著者:奥田秀朗
出版:文藝春秋
初版:2002.05.15.
紹介:「空中ブランコ」で有名になった精神科医伊良部先生の前作。
精神科医伊良部のもとを訪れた患者は、伊良部の子供のような稚気に、あきれ驚かされる。
変人どころの騒ぎではない。常識の枠外で生きているのだ。
体の異変を感じた心身症。体のためにはじめた水泳がいつしかやめられなくなって(イン・ザ・プール)
陰茎硬直症の原因は押し殺した自分の感情の発露?(勃ちっ放し)
自分のまわりの人がすべて、私を追いかけるストーカー(コンパニオン)
1日に300通のメールを送る携帯依存症の高校生が携帯を使えなくなったら(フレンズ)
火元の確認が気になって、仕事にならないルポライター(いてもたっても)
コメント:「空中ブランコ」の方が、伊良部先生のハチャメチャ具合がすごかったな。
「コンパニオン」はテレビ化された中に入ってましたね。
「フレンズ」は、今の携帯電話がない生活は考えられない子供たちにとって、人間関係の構築方法を考えさせられる話だった。ここまでではなくても、メールでつながっていることで、「友達」だと思っていることが、その中身はどれほどのものだろう…
人々の心の中の、本人も気がつかないブラックボックスを、のぞかれた感じだ。