グリーン・マイル5

著者:スティーブン・キング
出版:新潮文庫
初版:1997.06.01.
紹介:死刑囚ジョン・コーフィは、少女殺しの犯人ではないかもしれない。それにコーフィには奇跡を起こす不思議な力がある───ドラクロアの鼠を生き返らせたのを目撃していた同僚の看守達は、ポールの説明を信じた。そして脳腫瘍で死に瀕している刑務所長の妻を、コーフィに治療させるという計画を実行に移した。だが、その癒しの手が効力を表した夜が、悪夢の始まりだったのだ・・・・・・。
(裏表紙より引用)
コメント:いよいよクライマックスが近づいてきた。
コーフィの奇跡・・・彼はなぜすべてのことが説明される前から分かっているのだろう?
真実は、彼の中にあるのか?
あー!このあとコーフィは?ポール達の運命は!?

ボーダーライン

著者:新保裕一
出版:集英社
初版:1999.09.10.
紹介:調査員サムが依頼された仕事は、一人の日本人を捜しその居所をつかむことだった。手がかりは2枚の写真。しかしその男は、にこやかに微笑みながら握手をするように、平然と人を殺すむじゃきな犯罪者だったのだ。
「突然姿を消した同居人は、なぜ連絡をくれないのか?」
「幼い子どもを殺された親は、その後どのように暮らしていたか?」
依頼主は誰か?その真意は?
親が子どもを殺そうと思うとき・・・・
コメント:ボーダーラインって・・・なんだったのだろう?
人種のるつぼ・アメリカ社会で生きる様々な人たち。あらゆる犯罪・・・
しかし、なぜサムはサニーを殺さなかったのだろう?

家族狩り

著者:天童荒太
出版:新潮ミステリー倶楽部
初版:1995.11.20.
紹介:常軌を逸した連続大量猟奇殺人。犯人は崩壊した家族の子どもなのか?
父親の愛を得ることなく大人になった刑事は、気づかないままに自分の家族を同じ道に導いていた。人との深い関わりを避け家族を持つことにおそれをいだく美術教師。
他人の悩みのために、自分の子供を犠牲にしてしまった教育者。
そして、病んでいく家庭。傷つけられているのは子供なのだ・・・。
コメント:家庭ってなんだ?家族のありかたってなんだろう?
親が子に繰り返す児童虐待や、トラウマが引き越す家族の遺伝。
誰もが自分のうちだけは大丈夫、きちんとさせようと思うのだが、気づかないうちに蓄積された心の闇が、子供達の精神をむしばみはじめる。私の子育ては、大丈夫だったろうか?
家族の崩壊・こんな本を子供に読ませたら、将来を悲観してしまいそうでとてもすすめられない。
事件は最悪のところまで進むが、地獄の向こう側に、訪れた幸福が心地よい。
ラストはかなり不気味ですが・・・・
この話の舞台が実は近所なのです。土地勘があるからけっこう恐ろしいですね。「シロアリの駆除」はちょっとパスしたい気分です。

ISOLA 13番目の人格

著者:貴志祐介
出版:角川書店
初版:1999.12.25.
紹介:阪神大震災の被災地で、ボランティアをしていた由香里は相手の感情を読みとる能力を持っていた。そこで出会った少女千尋は、心の中に13人もの人格を持つ多重人格だったのだ。
臨死体験を持つ千尋は、そのころから様々な人格を持つことで自分を保ってきた。
両親との死別、叔父夫婦の虐待。
千尋が大切にしている、漢和辞典と「雨月物語・春雨物語」、13人の名前との関連は・・・「ISOLA」とは?
千尋のまわりで起きる、突然死。その謎に迫る。
コメント:由香里自身の人との関わり合い。さらに千尋の多重人格・・・
ストーリーのおもしろさに、思わず引き込まれて一気に読み上げてしまった。
最後は、「ISOLA」が愛によって救われることで、なかなかの終わり方だと思ったのだが、その後が・・・・ホラーなんですね。
私としては、その部分がちょっと気になった。うーん、だって千尋が救われないんだもの・・・・。
鈴木光司のホラー系と、ちょっと似ているような気がするけど、彼のは救いや、底辺に流れる父性愛があるから好きなんだよね。

聖と俗と

著者:フェイ・ケラーマン
出版:創元推理文庫
初版:1993.12.01.
紹介:静まり返った森の一角で、2体の黒焦げの人骨が発見された。司法歯科医による鑑定の結果、方や中流階級、方や下層階級出身の少女の骨らしいことが判明する。おそらくかけ離れた人生を送っていたはずの2人の少女。それが、どうして同じ場所で、こうした最後を迎えることになったのか?デッカー刑事の悪戦苦闘の日々が始まる。好評「水の戒律」につづく迫真の第2弾!
(裏表紙より引用)
コメント:悲惨な少女たちの焼死体。謎解き、犯人探しはなかなか興味深かったです。アメリカの抱える様々な状況がかいま見れておもしろいです。
そして、中にもうひとつの、恋愛小説が入っているのが魅力ね。まあちょっと歯がゆい感じもするけど・・・つい2人の行く末がどうなるか気になっちゃうわ。つぎはなんだったかな?たしかミルクがどうとかっていってたよね。探してこよう。

グリーンマイル4

著者:スティーブン・キング新潮文庫
出版:
初版:1997.05.01.
紹介:雷鳴の轟く嵐の夜、賢い鼠の飼い主だった死刑囚ドラクロアの処刑が行われた。その陣頭指揮をとったのは、彼を目の敵にしている残忍な性格の看守パーシー。電気椅子での死刑執行に置いて、ある大切な手順を省くことで、パーシーは身の毛もよだつような醜悪な形で復讐を遂げることになったのだ。恐ろしく忌まわしい処刑の後、ポールは危険きわまりない大勝負を考えついた───。
(裏表紙より引用)
コメント:コーフィの手は、魔法の手なのか?
一度踏みつぶされたはずのミスター・ジングルス。彼の奇跡は・・・
ワクワク・ドキドキ、続きを速く読みたい!

グリーンマイル3

著者:スティーブン・キング新潮文庫
出版:
初版:1997.03.30.
紹介:妊婦ら4人を殺害した兇悪粗暴な男ウォートンは死刑囚舎房にやってくるなり看守主任の一人を殺しかけた。看守主任を務めるポールは、その日持病の尿路感染症が悪化し、激痛に苦しんでいたのだが、なんとか騒ぎを鎮めた。その後、いつもおとなしい大男の死刑囚コーフィが、なぜか懇願するようにポールを独居房内に呼び入れ、下腹部に手を触れてきた。そして次の瞬間、奇跡が起きた・・・・・。
(裏表紙より引用)
コメント:奇跡・・・。コーフィの行動・・・。おぼろげながら、この本の行く先が見えてきた。
彼は、殺人犯じゃないのかもしれない。
しかし、この本が毎月1冊ずつ刊行されるって言うのは、さぞかしじれったかっただろうな。

聖母の深き淵

著者:柴田よしき
出版:角川文庫
初版:1998.03.25.
紹介:一児の母となった村上緑子は下町の所轄書に異動になり、穏やかに刑事生活を続けていた。その彼女の前に、男の体と女の心を持つ美女が現れる。彼女の失踪した親友の捜索を緑子に頼むのだった。
そんな時、緑子は4年前に起きた未解決の乳幼児誘拐事件の話を聞く。そして、所轄の廃工場からは主婦の惨殺死体が・・・・・・。
保母失踪、乳幼児誘拐、主婦惨殺。互いに関連が見えない事件たち、だが、そこには恐るべきひとつの真実が隠されていた・・・・。
ジェンダーと母性の神話に鋭く切り込む新警察小説、第2弾!
(裏表紙より引用)
コメント:村上緑子の刑事姿もかっこいいけど、女性としての生き方や、思いがテーマになっていて読み応えがあります。
先に、「月神の浅き夢」を読んじゃったので、山内練や、麻生との関わりをじっくり読みました。

夏のレプリカ

著者:森博嗣
出版:講談社
初版:1998.01.07.
紹介:那古野市の実家に帰省したT大大学院生の前に現れた仮面の誘拐者。そこには血のつながらない詩人の兄が住んでいた。
誘拐が奇妙な結末を迎えたとき、詩人は外から施錠されていたはずの部屋から消え去っていた。
朦朧とするような夏の日に起きた事件の裏に隠された過去とは!?事件は前作と表裏をなし進展する!
(裏表紙より引用)
コメント:ガーン!途中までは何となく分かったんだけど、結果は・・・見事にはずれちゃった。
犯人も、それからラストのところも、エエッ!?って言う感じだった。
悔しいなぁ・・・
今思うと殺人の動機が今ひとつ分からないのよね。もっとも、森さんのミステリーはいつも動機が常軌を逸してる様な気がするけど・・・もう一回読み返さないと読み落としたかな?
それにしても、犀川先生と萌絵ちゃんの関係は、ようわからん・・・。

えりも岬の母さん医師

著者:鈴木陽子
出版:集英社文庫
初版:1998.06.25.
紹介:子育てが終わったら、何を生きがいにしたらいいだろう・・・。
ある日、辺地で働く老医師の姿をテレビでみて、医者になりたいと思った著者。一念発起、36歳で医学部合格。
42歳で医者に。北海道えりも町の診療所に単身赴任。家族と離れた日、大声で泣き、大阪に住む息子の入院に心痛める著者。
しかし、女赤ひげ先生として孤軍奮闘。女性医師の姿を描く、感動の書。
(裏表紙より引用)
コメント:これはノンフィクションである。辺境医療の苦労の話かと思って読み始めたのだが、それはほんの一部でしかなかった。結婚して、子供を産んでからはじめた医師への勉強。「子育て後の生きがい探し」は、誰でも思うことだが、まず医師をめざそうなんて言う人はいないだろう。まして、夫が応援してくれるなど考えられない。彼女が自分の人生をイキイキと生きている間に、問題なく育っていたはずの子どもに気付かなかった一面が見えてきた。
長男の病気のことは別にしても、母として、子育てに一度も後悔の思いがなかっただろうか?家にいて、子どもを育てていたとしても、怜の人生は同じだったかもしれない・・・でも・・・と、私は思わずにはいられない。彼女の生き方は私にはまねできないし、真似したいとも思わないのだ。