著者:天童荒太
出版:幻冬舎
初版:1999.03.10.
紹介:優希は看護婦に、ふたりの少年は弁護士と刑事になっていた。またしても悲劇が優希を襲った。実家は消失し、その焼け跡から母の死体が発見された。その容疑は弟にかけられ優希は動転するが、彼はそのまま失踪してしまう。優希を支えるふたり、長瀬笙一郎と有沢梁平も、それぞれが持つ勇気への感情を持て余し、互いに猜疑心さえ抱いていった・・・・・。十七年前の「聖なる事件」、その霧に包まれた霊峰に潜んでいた真実とは?(表紙扉より引用)
コメント:母から、父から、様々な虐待を受けながら、愛されたいと思うために、自己を押し殺して生きてきた子供達。大人になったとき、彼らが受けた心と体の傷跡は、果たしてどのような形で残っているのだろう。彼らが救われるときは来るのだろうか・・・
辛い親子関係の犠牲になった子供達。親もまた、心の傷を持って、それ故我が子を苦しめる。
この本の内容が、単なるお話ではなくて、現実の社会の中で、すぐ身近に存在すると言う事実が、さらに私の心を凍らせます。
著者:天童荒太
出版:幻冬舎
初版:1999.03.10.
紹介:霊峰の頂上に登れば「神に清められ自分たちは救われる」と信じた少女・久坂優希とふたりの少年は、その下山の途中同行していた優希の父親を憑かれたように殺害する。三人は事件の秘密をかかえたまま別れ、それぞれの人生を歩んでいたが、一七年後運命に導かれたように再会を果たす。その直後、優希が固く口を閉ざす「過去」を探ろうとする弟の動きと周囲に起きた殺人事件の捜査によって、彼女の平穏な日々は終わりを告げた。しかし、まだそれは最後の審判への序曲に過ぎなかった。(表紙扉より引用)
コメント:下に掲載
著者:北村薫
出版:創元推理文庫
初版:1997.02.21.
紹介:絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を過酷な運命が待ち受けていた。ひとりが召され、ひとりは抜け殻と化したように憔悴の度を加えていく。文化祭準備中の事故と処理された女子高校生の墜落死───親友を喪った傷心の利恵を案じ、ふたりの先輩である《私》は事件の核心に迫ろうとするが、疑心暗鬼を生ずるばかり。考えあぐねて円紫さんにうち明けた日、利恵がいなくなった・・・・・・(裏表紙より引用)
コメント:「円紫さんシリーズ」の3冊目です。ミステリーはミステリーなのですが、確かにとてもやさしい気持ちになれる本ですね。他の3冊(空飛ぶ馬・夜の蝉・六の宮の姫君)も探して読んでみようと思います。
著者:荻原規子
出版:徳間書店
初版:1996.07.31.
紹介:村娘狭也の幸せな日々に、影を落とすのは昔の記憶……「鬼」に追われた六歳の自分。十五になった祭りの晩に、「鬼」はついに追いついた。〈おまえは「闇」の氏族の巫女姫だ〉と告げられて、憧れの「輝」の宮に救いを求める狭也。だが、宮の神殿で縛められて夢を見ていた「輝」の末子、稚羽矢との出会いが、狭也の運命を大きく変えていく……(表紙扉より引用)
コメント:この世界が今の形になる、その時代のお話。陰と陽・闇と輝・月と日。
ファンタジーといっても、よくあるように現実の世界から向こう側へ行ってしまうのではないのですね。混沌とした世界の中で、自分のあるべき姿を求めていく・・・・
なかなかおもしろかったです。
著者:灰谷健次郎
出版:角川書店
初版:1999.04.05.
紹介:小学校卒業、そして中学校進学を間近に控えた倫太郎たち。倫太郎は中学校からの説明会の呼び出しをすっぽかしたり、ミツルは「校則で決められている制服は着ない。丸刈りにもしない」と宣言したりと、入学式の前から倫太郎たちの名前は学校中に知れ渡っていた。
これまで、理解ある人々に囲まれてのびのびと育ってきた倫太郎たちだが、中学校という新しい環境の中で、彼らはどう変わっていくのか?
待望のシリーズ第4巻、書き下ろしで登場。(表紙扉より引用)
コメント:これはすごいです、同じ中学生だけど、うちの子たちは、こんな事全然思ってもいない。やっぱり違うなぁ・・・この少年倫太郎には、ちゃんとモデルがいるということでした。そうなると、ますます・・・・でも、実際我が子が、こうなったら、私は、どんな対応をするだろうか?はっきり言って、自信がないですね。
この「少年編Ⅱ」だけ読んでも、結構色々なことを考えさせられました。
著者:E.T.A.ホフマン
出版:冨山房
初版:1981.12.01.
紹介:クリスマスにもらった、くるみ割り人形。その夜、人形たちとネズミは戦いをした。傷ついた人形をマリーは、手当をする。
「人形の国」「アーモンドと干しぶどうの門」「砂糖でできた人形たち」「オレンジの川」「アーモンドミルクの湖」「蜂蜜入りクッキーの村」「ボンボンの町」「マジパンのお城」そして美しい王女。マリーはくるみ割り人形を助けたのだ。
コメント:バレエ組曲で有名な「くるみ割り人形」ですが、今まで本を読んだことなかったのです。クリスマスプレゼントの中にあった「くるみ割り人形」に心ひかれるマリー。ドロッセルマイヤーおじさんの語るお話の中に引き込まれていきます。
著者:真保裕一
出版:新潮社
初版:1995.09.20.
紹介:日本最大の貯水量を誇るダムが乗っ取られた。人質は発電所職員と下流域の市町村!
残された時間は24時間。
同僚と亡き友の婚約者を救うべく、ダムに向かう主人公・富樫のもうひとつの、そして最大の敵は、絶え間なく降りしきる雪、雪、雪・・・・・。
吹雪に閉ざされ、堅牢な要塞と化したダムと厳寒期の雪山に展開するハードアクション・サスペンス!(表紙扉より引用)
コメント:いやー!おもしろかった。
雪に閉ざされた、巨大ダム。そのダムがなにものかによって占拠された。ダムの湖水が放流されたら下流の町は壊滅的な崩壊を免れない。
送電がストップしたら・・・?
彼らの目的は・・・・そしてたったひとりで彼らに立ち向かう男・・・。
もうすごい緊張感!感動!
著者:森絵都
出版:理論社
初版:1998.07.
紹介:ある日、死んだはずのぼくの魂は、天使の抽選の結果新しい人生に再挑戦することになった。期間は1年。僕は見知らぬ男の子の体に入り込んだ。期間は1年、その間に
ぼくは自分の犯したあやまちを思い出さなくてはいけないのだ。14歳の男の子の話です。
コメント:まったく新しい視点から自分を見つめれば、今の生活も、もっと違ったものになるのかもしれない・・・一人で殻の中に閉じこもらないで、まったく違う自分になって、歩き出すことができたなら・・・・。
思春期の子どもたちに向けた、メッセージ。我が家の娘たちも読みました。
著者:京極夏彦
出版:講談社
初版:1994.09.05.
紹介:男がある日部屋の中から失踪した、密室。
その妻は、妊娠20ヶ月もたつというのにいっこうに出産の気配も見せない。
その産院からは、生まれた赤子が姿を消すという噂が流れる。<憑き物筋><姿を消す看護婦><ダチュラ><忘れ去られた記憶>京極堂シリーズ第1作。
コメント:夏にふさわしい1冊。何とも不気味でまがまがしい。
京極堂の一見無関係なうんちくに思わずその手の内に落ちてしまう。
ちょっと苦手だなぁ・・・・と思ったけれど、読み終わってみれば納得のいく一冊でした。
著者:シドニィ・シェルダン
出版:アカデミー出版
初版:1998.09.10.
紹介:帯カバーより
1.彼女は果たして100万ドルのために患者を殺したのか。証拠をつかんだ同僚医師の魂胆は?
2.彼女はなぜ賭などのために命をかけたのか?二重婚約を解決するために彼が選んだ道は?
3.彼女は愛の天使なのか、それとも色と欲をからめた単なる淫乱女なのか?優秀な女医の出世街道の先にあるのは?
この年エンバーカデロ郡立病院をおそった激震にあなたは耐えられるか!
コメント:「おもしろい!」3人の女性研修医の話なんだけど、ものすごいセクハラの中で、個性的な女医さんがそれぞれ一生懸命生きているの。シドニー・シェルダンって、初めて読んだけど、ちょっとはまりそうです。訳者がいいのかな、「超訳」ってかいてあるけど、多分日本語訳も面白いのだと思います。この超訳が、キライっていう人もいるかもしれないですけど・・・