竜の柩 上

著者:高橋克彦
出版:祥伝社
初版:1989.04.10.
紹介:二束三文の津軽の山が密かに買収されたことをしたTVディレクター九鬼虹人は、周辺取材するうちに、なぜか買収地がすべて竜に因んだ神社や遺跡の地に限られることに気づいた。”いったい竜とはなにか?想像上の竜が世界各地に伝説として残り、西洋では悪魔、東洋では聖なる存在なのはなぜか?”それが恐るべき事件の発端となった。土地買収と竜の関連を追う九鬼を執拗に狙う男達。そして姿を見せ始めたヴァチカンの存在・・・・・。
コメント:日本の古代史・神話をベースに、竜と遺跡の謎に迫る。
辰年の記念すべきミレニアム読書にふさわしい一冊でした。
上巻は、けっこう読むのに時間がかかりました。多分、日本の神様の名前が読みにくかったのだ・・・

まどろみ消去

著者:森博嗣
出版:講談社
初版:1997.07.05.
紹介:大学のミステリィ研究会が「ミステリィツアー」を企画した。ビルの屋上に案内された
参加者達は、離れた建物の屋上で、30人のインディアンが踊っているのを目撃する。現場に行ってみると、そこには誰もいなかった。屋上への出入り口には見張りがたてられていたというのに!参加者達はこの謎を解くことができるか!?(「誰もいなくなった」)
著者初の、そして森ミステリィのエッセンスがすべて詰まった全編書き下ろし短編集。
コメント:この本、スキーの旅のお供でした。
今までの森作品とはひと味違った短編集。
この中で私が好きだったのは、「やさしい恋人へ 僕から」「悩める刑事」の2つですね。特に「やさしい恋人へ 僕から」は、やられてしまいました。

いつか会える

著者:菊田まりこ
出版:学習研究社
初版:1998.12.08.
紹介:ぼくにはだいすきで、大切な人がいる。・・・ジロ・・・
あるとき急にあえなくなった、大好きなみきちゃん。
どこをさがしてもあえない・・・・。でも、わかったよ。
目をつむって、みきちゃんのことを考えるとね。
いつでも会えるんだ。
コメント:犬のジロくんとみきちゃん
会えないけど 会える。
ちょっとさびしいでも心やさしいジロのお話。

蔵 上・下

著者:宮尾登美子
出版:毎日新聞社
初版:1993.09.20.
紹介:新潟の蔵元の家に生まれた一人娘”烈”は美しく利発な娘だった。しかし成長するに連れて彼女の視力は落ちていった。列を残していった体の弱い母。烈を助ける叔母と後妻”せき”。
跡取りの弟が事故でなくなり、気力を失った蔵元・意蔵は酒蔵をしめることを決心する。活気のなくなった家で、烈はとうとう光を失ってしまう。家の将来、自分の将来、烈は酒蔵を継ぐことを決心する。
コメント:裕福な家に生まれた烈だったが、次々と不幸に見舞われる。しかしどこか幸せな人々に守られて、すくすくと育っていく。不幸な話なのに心底いじわるな人がいないのが救いです。NHKの朝の連続ドラマを最初から最後まで一気に見てしまったような気分でした。

電撃娘163センチ

著者:日向章一郎
出版:集英社・コバルト文庫
初版:1999.09.10.
紹介:「つけあがるんじゃないわよ」と、美人なふたりの姉からいわれ続けてきた少年、反町たすく。バレンタインに55個のチョコを持ってもイマイチ自身が持てない。そんな彼の片思いの相手は、自分を絶世の美女と信じ、将来はパリコレ フモデル!と本気で考えている来電院いずみさん(←本当は”様”と呼ばせたいらしい)だが・・・・・・。キョーレツな個性のコンビが贈る、パワフルな学園ミステリー!!(表紙扉より引用)
コメント:一時期はまっていた日向章一郎の本。星座シリーズ・放課後シリーズなど、学園ものがけっこう面白いと思うんだけど・・
このお話、場所がうちの近くなんですよね。

ねむる保健室

著者:浩祥まきこ
出版:集英社・コバルト文庫
初版:1999.06.10.
紹介:日向なぎは、「人間ではないもの」の声が聞こえるちょっとワケありな女の子。なぎが転入した羽島中学には奇妙な事件が起こっていた。何でも旧校舎の保健室にはいった生徒が、ねむったまま目覚めなくなってしまったらしい。その不思議な体質のせいでかっていに「霊感少女」にされてしまったなぎは、旧校舎の謎を解明するために乗り出した!心やさしい妖怪たちが織りなす、ハートウォーミング”学校の怪談”!(表紙カバー扉より引用)
コメント:たまには、こんな軽い本もいいかな。コバルト文庫は少女の気分で読みます(笑)

ボクの町

著者:乃南アサ
出版:毎日新聞社
初版:1998.10.25.
紹介:警察官になるきっかけは彼女にふられたことだった。
社会の枠にはめられない、自分にピッタリ合った生き方を見つけるために自由に生きたかった。だけど・・・そんな生き方は彼女を遠のかせた。
「警察官にならないか?」ふと入った交番でいわれた一言。
もしかしたら、自分を必要としてくれているかもしれない場所。ちゃんとした警察官になれば、彼女もボクを見直してくれるかもしれない・・・。
しかし新人警察官の研修は、そんなに甘いものではなかった。交通事故・自殺・放火・はては酔っぱらい・寂しがり屋の相手まで・・・
現実の警察官は思い描いていたようなカッコイイものじゃなかったんだ・・・。
コメント:カッコよくない、きれい事じゃない、ぐずぐずと弱気な人間味あふれるホンネの新人警察官。聖大の悩んでいる姿がとても魅力的です。ちょっと応援したくなる。

リズム

著者:森絵都
出版:講談社
初版:1991.05.27.
紹介:中学1年、普通の公立中学に通うさゆきは、近所に住むいとこ・悪ガキで、高校にも行かずガソリンスタンドでバイトをしながら、歌を歌っている真ちゃんが大好きだった。
有名私立中に通う姉と、有名大学に通う真ちゃんのお兄さん。
中学で仲良しの女友達と、いじめられっこで幼なじみのテツ。
きのうと同じ明日がやってくる・・・そんな生活に満足していたさゆき。
だけど・・・いつまでも変わらずにいられないこともある。
───まわりのことがきになって
自分がメチャクチャになりそうなとき。
心の中でリズムをとるんだ。
まわりの音なんて関係ない
自分だけのリズムを───。
コメント:中学生の不安で揺れる心がさりげなく描かれた一編です。
娘たちも読みました。

ヴァンサンカンまでに

著者:乃南アサ
出版:幻冬舎文庫
初版:1998.01.25.(初出1991.11)
紹介:男なんかに左右されずに、自分の力で幸せになってみせる。密かに決意した翠は、自分の中の「女」を使い分け、上司との不倫も同期との恋愛もうまくやっていけるつもりだった。でも、何かが違う・・・・・翠は日増しに苛立ちをつのらせ、感情のバランスを欠いてゆく。心理サスペンスの第一人者が、都会をしたたかに行きぬこうとする女の姿を描いた長編小説。(裏表紙より引用)
コメント:恋愛ってなんだ?結婚てなんだ?幸せってなんだろう?
翠の思いどおりの生活。うまくいっているようで、実は綱渡り。よんでいるこっちのほうがはらはらする。こんなはずじゃなかったのに・・・。
そうよね。そんなにうまくいくことばかりじゃないわよね。

宇宙のみなしご

著者:森絵都
出版:講談社
初版:1994.11.10.
紹介:陽子とリンの姉弟。留守がちな両親の元で自立した生活を送る。不登校のきっかけはなんだったのだろう?
「屋根にのぼる」それはワクワクするふたりだけの遊びだった。
七瀬とキオスク。友達、いじめ、不登校それぞれ自分の力で越えることの出来ないハードルを越えるためには、時々手をつなぎあえる友達を見つけることが大切なんだね
コメント:読んでいるうちにワクワクしてきました。
なぜって、私も子供の頃屋根にのぼるのが好きな子供だったから・・・
あのころって、なかなか自分の思い通りに行かないことがいっぱいで、でも、これと言ってはっきりとした理由があるわけでもなく、見えない何かにつっぱって生きていたような気もする。
この本は説教臭くなくて、すんなり心に入ってくる本です。小5の娘が学校図書館で借りてきた本です。