著者:スティーブン・キング
出版:新潮文庫
初版:1997.03.01.
紹介:死刑囚舎房の夏は、インディアン系囚人の処刑でで始まった。
そのころ<グリーン・マイル>には不思議な鼠があらわれた。食べ物をやると神妙な態度で床にちょこんと座って食べ、糸巻きを相手にサーカスさながらの芸当をやる、驚くほど知性的な鼠だった。
6人の人間を生きながら焼き殺した囚人ドラクロアが、この鼠の飼い主となったのだが───
最悪の地獄が今、始まろうとしていた・・・・・・。(裏表紙より引用)
コメント:やっと、語り手の話がおぼろげに見えてきた。
凶悪な死刑囚たちと、看守、刑務所長、そして鼠<ミスタージングルズ>
この刑務所で起こった凶悪な事件とは?<ミスタージングルズ>は何をするのだろうか?
著者:村上春樹
出版:講談社文庫
初版:1983.09.15.
紹介:さよなら、3フリッパーのスペースシップ。さよなら、ジェイズ・バー。双子の姉妹との<僕>の日々。女の温もりに沈む<鼠>の渇き。やがて来るひとつの季節の終わり───
「風の歌を聴け」で爽やかに80年代の文学を拓いた旗手が、ほろ苦い青春を描く3部作のうち、大いなる予感に満ちた待望の第2弾。(裏表紙より引用)
コメント:ウーン懐かしいあの時代がよみがえってくる・・・。
「あなたがピンボールマシーンから得るものは殆ど何もない。数値に置き換えられたプライドだけだ。失うものは実にいっぱいある。歴代大統領の銅像が全部建てられるくらいの銅貨と取り返すことの出来ない貴重な時間だ。」ピンボール研究書「ボーナスライト」の序文より。
だけどその失われた時間こそが、かけがえのない僕の青春に重なる。
たしかこの次に「羊をめぐる冒険」が来るのですよね。以前読んだときはいまいちだったけれどもう一回読んでみたらまた違う印象かもしれないな・・で、その次が「ダンスダンスダンス」ですね。
著者:スティーブン・キング
出版:新潮文庫
初版:1997.02.01.
紹介:時は1932年、舞台はアメリカ南部のコールド・マウンテン刑務所の死刑囚舎房。この刑務所で死刑囚が電気椅子にたどり着くまでにあるく通路は、床が緑のリノリウムであることから、通称<グリーン・マイル>と呼ばれている。
ここで起こった驚くべき出来事とは?そして電気椅子の真の恐ろしさとは?
毎月1冊ずつ全6巻の分冊で刊行され、全米を熱狂させた超ベストセラー待望の第1巻!(裏表紙より引用)
コメント:私、死刑囚の看守。双子の少女を強姦して殺害したジョン・コーフィ。コネで看守になったパーシー。刑務所に出没する鼠・・・
最初は訳の分からない導入部。ここに後々の事件に関わる様々な伏線が隠されているというのだが・・・。とりあえず、続きを読んでみないことには何も語れない。
著者:村上春樹
出版:講談社文庫
初版:1982.07.15.
紹介:1970年の夏、海辺の町に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。
二人それぞれの愛の屈託をさりげなく受け止めてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎ去っていく。
青春の1片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。(裏表紙より引用)
コメント:「でもね、よく考えてみろよ。条件はみんなと同じなんだ。故障した飛行機に乗り合わせたみたいにさ。もちろん運の強いのもいりゃ運の悪いものもいる。タフなのもいりゃ弱いのもいる、金持ちもいりゃ貧乏人もいる。だけどね、人並みはずれた強さを持ったやつなんて誰もいないんだ。みんな同じさ。なにかを持っているやつはいつか失くすんじゃないかとビクついているし、なにも持ってないやつは永遠になにも持てないんじゃないかと心配してる。みんな同じさ。だから早くそれに気付いた人間がほんの少しでも強くなろうって努力するべきなんだ。振りをするだけでもいい。そうだろ?強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りをする人間だけが居るだけさ。」
ウーン、ここが、この本の中で一番心に残った部分ですね。
著者:高橋克彦
出版:講談社
初版:1999.10.27.
紹介:朝廷から「人にあらず、獣」と扱われる蝦夷。
この理不尽な扱いに立ち向かう若き将「阿弖流夷」。彼のもとに、陸奥各地から力を持つもの達が集まり、蝦夷の心を守るために立ち上がる。戦いに勝ちながらも果てしなく続く戦。蝦夷の民を救う手立てはあるのか?
阿弖流夷と朝廷の軍を率いる坂上田村麻呂との駆け引きもおもしろい。
コメント:歴史的事実には疎いので坂上田村麻呂という人物がどういう人だったのかはわかりません。しかし、戦いの描写、戦士達の個々の様子。そして勝ちつづける戦さの中で求める「蝦夷の民の和平」。阿弖流夷の平和を希求する思いが私の心を深くとらえた。
終盤近くでは、涙が止まらずタオルとティッシュが離せませんでした。
著者:加納朋子
出版:集英社
初版:1998.09.30.
紹介:私鉄電車に乗り合わせた男。彼のネクタイは5本。月曜日は水玉模様。
ひょんな事で知り合った男と、またどこかですれ違う。月曜日から日曜日までのお話が詰まった。ちょっと魅力的なミステリー。
篠田節子の「女たちのジハード」とはまたひと味違った、OLのお話です。
コメント:ひとつひとつのエピソードが少しずつどこかにつながっていて、面白いですねぇ。
こういうちょっとした謎解きは好きだなぁ。
また加納さんの作品は読んでみようっと!
著者:篠田節子
出版:集英社
初版:1997.01.30.
紹介:30代のOL・康子。四大出、入社2年目の沙織。24になるリサ。20歳の紀子。4人のOL達が、それぞれの生き方に迷いながらくらしている。結婚が女のゴールなのか?様々な期待と、憧れと、打算と、下心。1人で強く生きていくのか?幸せっていたいなんだろう?4人のOL達の奮闘ぶりが何とも言えない。
コメント:最初はお気楽なOLのお話かと思ったんだけど、4人の女性がそれぞれの立場で奮闘する悲喜こもごもの話です。でもだんだん、いい感じになってきました。
その年代に生きていたら、やっぱり引き込まれてしまう本だろうなぁ。OLだったころのことをちょっと思い出してしまいます。
著者:乙武洋匡 絵:沢田としき
出版:中央法規出版
初版:2000.03.18.
紹介:ユウタ小学校6年生。手も足もほとんどなくて、車椅子の生活。だけど、ぼくはいつも友達といっしょにやってきたんだ。
だけど、ぼくにも出来ないことがある。サッカーは出来ても、バスケットは出来ない。
そこでぼくは審判をやることになった。だけど・・・・本当はみんなといっしょにバスケットがやりたかったんだ。
クラス対抗の駅伝大会がやってきた。全員参加でみんなで勝ちたい・・・
そんな時、ユウタは?友達は?
この本の主人公はユウタではなくて、ユウタのまわりにいる人たちです。
コメント:小学校の低学年でも読めるようにわかりやすく、音武さんのメッセージがつづられています。彼の本を読むと、私の意識はまだまだだなぁ・・・と反省させられます。
著者:スティーブン・キング
出版:新潮文庫
初版:1987.03.25.
紹介:行方不明だった少年の事故死体が、森の奥にあるとの情報をつかんだ4人の少年たちは、「死体探し」のたびにでた。その苦難と恐怖に満ちた2日間を通して、誰もが経験する少年期の特異な友情、それへの決別の姿を感動的に描く表題作は、成人して作家になった仲間の一人が書くという形を取った著者の半自伝的な作品である。
他に、英国の奇譚クラブの雰囲気をよく写した一編を収録。(裏表紙より引用)
コメント:アメリカの時代背景・少年期の心など、とても魅力的で、どんどん引き込まれてしまいました。あの途中でコインを投げた結果が、その後の人生を暗示していたなんて・・・
けっこう読みやすかったので今度はホラーに挑戦してみようかな?
著者:加納朋子
出版:創元クライム・クラブ
初版:1995.07.25.
紹介:・大学のアートクラブで、仕上げた絵が、何者かによって傷つけられた。その裏に隠されたものは?
・彼女の名前は・・・
・自転車泥棒の本当の理由。
・彼女が部屋から突然消えたわけ
・女は、なぜ指輪を盗んだか。
何気ないお話しの中に紛れ込んだ小さな秘密。
コメント:小さなお話が少しずつつながって、小さな謎解きがとても魅力的な本でした。
加納朋子さんの作風は、けっこう気に入っています。人の気持ちが大事にされているところがいいのかな?