ゴールドフィッシュ

著者:森絵都
出版:講談社
初版:1991.11.20.
紹介:新宿へ行ってしまった真ちゃん、いつの間にか大人びてきたテツ、そして高校受験をひかえ、ゆれる、さゆき。
3人の<リズム>のゆくえは────
好評『リズム』の続編。(表紙扉より引用)
コメント:さゆきは真治の音楽が好きだった。真治のバンドへの夢がさゆきの希望だった。だけど、真治の夢が崩れかけたとき・・・・
自分の夢や希望は、誰かの中でなく自分の中に見つけなくちゃならないのだ。
中学生向きの本かな?

人魚の島で

著者:シンシア・ライラント
出版:偕成社
初版:1999.07.
紹介:ぼくが人魚に会ったのは子どものときだ。浜辺でひろった人魚のくしを手に持っていると、人魚はすぐそこまで近づいてきてぼくの名を呼んだ。
「ダニエル」
島に暮らす孤独の少年は、人魚からもらった古い小さな鍵に守られて大人になっていく。
(表紙扉より引用)
コメント:何も言わないおじいさんの秘密、そしてアンナは・・・?
あのとき以来会わなくなった人魚は・・・・
そして鍵はいったい何の鍵だったのか。
短編ですが、ホワリと心があたたかくなるお話しです。

死がお待ちかね

著者:ベゴーニャ・ロペス
出版:文藝春秋
初版:1989.07.15.
紹介:キューバのある街で、起きた殺人事件。
1920年代「アールヌーボー様式」の屋敷に住むマリブラン一族。近所の太った老女達。屋敷・料理・そして小道具たち。そここに、犯人の足跡があるのだが、まるで出口のわからない迷路を歩いているような錯覚に陥る。犯人による反応の手口は明らかなのに、犯人が特定できないもどかしさ。最後にあかされる、隠された犯行の動機は・・・。
そう、死がお待ちかね。
コメント:登場人物の誰もが犯人であるかのような錯覚に陥る。途中何度も前に戻って読み返し、マリブラン家の庭に迷い込んでしまった。
太った美食家達と、ともに暮らすペット。古い調度や、人体標本。
もう一度、最初から読み直すのもまた面白いかもしれない。

そして二人だけになった

著者:森博嗣
出版:新潮社
初版:1999.06.20.
紹介:巨大な海峡大橋を支える(アンカレイジ)内部に造られた建物に集まった男女6名。海水に囲まれ完全な密室となったこの部屋に残ったのは盲目の天才科学者とアシスタントの二人。この密室でいったい何が起きたのか?そして、二人を待ち受けているのは───。知的罠を張りめぐらせた〈森ミステリィ〉の単行本初登場!(表紙扉より引用)
コメント:途中までは、何となくわかるような気分だったんです。えー?そうだったんだぁ・・・。と納得したのもつかの間。最後はえー!?はぁ・・・・森ミステリィを堪能しました。そう心地よくだまされてしまいました。
やられたぁ・・・・・。

凍える牙

著者:乃南アサ
出版:新潮社
初版:1996.04.20.
紹介:深夜のファミリーレストランで突如男が炎上した。数日後、ベイエリアに、無惨にもかみ殺された死体が。異様なこの殺人事件を追う警視庁機動捜査隊・刑事・音道貴子の前に想像を超える野獣が姿を現した───壮絶な復讐劇と疾走感あふれる追跡劇。女性刑事小説の分野に新ヒロイン誕生。(表紙扉より引用)
コメント:最初の部分では思わず、宮部みゆきの「クロスファイア」を連想しました。
刑事貴子がヨレヨレにくたびれているところや、男性社会の中で、立場的にいろんなハンディを感じながら、それをうまくかわしてひとりの刑事として活躍する。けしてなりたいとは思わないけど、でもなんだか応援したくなる女性です。そしてもちろんもうひとりの主人公は疾風。後半は、彼の魅力に思わず引き込まれて読むスピードが速まりました。

優駿

著者:宮本輝
出版:新潮社
初版:1986.10.25.
紹介:夢と希望、時には人生そのものをかけた人々の運命をも巻き込むようにして、自らも一陣の風となって走り抜けるオラシオン───。吉川英治文学賞受賞作。
・トカイファームの息子、正博
・オラシオンを買った和具平八郎、娘 久美子
・裏切りの秘書、多田
・余命少ない腹違いの弟、誠
・馬と仲間を落馬させたと悩む騎手、奈良。
サラブレット誕生と競走馬の世界そして、様々な人々の人生を描いた長編。(裏表紙より引用)
コメント:春休みからずっと読み続けていた宮本輝の「優駿」上下をやっと読み終えました。
競走馬をめぐるお話しで、「北海道の爽やかなすがすがしいストーリー」を想像していたらまったく違ってビックリしました。様々な人間模様が馬を取り囲んでいる感じです。
前半は、ちょっと人間不信になりそうだったけど、後半持ち直して一気に読みました。

だから、あなたも生きぬいて

著者:大平光代
出版:講談社
初版:2000.02.22.
紹介:中学二年のとき、いじめを苦にして自殺を図る。その後、坂道を転げ落ちるように、非行に走る。16歳で、「極道の妻」になり、6年間、その世界に生きる。現在の養父・浩三郎さんに出会って、立ち直り、「猛勉強」の末に、29歳で「司法試験」に合格する。
現在、少年犯罪を担当する弁護士となって、4年たつ。
涙もいっぱい出るけど、元気もたくさん出る本です。(帯より引用)
コメント:字が大きくて、ふりがながふってあって・・・子供達にも読みやすい文体で書かれていますね。今友達や学校とうまくいっていない子供達に読んで欲しいメッセージなんですね。

テロリストのパラソル

著者:藤原伊織
出版:講談社文庫
初版:1998.07.15.(1995.9)
紹介:アル中バーテンダーの島村は、過去を書くし20年以上もひっそり暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。ヤクザの浅井、爆発で死んだ昔の恋人の娘・塔子らが次々と店を訪れた。知らぬ間に巻き込まれ犯人を捜すことになった男が見た真実とは・・・・・・。史上初の乱歩賞&直木賞W受賞作。(カバー裏表紙より引用)
コメント:江戸川乱歩賞と、直木賞の同時受賞作品と言うだけあって、すごく面白く読めました。
展開もハラハラドキドキ、結末は・・・。裏切らないおもしろさでした。

死んでも忘れない

著者:乃南アサ
出版:勁文社
初版:1995.11.10.
紹介:郊外の一戸建てに住む城戸家は仲のよい夫婦と息子の3人家族。春、妻が妊娠した。後妻の絢子にとっては新婚の象徴とも言える出来事だったが、。だが、15も年の離れた兄弟ができることになった息子は当惑し、夫は「まさか・・・」と言う言葉がでそうになる。やがて絢子には思いも寄らぬ事が次々と城戸家には起こって・・・。
ガラスの家族が演じる偽りの”幸福物語”の終幕は───。
書き下ろし、恐怖心理サスペンス。(表紙扉より引用)
コメント:・満員電車の中で痴漢に間違われる。
・いじめていたはずが、今度は自分が標的に・・・
誰もが陥る可能性がある出来事・・・。けして人ごととは言えない。
ちょっとしたタイミングが狂うことで、人生が、家庭が音を立てて崩れていく・・・
なかなか恐ろしく、面白い内容でした。おすすめですね!