武則天.1

著者:原百代
出版:講談社文庫
初版:1985.05.15.
紹介:武則天───この女帝は、日本では一般に「則天武后」と呼ばれ、正しい歴史的理解をされていない。しかし、彼女は単に唐の高宗の后だっただけでなく、自ら起こした周のまさしく皇帝だったのだ。───それはともかく、まずは一代の女帝の生涯をその生誕から見て行こう。時は大唐帝国、太宗の貞観二年(628)(裏表紙より引用)
コメント:中国の歴史を全く知らない私が読んでも、興味深く読めそうな本です。
時代背景、風土、生活習慣なども詳しく説明が加えられ、中国初心者の私でも思わず引き込まれてしまいました。
「てん足」という風習は聞いたことがありましたが、後宮での「宦官」については初めて知り、とても驚きました。照る(武則天)がこの後どのように太子と関わっていくのか興味深いです。

おちくぼ姫

著者:田辺聖子
出版:角川文庫
初版:1990.05.25.
紹介:貴族のお姫さまであっても、意地悪い継母に育てられ召使い同然。粗末な身なりで、一日中縫い物をさせられ、床が一段低く落ちくぼんだ部屋にひとりぼっちで暮らしている姫君────といえば、”シンデレラ姫”を思い浮かべることでしょう。姫君と青年貴公子のラブストーリーでもある「おちくぼ姫」は千年も昔に書かれた、王朝版「シンデレラ物語」です。
(表紙カバーより抜粋)
コメント:かるくって、サラサラ読めて、
「おちくぼ姫」の性格がいいので、なんだか読んでいて嬉しくなってしまいました。
たまにはこんな軽い本もいいわ。

冷たい密室と博士たち

著者:森博嗣
出版:講談社文庫
初版:1999.03.15.
紹介:同僚の誘いで低温実験室を訪ねた犀川助教授とお嬢様学生の西之園絵萌絵。
だがその夜、衆人環視かつ密室状態の実験室の中で、男女に明の大学院生が死体となって発見された。被害者は、そして犯人は、どうやって中に入ったのか!?人気の師弟コンビが事件を推理し真相に迫るが・・・・・。究極の森ミステリィ第2弾。(裏表紙より引用)
コメント:密室殺人?理系小説だとか、新しいミステリィだとか言われているけどそうかな?トリックもある程度予想できて、違和感もない。私は充分に楽しめました。
次作も読んでみよう。

ベイブ 都会へ行く

著者:ジャスティン・コーマン&ロン・フォンテス
出版:小学館
初版:1994.04.20.
紹介:大好きな牧場を救うために都会に出たベイブ。ところが街ではとんでもない事態に巻き込まれ、牧場を救うどころか、動物たちの生活も危険に脅かされている。
動物たちに平和な暮らしはやってくるのか?そして、ベイブは牧場を救うことができるのか?
コメント:映画「ベイブ」の続編。やっぱり映画の方が見ていて楽しいだろうな。

秘密

著者:東野圭吾
出版:文藝春秋社
初版:1998.09.10.
紹介:スキーバスの事故に遭遇した妻と娘。重体の妻と奇跡的に助かった娘。
父と娘の、一見平和な生活が始まったかに見えたが・・・・
コメント:ヒロスエ主演で映画になったというこの作品。
結構気に入りました。妻と夫、娘と父。この肉体と精神のきわめて均衡のとりにくい関係の中でのそれぞれの苦悩。
さいごのほうほ、ユーミンの「翳りゆく部屋」がでてきたところで思わず目が熱くなってしまいました。

Go Go Heaven の勇気

著者:銀色夏生
出版:角川文庫
初版:1988.07.25.
紹介:生まれることも歴史です。失うことも歴史です。私たちがもっとも大切にしなければならないことは、私たちの本当の目的です。
私たちの目的は、素晴らしく美しく悲しいほど純粋だったのではなかったでしょうか。
そのためになら生きていることを誇れるという目的だったのではないでしょうか。
私たちはそのことをうっかりと忘れないためにこそ、お互いに存在しているのです。
(表紙扉から引用)
コメント:SPEEDの歌にもこんなのがあったけど・・・・
この本もいいな。LESSONより好きです。銀色夏生って、女の子だったんですね。詩だけ読んでいたら男の子が書いたのかと思ってしまいました。
こんな時代、今なら戻りたいって思うけど、あのころは手探りで、出口がなくって、結構迷っていたよね。訳もなく友達といると落ち着いたし・・・・。

LESSON

著者:銀色夏生
出版:角川文庫
初版:1988.04.25.
紹介:私たちは迷わずに歩いていきましょう。 もう、ここまで来てしまいました。
月日は、すぎていきます。あのころに帰りたいなんて言わないでください。
今、目の前にいるのが私です。今、目の前にいるのがあなたです。
どうしようもないことは、もう どうしようもないでしょう。
笑えることが素敵です        ───著者(表紙扉から引用)
コメント:銀色夏生という名前にひかれて手にした本。
思いがけなくそれは写真集のような詩集だった。
今となってみれば、過ぎ去ったあの時代が懐かしく感じられるのだが、
あのころこの本を手にしていたら、きっと私のバイブルになっていたかもしれない。

恋愛中毒

著者:山本文緒
出版:角川書店
初版:1998.11.25.
紹介:離婚経験者・・・・。
もう2度とあんな思いはしたくないと思っていたはずなのに・・・・。
目の前に現れた男によって生活が変えられていく。
コメント:まあ、お話だからね。世の中にはこういう人もいるかもしれないなぁ・・・と思うのだけど、私とは違うタイプですね。なんというか、「執着心」とか「独占欲」とかあんまり好きじゃないみたい。タイトル通り、「恋愛中毒」症状なんだね。こういう人生って、けっこうハードだと思うな。

臓器農場

著者:帚木蓬生
出版:新潮社
初版:1993.05.20.
紹介:新任看護婦・規子が小耳に挟んだ「無脳症児」のひと言がきっかけだった。
この病院で何かと方もないことが進行している───周囲で頻々と起こる奇妙な出来事、そして親しい者たちの死。涙の乾く暇もなく襲ってくる「臓器農場」からの魔の手。マッドサイエンスをくい止める者はないのか……。
新任看護婦・規子が勤めた総合病院は「多臓器移植」が、数多く行われていた。
そこの産婦人科には、裏と表の顔があるという。奥の特別病棟にはふつうの看護婦は入れない。患者を救うための「臓器移植」。そのための臓器は、いったいどこからやってくるのか?頭の片隅に浮かんだ疑問がふくらんでくる・・・(表紙扉より引用)
コメント:現実の社会の中でも本当に起こりそうな話で、ちょっと恐くなりました。
それに、なんで大切な人が殺されちゃうの?という気持ちです。事件が解決しても、とっても悲しかった。殺されそうになるくらいでも、ストーリーは充分読み応えがあると思うんだけどな。

蟻の時代 上・下

著者:ベルナール・ウエルベル
出版:ジャンニ・コミュニケーションズ
初版:1996.05.2ケ.
紹介:フォンテーヌブローの町で、不思議な殺人事件が次々と発生する。殺されているのは化学者ばかりで彼らは何らかの薬品開発に関わっていた。どれもが完全犯罪で、犯人の手がかりはない。腕利き刑事と地元紙の女性記者が調査に乗り出す。(表紙扉から抜粋引用)
コメント:「蟻」の続編。蟻たちの見た世界と、地下に閉じこめられ、人間社会と隔絶され、蟻の生態を学ぼうとした人間達。そして、不思議な犯罪。
なんだか不思議な世界が広がっていきます。