著者:田辺聖子
出版:角川文庫
初版:1990.05.25.
紹介:貴族のお姫さまであっても、意地悪い継母に育てられ召使い同然。粗末な身なりで、一日中縫い物をさせられ、床が一段低く落ちくぼんだ部屋にひとりぼっちで暮らしている姫君────といえば、”シンデレラ姫”を思い浮かべることでしょう。姫君と青年貴公子のラブストーリーでもある「おちくぼ姫」は千年も昔に書かれた、王朝版「シンデレラ物語」です。
(表紙カバーより抜粋)
コメント:かるくって、サラサラ読めて、
「おちくぼ姫」の性格がいいので、なんだか読んでいて嬉しくなってしまいました。
たまにはこんな軽い本もいいわ。
著者:森博嗣
出版:講談社文庫
初版:1999.03.15.
紹介:同僚の誘いで低温実験室を訪ねた犀川助教授とお嬢様学生の西之園絵萌絵。
だがその夜、衆人環視かつ密室状態の実験室の中で、男女に明の大学院生が死体となって発見された。被害者は、そして犯人は、どうやって中に入ったのか!?人気の師弟コンビが事件を推理し真相に迫るが・・・・・。究極の森ミステリィ第2弾。(裏表紙より引用)
コメント:密室殺人?理系小説だとか、新しいミステリィだとか言われているけどそうかな?トリックもある程度予想できて、違和感もない。私は充分に楽しめました。
次作も読んでみよう。
著者:ジャスティン・コーマン&ロン・フォンテス
出版:小学館
初版:1994.04.20.
紹介:大好きな牧場を救うために都会に出たベイブ。ところが街ではとんでもない事態に巻き込まれ、牧場を救うどころか、動物たちの生活も危険に脅かされている。
動物たちに平和な暮らしはやってくるのか?そして、ベイブは牧場を救うことができるのか?
コメント:映画「ベイブ」の続編。やっぱり映画の方が見ていて楽しいだろうな。
著者:東野圭吾
出版:文藝春秋社
初版:1998.09.10.
紹介:スキーバスの事故に遭遇した妻と娘。重体の妻と奇跡的に助かった娘。
父と娘の、一見平和な生活が始まったかに見えたが・・・・
コメント:ヒロスエ主演で映画になったというこの作品。
結構気に入りました。妻と夫、娘と父。この肉体と精神のきわめて均衡のとりにくい関係の中でのそれぞれの苦悩。
さいごのほうほ、ユーミンの「翳りゆく部屋」がでてきたところで思わず目が熱くなってしまいました。
著者:銀色夏生
出版:角川文庫
初版:1988.07.25.
紹介:生まれることも歴史です。失うことも歴史です。私たちがもっとも大切にしなければならないことは、私たちの本当の目的です。
私たちの目的は、素晴らしく美しく悲しいほど純粋だったのではなかったでしょうか。
そのためになら生きていることを誇れるという目的だったのではないでしょうか。
私たちはそのことをうっかりと忘れないためにこそ、お互いに存在しているのです。
(表紙扉から引用)
コメント:SPEEDの歌にもこんなのがあったけど・・・・
この本もいいな。LESSONより好きです。銀色夏生って、女の子だったんですね。詩だけ読んでいたら男の子が書いたのかと思ってしまいました。
こんな時代、今なら戻りたいって思うけど、あのころは手探りで、出口がなくって、結構迷っていたよね。訳もなく友達といると落ち着いたし・・・・。
著者:銀色夏生
出版:角川文庫
初版:1988.04.25.
紹介:私たちは迷わずに歩いていきましょう。 もう、ここまで来てしまいました。
月日は、すぎていきます。あのころに帰りたいなんて言わないでください。
今、目の前にいるのが私です。今、目の前にいるのがあなたです。
どうしようもないことは、もう どうしようもないでしょう。
笑えることが素敵です ───著者(表紙扉から引用)
コメント:銀色夏生という名前にひかれて手にした本。
思いがけなくそれは写真集のような詩集だった。
今となってみれば、過ぎ去ったあの時代が懐かしく感じられるのだが、
あのころこの本を手にしていたら、きっと私のバイブルになっていたかもしれない。
著者:山本文緒
出版:角川書店
初版:1998.11.25.
紹介:離婚経験者・・・・。
もう2度とあんな思いはしたくないと思っていたはずなのに・・・・。
目の前に現れた男によって生活が変えられていく。
コメント:まあ、お話だからね。世の中にはこういう人もいるかもしれないなぁ・・・と思うのだけど、私とは違うタイプですね。なんというか、「執着心」とか「独占欲」とかあんまり好きじゃないみたい。タイトル通り、「恋愛中毒」症状なんだね。こういう人生って、けっこうハードだと思うな。
著者:帚木蓬生
出版:新潮社
初版:1993.05.20.
紹介:新任看護婦・規子が小耳に挟んだ「無脳症児」のひと言がきっかけだった。
この病院で何かと方もないことが進行している───周囲で頻々と起こる奇妙な出来事、そして親しい者たちの死。涙の乾く暇もなく襲ってくる「臓器農場」からの魔の手。マッドサイエンスをくい止める者はないのか……。
新任看護婦・規子が勤めた総合病院は「多臓器移植」が、数多く行われていた。
そこの産婦人科には、裏と表の顔があるという。奥の特別病棟にはふつうの看護婦は入れない。患者を救うための「臓器移植」。そのための臓器は、いったいどこからやってくるのか?頭の片隅に浮かんだ疑問がふくらんでくる・・・(表紙扉より引用)
コメント:現実の社会の中でも本当に起こりそうな話で、ちょっと恐くなりました。
それに、なんで大切な人が殺されちゃうの?という気持ちです。事件が解決しても、とっても悲しかった。殺されそうになるくらいでも、ストーリーは充分読み応えがあると思うんだけどな。
著者:ベルナール・ウエルベル
出版:ジャンニ・コミュニケーションズ
初版:1996.05.2ケ.
紹介:フォンテーヌブローの町で、不思議な殺人事件が次々と発生する。殺されているのは化学者ばかりで彼らは何らかの薬品開発に関わっていた。どれもが完全犯罪で、犯人の手がかりはない。腕利き刑事と地元紙の女性記者が調査に乗り出す。(表紙扉から抜粋引用)
コメント:「蟻」の続編。蟻たちの見た世界と、地下に閉じこめられ、人間社会と隔絶され、蟻の生態を学ぼうとした人間達。そして、不思議な犯罪。
なんだか不思議な世界が広がっていきます。
著者:天童荒太
出版:幻冬舎
初版:1999.03.10.
紹介:優希は看護婦に、ふたりの少年は弁護士と刑事になっていた。またしても悲劇が優希を襲った。実家は消失し、その焼け跡から母の死体が発見された。その容疑は弟にかけられ優希は動転するが、彼はそのまま失踪してしまう。優希を支えるふたり、長瀬笙一郎と有沢梁平も、それぞれが持つ勇気への感情を持て余し、互いに猜疑心さえ抱いていった・・・・・。十七年前の「聖なる事件」、その霧に包まれた霊峰に潜んでいた真実とは?(表紙扉より引用)
コメント:母から、父から、様々な虐待を受けながら、愛されたいと思うために、自己を押し殺して生きてきた子供達。大人になったとき、彼らが受けた心と体の傷跡は、果たしてどのような形で残っているのだろう。彼らが救われるときは来るのだろうか・・・
辛い親子関係の犠牲になった子供達。親もまた、心の傷を持って、それ故我が子を苦しめる。
この本の内容が、単なるお話ではなくて、現実の社会の中で、すぐ身近に存在すると言う事実が、さらに私の心を凍らせます。