これはけっこう心に残ります。
「1年7組の手紙」の中で、「良くないことをした者は、罰を受けたらいいというだけだと、その人は、反省するより先に冷たいものを感じて、さびしい思いをするだけで、自分のしたことを深く考えてみようとはしないのではないか」とありますが、これも、確かに罰に対して、まず反発も覚えるだろうし、見放されたとさびしく思うことも思い当たります。・・・さびしいのならまだいい。「反発」しか感じなかったら・・・?
強制されて反省するものでもないし・・・・
 「天の瞳」は、ふだん真正面から見ることなく通り過ぎているいろんなことに、ハッと気づかされることが多くて、それだけでも読み応えがある。これからの展開がまた楽しみです。


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