著者:三浦しをん
出版:新潮社
初版:2004.05.25.
紹介:彼=歴史学者・村川は間接的に語られる。
中傷の手紙の差出人を捜すことを命じられた彼の助手。彼に妻を寝取られた夫。彼に置き去りにされた息子。彼と手紙を交わす義理の娘の調査を依頼された探偵。彼の娘の婚約者によって…
語られているのは「彼」ではない。「彼」と接触を持つ女たちを通して「彼」が浮かび上がる。
コメント:ここに書き出してみて気づいたのは、「語っている私」はみんな男たちだった。
ここで語られている「彼」は、さして魅力的とも思えない。なのに周りの人間が絡めとられるように人間関係を壊していくように見えるのはなんでだろう。