著者:久坂部羊
出版:幻冬舎
初版:2004.11.25.
医療ミスの告発・裁判の話かと思ったら、実は日本の高齢者化を食い止める秘策の話でもあったのです。
研修医の診断ミスなど医療過誤については気になることが多い。しかしそれよりも、日本社会の高齢化を招いたのが医療の無計画な延命治療研究の結果だという指摘がちょっと恐ろしかった。PPK(ピンピンコロリ)誰だって年を重ねて周りの人に迷惑かけることなく、その生涯を終えたいと思っている。だからといって寿命を国家統制されるのはまた別の問題だ。
投げかけられているテーマも興味深いし、登場人物と話の展開も面白くひきつけられる。いろんなことを考えさせられた。