天の瞳 少年編Ⅱ

著者:灰谷健次郎
出版:角川書店
初版:1999.04.05.
紹介:小学校卒業、そして中学校進学を間近に控えた倫太郎たち。倫太郎は中学校からの説明会の呼び出しをすっぽかしたり、ミツルは「校則で決められている制服は着ない。丸刈りにもしない」と宣言したりと、入学式の前から倫太郎たちの名前は学校中に知れ渡っていた。
これまで、理解ある人々に囲まれてのびのびと育ってきた倫太郎たちだが、中学校という新しい環境の中で、彼らはどう変わっていくのか?
待望のシリーズ第4巻、書き下ろしで登場。(表紙扉より引用)
コメント:これはすごいです、同じ中学生だけど、うちの子たちは、こんな事全然思ってもいない。やっぱり違うなぁ・・・この少年倫太郎には、ちゃんとモデルがいるということでした。そうなると、ますます・・・・でも、実際我が子が、こうなったら、私は、どんな対応をするだろうか?はっきり言って、自信がないですね。
この「少年編Ⅱ」だけ読んでも、結構色々なことを考えさせられました。

くるみ割り人形とねずみの王さま

著者:E.T.A.ホフマン
出版:冨山房
初版:1981.12.01.
紹介:クリスマスにもらった、くるみ割り人形。その夜、人形たちとネズミは戦いをした。傷ついた人形をマリーは、手当をする。
「人形の国」「アーモンドと干しぶどうの門」「砂糖でできた人形たち」「オレンジの川」「アーモンドミルクの湖」「蜂蜜入りクッキーの村」「ボンボンの町」「マジパンのお城」そして美しい王女。マリーはくるみ割り人形を助けたのだ。
コメント:バレエ組曲で有名な「くるみ割り人形」ですが、今まで本を読んだことなかったのです。クリスマスプレゼントの中にあった「くるみ割り人形」に心ひかれるマリー。ドロッセルマイヤーおじさんの語るお話の中に引き込まれていきます。

ホワイトアウト

著者:真保裕一
出版:新潮社
初版:1995.09.20.
紹介:日本最大の貯水量を誇るダムが乗っ取られた。人質は発電所職員と下流域の市町村!
残された時間は24時間。
同僚と亡き友の婚約者を救うべく、ダムに向かう主人公・富樫のもうひとつの、そして最大の敵は、絶え間なく降りしきる雪、雪、雪・・・・・。
吹雪に閉ざされ、堅牢な要塞と化したダムと厳寒期の雪山に展開するハードアクション・サスペンス!(表紙扉より引用)
コメント:いやー!おもしろかった。
雪に閉ざされた、巨大ダム。そのダムがなにものかによって占拠された。ダムの湖水が放流されたら下流の町は壊滅的な崩壊を免れない。
送電がストップしたら・・・?
彼らの目的は・・・・そしてたったひとりで彼らに立ち向かう男・・・。
もうすごい緊張感!感動!

カラフル

著者:森絵都
出版:理論社
初版:1998.07.
紹介:ある日、死んだはずのぼくの魂は、天使の抽選の結果新しい人生に再挑戦することになった。期間は1年。僕は見知らぬ男の子の体に入り込んだ。期間は1年、その間に
ぼくは自分の犯したあやまちを思い出さなくてはいけないのだ。14歳の男の子の話です。
コメント:まったく新しい視点から自分を見つめれば、今の生活も、もっと違ったものになるのかもしれない・・・一人で殻の中に閉じこもらないで、まったく違う自分になって、歩き出すことができたなら・・・・。
思春期の子どもたちに向けた、メッセージ。我が家の娘たちも読みました。

姑獲鳥の夏

著者:京極夏彦
出版:講談社
初版:1994.09.05.
紹介:男がある日部屋の中から失踪した、密室。
その妻は、妊娠20ヶ月もたつというのにいっこうに出産の気配も見せない。
その産院からは、生まれた赤子が姿を消すという噂が流れる。<憑き物筋><姿を消す看護婦><ダチュラ><忘れ去られた記憶>京極堂シリーズ第1作。
コメント:夏にふさわしい1冊。何とも不気味でまがまがしい。
京極堂の一見無関係なうんちくに思わずその手の内に落ちてしまう。
ちょっと苦手だなぁ・・・・と思ったけれど、読み終わってみれば納得のいく一冊でした。

女医 上・下

著者:シドニィ・シェルダン
出版:アカデミー出版
初版:1998.09.10.
紹介:帯カバーより
1.彼女は果たして100万ドルのために患者を殺したのか。証拠をつかんだ同僚医師の魂胆は?
2.彼女はなぜ賭などのために命をかけたのか?二重婚約を解決するために彼が選んだ道は?
3.彼女は愛の天使なのか、それとも色と欲をからめた単なる淫乱女なのか?優秀な女医の出世街道の先にあるのは?
この年エンバーカデロ郡立病院をおそった激震にあなたは耐えられるか!
コメント:「おもしろい!」3人の女性研修医の話なんだけど、ものすごいセクハラの中で、個性的な女医さんがそれぞれ一生懸命生きているの。シドニー・シェルダンって、初めて読んだけど、ちょっとはまりそうです。訳者がいいのかな、「超訳」ってかいてあるけど、多分日本語訳も面白いのだと思います。この超訳が、キライっていう人もいるかもしれないですけど・・・

すべてがFになる

著者:森博嗣
出版:講談社文庫
初版:1998.12.15.
紹介:孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る、天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウェディングドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然島を訪れていた、N大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。(表紙裏より引用)
コメント:久々に、推理小説という感じで良かったです。
ウィンドウズ95がでる前に書かれた本で、UNIXによるプログラム・トリック。256×256の答えは・・・
トリックがちゃんとしていて気にいりました。
だけどこの、犀川・萌絵コンビ、妙な二人ですね。フフフ・・・

スティル・ライフ

著者:池澤夏樹
出版:中央公論社
初版:1988.02.29.
紹介:スティル・ライフ
星をみること、あるいは山の形、せせらぎや蝉時雨。
彼と話す話はそんな話だった。
仕事の話とか、家族の話だとか、そんな話をしたことがない。
ある日、彼から電話がかかってきた。「変な話」をもちかけるという・・・・。
ヤーチャイカ
かんなと父・文彦はふたり暮らし。
生活は変化している。日常だと思っているものはいつ変わるかわからない、父はロシア人と出会い、カンナはもうディプロドクスを飼い続ける事はできないのだ。
コメント:そうですね。「いつも」という日常が、少しずつ形を変えていく経過・・・
が感じられます。個人的には「君が住む星」の方が好きですね。

震える岩

著者:宮部みゆき
出版:新人物往来社
初版:1993.09.30.
紹介:死んだはずの男が生き返った?
不思議な力を持つ「お初」にはその男が若返ったように見える。油の大樽の中に小さな白い手が見えた。
続く子殺し、「りえ」・・・・死人憑きはいったい何なのか?
「浅野内匠頭」が切腹した場所にあるという「夜泣き石」。お初がそこでみたものは・・・?100年の時を越え、怨念が今よみがえる・・・
コメント:宮部みゆきの「時代物」初挑戦!
あー。おもしろかった。忠臣蔵の実は隠された真相を追いながら、当時の権力につぶされていく武士たちの悲しい後ろ姿が見えます。

ターン

著者:北村薫
出版:新潮社
初版:1997.08.30.
紹介:突然、車が飛び出してきた。信じられないような割り込み!次の瞬間、君はハンドルを右に切った、そしてブレーキ・・・・そこへ左折のダンプカーが!
記憶は前の日にさかのぼる。すべて昨日のことだ。自己にあったその時間になったとき・・・・君はまた昨日の同じ場所、同じ時間に戻るのだ。永遠に繰り返される時・・・・
<時と人>の三部作の2作目。「ターン」
心の中に聞こえる声、いつもふたりで話していた、それはごく自然のことだったのだが・・・繰り返す時間の中で、ある日電話のベルが鳴った。そこから聞こえる声は・・・
コメント:北村薫さん2冊目。おもしろかった。あっという間に読了!
これが男の人の手によって書かれたものとは信じがたい。
<時と人>の三部作の3作目。「リセット」は、まだ出版されていないので、次が楽しみですB北村薫さんの他の作品も読んでみたいな。