Go Go Heaven の勇気

著者:銀色夏生
出版:角川文庫
初版:1988.07.25.
紹介:生まれることも歴史です。失うことも歴史です。私たちがもっとも大切にしなければならないことは、私たちの本当の目的です。
私たちの目的は、素晴らしく美しく悲しいほど純粋だったのではなかったでしょうか。
そのためになら生きていることを誇れるという目的だったのではないでしょうか。
私たちはそのことをうっかりと忘れないためにこそ、お互いに存在しているのです。
(表紙扉から引用)
コメント:SPEEDの歌にもこんなのがあったけど・・・・
この本もいいな。LESSONより好きです。銀色夏生って、女の子だったんですね。詩だけ読んでいたら男の子が書いたのかと思ってしまいました。
こんな時代、今なら戻りたいって思うけど、あのころは手探りで、出口がなくって、結構迷っていたよね。訳もなく友達といると落ち着いたし・・・・。

LESSON

著者:銀色夏生
出版:角川文庫
初版:1988.04.25.
紹介:私たちは迷わずに歩いていきましょう。 もう、ここまで来てしまいました。
月日は、すぎていきます。あのころに帰りたいなんて言わないでください。
今、目の前にいるのが私です。今、目の前にいるのがあなたです。
どうしようもないことは、もう どうしようもないでしょう。
笑えることが素敵です        ───著者(表紙扉から引用)
コメント:銀色夏生という名前にひかれて手にした本。
思いがけなくそれは写真集のような詩集だった。
今となってみれば、過ぎ去ったあの時代が懐かしく感じられるのだが、
あのころこの本を手にしていたら、きっと私のバイブルになっていたかもしれない。

恋愛中毒

著者:山本文緒
出版:角川書店
初版:1998.11.25.
紹介:離婚経験者・・・・。
もう2度とあんな思いはしたくないと思っていたはずなのに・・・・。
目の前に現れた男によって生活が変えられていく。
コメント:まあ、お話だからね。世の中にはこういう人もいるかもしれないなぁ・・・と思うのだけど、私とは違うタイプですね。なんというか、「執着心」とか「独占欲」とかあんまり好きじゃないみたい。タイトル通り、「恋愛中毒」症状なんだね。こういう人生って、けっこうハードだと思うな。

臓器農場

著者:帚木蓬生
出版:新潮社
初版:1993.05.20.
紹介:新任看護婦・規子が小耳に挟んだ「無脳症児」のひと言がきっかけだった。
この病院で何かと方もないことが進行している───周囲で頻々と起こる奇妙な出来事、そして親しい者たちの死。涙の乾く暇もなく襲ってくる「臓器農場」からの魔の手。マッドサイエンスをくい止める者はないのか……。
新任看護婦・規子が勤めた総合病院は「多臓器移植」が、数多く行われていた。
そこの産婦人科には、裏と表の顔があるという。奥の特別病棟にはふつうの看護婦は入れない。患者を救うための「臓器移植」。そのための臓器は、いったいどこからやってくるのか?頭の片隅に浮かんだ疑問がふくらんでくる・・・(表紙扉より引用)
コメント:現実の社会の中でも本当に起こりそうな話で、ちょっと恐くなりました。
それに、なんで大切な人が殺されちゃうの?という気持ちです。事件が解決しても、とっても悲しかった。殺されそうになるくらいでも、ストーリーは充分読み応えがあると思うんだけどな。

蟻の時代 上・下

著者:ベルナール・ウエルベル
出版:ジャンニ・コミュニケーションズ
初版:1996.05.2ケ.
紹介:フォンテーヌブローの町で、不思議な殺人事件が次々と発生する。殺されているのは化学者ばかりで彼らは何らかの薬品開発に関わっていた。どれもが完全犯罪で、犯人の手がかりはない。腕利き刑事と地元紙の女性記者が調査に乗り出す。(表紙扉から抜粋引用)
コメント:「蟻」の続編。蟻たちの見た世界と、地下に閉じこめられ、人間社会と隔絶され、蟻の生態を学ぼうとした人間達。そして、不思議な犯罪。
なんだか不思議な世界が広がっていきます。

永遠の仔 下

著者:天童荒太
出版:幻冬舎
初版:1999.03.10.
紹介:優希は看護婦に、ふたりの少年は弁護士と刑事になっていた。またしても悲劇が優希を襲った。実家は消失し、その焼け跡から母の死体が発見された。その容疑は弟にかけられ優希は動転するが、彼はそのまま失踪してしまう。優希を支えるふたり、長瀬笙一郎と有沢梁平も、それぞれが持つ勇気への感情を持て余し、互いに猜疑心さえ抱いていった・・・・・。十七年前の「聖なる事件」、その霧に包まれた霊峰に潜んでいた真実とは?(表紙扉より引用)
コメント:母から、父から、様々な虐待を受けながら、愛されたいと思うために、自己を押し殺して生きてきた子供達。大人になったとき、彼らが受けた心と体の傷跡は、果たしてどのような形で残っているのだろう。彼らが救われるときは来るのだろうか・・・
辛い親子関係の犠牲になった子供達。親もまた、心の傷を持って、それ故我が子を苦しめる。
この本の内容が、単なるお話ではなくて、現実の社会の中で、すぐ身近に存在すると言う事実が、さらに私の心を凍らせます。

永遠の仔 上

著者:天童荒太
出版:幻冬舎
初版:1999.03.10.
紹介:霊峰の頂上に登れば「神に清められ自分たちは救われる」と信じた少女・久坂優希とふたりの少年は、その下山の途中同行していた優希の父親を憑かれたように殺害する。三人は事件の秘密をかかえたまま別れ、それぞれの人生を歩んでいたが、一七年後運命に導かれたように再会を果たす。その直後、優希が固く口を閉ざす「過去」を探ろうとする弟の動きと周囲に起きた殺人事件の捜査によって、彼女の平穏な日々は終わりを告げた。しかし、まだそれは最後の審判への序曲に過ぎなかった。(表紙扉より引用)
コメント:下に掲載

秋の花

著者:北村薫
出版:創元推理文庫
初版:1997.02.21.
紹介:絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を過酷な運命が待ち受けていた。ひとりが召され、ひとりは抜け殻と化したように憔悴の度を加えていく。文化祭準備中の事故と処理された女子高校生の墜落死───親友を喪った傷心の利恵を案じ、ふたりの先輩である《私》は事件の核心に迫ろうとするが、疑心暗鬼を生ずるばかり。考えあぐねて円紫さんにうち明けた日、利恵がいなくなった・・・・・・(裏表紙より引用)
コメント:「円紫さんシリーズ」の3冊目です。ミステリーはミステリーなのですが、確かにとてもやさしい気持ちになれる本ですね。他の3冊(空飛ぶ馬・夜の蝉・六の宮の姫君)も探して読んでみようと思います。

空色勾玉

著者:荻原規子
出版:徳間書店
初版:1996.07.31.
紹介:村娘狭也の幸せな日々に、影を落とすのは昔の記憶……「鬼」に追われた六歳の自分。十五になった祭りの晩に、「鬼」はついに追いついた。〈おまえは「闇」の氏族の巫女姫だ〉と告げられて、憧れの「輝」の宮に救いを求める狭也。だが、宮の神殿で縛められて夢を見ていた「輝」の末子、稚羽矢との出会いが、狭也の運命を大きく変えていく……(表紙扉より引用)
コメント:この世界が今の形になる、その時代のお話。陰と陽・闇と輝・月と日。
ファンタジーといっても、よくあるように現実の世界から向こう側へ行ってしまうのではないのですね。混沌とした世界の中で、自分のあるべき姿を求めていく・・・・
なかなかおもしろかったです。

天の瞳 少年編Ⅱ

著者:灰谷健次郎
出版:角川書店
初版:1999.04.05.
紹介:小学校卒業、そして中学校進学を間近に控えた倫太郎たち。倫太郎は中学校からの説明会の呼び出しをすっぽかしたり、ミツルは「校則で決められている制服は着ない。丸刈りにもしない」と宣言したりと、入学式の前から倫太郎たちの名前は学校中に知れ渡っていた。
これまで、理解ある人々に囲まれてのびのびと育ってきた倫太郎たちだが、中学校という新しい環境の中で、彼らはどう変わっていくのか?
待望のシリーズ第4巻、書き下ろしで登場。(表紙扉より引用)
コメント:これはすごいです、同じ中学生だけど、うちの子たちは、こんな事全然思ってもいない。やっぱり違うなぁ・・・この少年倫太郎には、ちゃんとモデルがいるということでした。そうなると、ますます・・・・でも、実際我が子が、こうなったら、私は、どんな対応をするだろうか?はっきり言って、自信がないですね。
この「少年編Ⅱ」だけ読んでも、結構色々なことを考えさせられました。