著者:山崎豊子
出版:新潮社
初版:1999.08.25.
紹介:「御巣鷹山航空機事故」後の航空会社再建に任命されたのは、繊維会社会長の国見であった。
国民航空の経営の事態・組合の分裂・天下り官僚・汚職
「会議室」 の内部も一つにはなれない・・・・
コメント:実はこのシリーズこの本が初めて。
1~4まで図書館に予約して一番はじめに届いたのがこれでした。
ちょっと中途半端かなぁ?と思いましたが、「会議室篇・上」ということで、OKでした。
この手の本はあまり読んだことがなかったのですが、なかなか興味深く読みました。国見会長の行く先が気になります。
著者:宮本輝
出版:毎日新聞社
初版:1999.05.30.
紹介:離婚して娘と暮らす憲太郎と、友人富樫。ひょんな事からであった5才の男の子圭太郎と、遠くから見ていたいと思う貴志子。
憲太郎が旅した「フンザ」で出会った風景と老人の言葉が心から消えない。憲太郎の瞳の中にある三つの青い星。「潔癖」「淫蕩」「使命」。「使命」とはいったい何を意味するのだろう?広大なタクラマカン砂漠への思いを胸に、彼は草原の椅子を目指す。
コメント:あとがきの中で、作者は次のように語っている。p360.引用
「草原の椅子」の中で、私は市井の中の「人間力のある大人」を主人公に置きたかった。学歴や肩書きや地位や収入とは関係なく、慈しみの心を持つ、人間力のある大人を書きたいと思った。
読んでいて心が優しく豊かになっていくような気がしました。40代50代と生きていく中でちょうどいい時期に出会えた本でした。
著者:赤瀬川源平
出版:筑摩書房
初版:1998.09.10.
紹介:みんなどうせボケていくんだから、もうちょっと良い言葉を考えよう。ボケ老人というと何だかだめなだけの人間みたいだけど、ボケも一つの新しい力なんだから、もっと積極的に、老人力、なんてどうだろう。いいねえ、老人力。(本文より引用)
コメント:年老いていくこと、ぼけていくことも見方を変えればプラスに変わる。年をとるのもそう捨てたものではないな・・・なんて思いました。
でも、まだ頭でわかるだけ。実感するのはやっぱり親の事かな?
著者:ブライアン・L・ワイス
出版:PHP研究所
初版:1996.11.21.
紹介:精神科医ワイス博士は、前世の記憶を持つ患者に接するうちに、前世の実在を信じるようになった。そして誰にでも、生まれ変わるたびにめぐり会う、かけがえのない魂の伴侶(ソウルメイト)がいることを知る。
ある時、彼は、患者のアメリカ人女性エリザベスとメキシコ人青年ペドロが、お互いに魂の伴侶であることに気付く。ふたりを引き合わせたいという思いと、医師としての守秘義務の狭間で揺れ動くワイス博士。治療を終えたペドロの帰国日が迫っていた。
(表紙扉より引用)
コメント:前世というものがあるとしたら・・・・ちょっとは知りたいような気がするが、なんだか神がかり的な感じがする本でした。
著者:城山三郎
出版:新潮社
初版:1978.09.30.
紹介:「私が子供を東大に入れたいのは、一番選択の幅の広い人生を与えたいからなんです。」
こう言い切る母親の自信には、しかし大きな欠陥があった・・・・。
サラリーマンの父親、教育熱心な母親、年子の長男と次男という一家族が突入した厳しい受験戦争を描き、現代の教育と親子関係に大きな問題を提起する話題の長編小説。(帯カバーより引用)
コメント:これはかなり極端だけど、子供が親によって大きく影響を受けると思うと、親であることに緊張するな。わたしの子供・・・大丈夫かな?
著者:重松清
出版:新潮社
初版:1997.11.20.
紹介:短編ですが、子供が抱えるいろんな問題、おもに「いじめ」がテーマになっています。学校に行っていれば、大丈夫なのか?子供が黙っていれば何もないのか?もし、我が子の「いじめ」に気がついたらいったい親はどうしたらいいのか・・・親は、子供を守ってやれるのか?
一番最後の一編はいじめではなくて、母親と担任教師の間のトラブルで、子供が巻き込まれていく話でした。
コメント:どの話も、どこにもありそうな話で、だから余計に怖くなりますね。自分とは無関係だと思えない怖さです。
いろいろなことが頭の中をめぐっています。機会があったら読んでみてください。
私はこれから娘にもすすめてみます。
蛇足:この本の最初の「ワニとハブとひょうたん池」の舞台となる大泉公園。この場所、知っています。「石神井公園」の「三宝寺池」確かワニ騒動があった。大泉公園は、石神井公園の1つ先の現存する町です。
著者:宮部みゆき
出版:新潮社文庫
初版:1996.10.01.
紹介:夜な夜な出没して江戸市中を騒がす正体不明の辻斬り”かまいたち”。人は斬っても懐中は狙わないだけに人々の恐怖はいよいよ募っていた。そんなある晩、町医者の娘おようは辻斬りの現場を目撃してしまう・・・・・。
サスペンス食の強い表題作をはじめ、純朴な夫婦に芽生えた欲望を描く「師走の客」、超能力をテーマにした「迷い鳩」「騒ぐ刀」を収録。宮部ワールドの原点を示す時代小説短編集。(表紙裏より引用)
コメント:おもしろくって、一気に読んでしまいました。
これが初期の作品で、「霊験お初」の登場したところなんですね。
いやー!面白かったです。宮部みゆきって、時代物も現代物も全然違和感がないの。とても不思議です。
著者:鈴木光司
出版:新潮社
初版:1997.09.20.
紹介:鈴木光司がいろいろな雑誌に書いたエッセイをまとめたエッセイ集。
第1章・心はいつも処女航海
第2章・文壇最強の男とは
第3章・小説こぼれ話
第4章・魂を揺さぶる小説
第5章・新しい世界の若者たちへ
鈴木光司の少年時代や生き方・子育て・小説を書く思いなどが語られていてとても興味深い。
コメント:ホラー作家でない鈴木光司の魅力や秘密がわかってとても嬉しくなりました。「第4章・魂を揺さぶる小説」の中では、何冊かの小説が紹介されているが、池澤夏樹の「母なる自然のおっぱい」は、読んでみたいと思いました。
どちらかというと、楽観的で、未来に希望を持っている。これからの子供達に、そして子供を育てている親たちにむけたメッセージです。
著者:灰谷健次郎
出版:理論社
初版:1997.05.
紹介:いのち輝く海と美しい自然に囲まれ、暮らす島人たちのこころは優しい。
今、沖縄・嘉何渡敷村から送る、長編小説。
コメント:沖縄戦で受けた、人々の今もなお続く戦争の傷跡。
その自然あふれる美しい島で暮らす人々と、本土で、心に傷を持った少女の出会い。
今私が、持っている価値観との違いに気付かされた、感じです。
著者:鈴木光司
出版:角川書店
初版:1996.02.29.
紹介:水辺を舞台にした連作集。美と恐ろしさとの二面をあわせ持つ「水」に命が生まれてくる。観音崎を孫と散歩しながら、水辺にまつわる恐ろしい不思議な話を語り聞かせる。そんな中でとっておきの「宝物の話」とは・・・・
「浮遊する水」「孤島」「穴ぐら」「夢の島クルーズ」「漂流船」「ウォーターカラー」「海に沈む森」
コメント:私が好きなのは「孤島」と「穴ぐら」「海に沈む海」鈴木光司らしさが現れているような気がする。いずれも、父親の子どもへの思いが感じられる。