博士の愛した数式

著者:小川洋子
出版:新潮社
初版:2003.08.30.
紹介:交通事故によって、それ以降の記憶を80分しかとどめることができなくなった「数学者」と、その数学者の家に派遣された「家政婦」と、その息子の「√(ルート)」
新しいことをまったくとどめない博士の頭の中には、膨大な数え切れない数学の知識が詰まっている。博士との会話は「数字」との対話だ。
他人との交流を結びにくい博士と家政婦親子が、「数字」の持つ魅力によって、新たな人間関係を紡ぎだしていく。その幸せな時間がかけがえのないものになっていく、たとえそれが明日の朝には、忘れ去られているとしても。
コメント:なんともいえない、暖かい、幸せな気持ちにさせてくれる本です。
このまま、博士との生活が永遠に続いて欲しいと思うほどでした、それだけに、中盤を過ぎるとそのあまりにも幸せな気分が、ふと不安になり、心騒ぐほどです。
こんなふうに、こころを紡ぐことができたら、どんなに幸せだろう・・・
「数字」の持つ魅力に、私までもが引き込まれてしまいそうだ。
巻末の参考文献(数学)をメモ(抜粋)
「はじめまして数学1.2」吉田武/幻冬舎
「数の悪魔」エンツェンスベルガー/丘沢静也訳/晶文社
「天才の栄光と挫折 数学者列伝」藤原正彦/新潮社
「数学者の言葉では」藤原正彦/新潮社
「フェルマーの最終定理」サイモン・シン/青木薫訳/新潮社
「放浪の天才数学者エルデシュ」ポール・ホフマン/平石律子訳/草思社


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