陰陽師 飛天の巻

著者:夢枕獏
出版:文春文庫
初版:1998.11.10.
紹介:「童子のあやかしが出没し、悪さを働いているようだな、博雅」「よし、では行くか晴明よ」。我らが都を魔物から守れ。百鬼が群れる平安の闇の果て、幻術、風水術、占星術、を駆使し、難敵に立ち向かう希代の陰陽師・安倍晴明、笛の名手・源博雅。名コンビの活躍、すがすがしくて、いと、おかし。(裏表紙より引用)
コメント:天邪鬼:樹齢1000年の大きな檜が倒された。その切り株のあたりに少年の姿をした鬼がでるという。
下衆法師:人の欲は深い。人が仏になるというのは幻だ。だが、その幻によって仏教は支えられ人は救われるのだ。奇怪の下術のとりこになった絵師は・・・
陀羅尼仙:仏の道を修行していた僧が、仙の道を求める。しかし懐かしい尊勝陀羅尼にひかれて下界に降りてみると・・・結局、仏にも仙にもなれず人となる。
鬼小町:この晴明にして、救えぬものが・・・
鬼もあやかしも、けっきょく人の心に棲んでいるものが形を変えたもの。
博雅はよい漢よ・・・。後半の2編は博雅の人となりが良く描かれていて、興味深い。


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