著者:城山三郎
出版:新潮社
初版:1978.09.30.
紹介:「私が子供を東大に入れたいのは、一番選択の幅の広い人生を与えたいからなんです。」
こう言い切る母親の自信には、しかし大きな欠陥があった・・・・。
サラリーマンの父親、教育熱心な母親、年子の長男と次男という一家族が突入した厳しい受験戦争を描き、現代の教育と親子関係に大きな問題を提起する話題の長編小説。(帯カバーより引用)
コメント:これはかなり極端だけど、子供が親によって大きく影響を受けると思うと、親であることに緊張するな。わたしの子供・・・大丈夫かな?
著者:重松清
出版:新潮社
初版:1997.11.20.
紹介:短編ですが、子供が抱えるいろんな問題、おもに「いじめ」がテーマになっています。学校に行っていれば、大丈夫なのか?子供が黙っていれば何もないのか?もし、我が子の「いじめ」に気がついたらいったい親はどうしたらいいのか・・・親は、子供を守ってやれるのか?
一番最後の一編はいじめではなくて、母親と担任教師の間のトラブルで、子供が巻き込まれていく話でした。
コメント:どの話も、どこにもありそうな話で、だから余計に怖くなりますね。自分とは無関係だと思えない怖さです。
いろいろなことが頭の中をめぐっています。機会があったら読んでみてください。
私はこれから娘にもすすめてみます。
蛇足:この本の最初の「ワニとハブとひょうたん池」の舞台となる大泉公園。この場所、知っています。「石神井公園」の「三宝寺池」確かワニ騒動があった。大泉公園は、石神井公園の1つ先の現存する町です。
著者:宮部みゆき
出版:新潮社文庫
初版:1996.10.01.
紹介:夜な夜な出没して江戸市中を騒がす正体不明の辻斬り”かまいたち”。人は斬っても懐中は狙わないだけに人々の恐怖はいよいよ募っていた。そんなある晩、町医者の娘おようは辻斬りの現場を目撃してしまう・・・・・。
サスペンス食の強い表題作をはじめ、純朴な夫婦に芽生えた欲望を描く「師走の客」、超能力をテーマにした「迷い鳩」「騒ぐ刀」を収録。宮部ワールドの原点を示す時代小説短編集。(表紙裏より引用)
コメント:おもしろくって、一気に読んでしまいました。
これが初期の作品で、「霊験お初」の登場したところなんですね。
いやー!面白かったです。宮部みゆきって、時代物も現代物も全然違和感がないの。とても不思議です。
著者:鈴木光司
出版:新潮社
初版:1997.09.20.
紹介:鈴木光司がいろいろな雑誌に書いたエッセイをまとめたエッセイ集。
第1章・心はいつも処女航海
第2章・文壇最強の男とは
第3章・小説こぼれ話
第4章・魂を揺さぶる小説
第5章・新しい世界の若者たちへ
鈴木光司の少年時代や生き方・子育て・小説を書く思いなどが語られていてとても興味深い。
コメント:ホラー作家でない鈴木光司の魅力や秘密がわかってとても嬉しくなりました。「第4章・魂を揺さぶる小説」の中では、何冊かの小説が紹介されているが、池澤夏樹の「母なる自然のおっぱい」は、読んでみたいと思いました。
どちらかというと、楽観的で、未来に希望を持っている。これからの子供達に、そして子供を育てている親たちにむけたメッセージです。
著者:灰谷健次郎
出版:理論社
初版:1997.05.
紹介:いのち輝く海と美しい自然に囲まれ、暮らす島人たちのこころは優しい。
今、沖縄・嘉何渡敷村から送る、長編小説。
コメント:沖縄戦で受けた、人々の今もなお続く戦争の傷跡。
その自然あふれる美しい島で暮らす人々と、本土で、心に傷を持った少女の出会い。
今私が、持っている価値観との違いに気付かされた、感じです。
著者:鈴木光司
出版:角川書店
初版:1996.02.29.
紹介:水辺を舞台にした連作集。美と恐ろしさとの二面をあわせ持つ「水」に命が生まれてくる。観音崎を孫と散歩しながら、水辺にまつわる恐ろしい不思議な話を語り聞かせる。そんな中でとっておきの「宝物の話」とは・・・・
「浮遊する水」「孤島」「穴ぐら」「夢の島クルーズ」「漂流船」「ウォーターカラー」「海に沈む森」
コメント:私が好きなのは「孤島」と「穴ぐら」「海に沈む海」鈴木光司らしさが現れているような気がする。いずれも、父親の子どもへの思いが感じられる。
著者:加納朋子
出版:東京創元社
初版:1992.09.25.
紹介:主人公・駒子と、童話「ななつのこ」の作者・佐伯綾乃との手紙の交換という形式でストーリーは進んでいく。
なかに「ななつのこ」の童話が7編挿入されている。さらに「ななつのこ」の中で、主人公・はやて少年と、あやめさんの対話がはさまるという二重構造。
「スイカジュースの涙」「モヤイの鼠」「一枚の写真」「バスストップで」「一万二千年後のヴェガ」「白いタンポポ」「ななつのこ」短編の連作で、大きな1つの物語を構成している。
コメント:ミステリーといえばミステリーなのですが、殺人は起きません。
なんだかほのぼのと暖かいやさしい気持ちになるミステリーでした。
物語の中に物語がある「二重構造」というか「入れ子構造」になっているので、
時間のあるときに一気に読むのをおすすめします。
けっこう面白い作品でしたよ。そうだなぁ・・・ちょっと北村薫の雰囲気に似たようなところがあります。
著者:森博嗣
出版:講談社
初版:1997.04.05.
紹介:岐阜県恵那市の旧家、香山家には代々伝わる家宝があった。その名は「天地の瓢」と「無我の筐(はこ)」。
「無我の筐」には鍵がかけられており、「天地の瓢」には鍵が入っている。ただし鍵は「瓢」の口よりも大きく、取り出すことができないのだ。50年まえの香山家の当主は、鍵を「瓢」の中に入れ、息子に残して自殺したという。果たして筺を開けることができるのか?興味を持って香山の家を訪れた西之園萌絵だが、そこにはさらに不思議な事件が待ち受けていた!(表紙扉より引用)
コメント:犀川と萌絵の恋愛の行方は・・・・なかなか進まない。
今回のトリックは最初の1/3しかわからなかった。
密室の謎も、「天地の瓢」と「無我の筺」の謎も、ヒントには気付いたんだけど、解明できなかった・・・もっと理科で勉強したことを思い出さなくちゃぁ・・・残念。
著者:清水義範
出版:早川書房
初版:1995.07.31.
紹介:清水義範さんと弟の幸範氏との「作文教室」で、子供達が書いた作文と、それに対する添削。清水氏の作文に対する考えがわかりとても面白い。
コメント:7人の子供達のそれぞれの個性あふれる作文。
回を重ねるうちに見る間に上達する子供もいれば、思いをなかなか表現できない子もいる。1年を通して作文とはなにか。読書感想文の弊害など、清水氏独特のユーモアセンスでとても楽しめました。
著者:松浦理恵子
出版:河出書房新社
初版:1994.10.20.
紹介:スチュワーデスの夕記子・バイト先で知り合った由梨子、そして同人漫画サークルでであった花世。
彼女たちとのそれぞれの出会いと関係は、私にとっていったい何なのか?
女と女の恋愛と別れのお話。
コメント:面白かったです。読んでいて20代後半の人が書いた本かなぁ・・・?と思っていました。後ろの方に生年月日が・・・ナーンダ、
同年代じゃない(笑)。ずいぶん前に書いた作品なんですね。
実家に行く電車の中で読もうと思って持って出かけたのですが、失敗でした。
となりに座った人の視線が気になって・・・(^-^;男の人だったらまだいいのですが、
20代の女の子の視線が・・・途中で閉じてしまいました。(笑)
それでも根性で読み切った。