著者:宮部みゆき
出版:角川文庫
初版:2002.05.25.
紹介:母さんと父さんは今年で結婚15年目、僕は中学一年生でサッカー部員。そんなごく普通の平和な我が家に、ある日突然、暗雲がたちこめた。“放浪の相場師”と呼ばれた人物が母さんに5億円もの財産を遺贈したのだ。お隣さんや同級生は態度が変わり、見ず知らずのおかしな人たちからは脅迫電話があり、おまけに母さんの過去を疑う父さんは家出をし・・・。相場師は何故うちの母さんに大金を残したのか?
壊れかけた家族の絆を取り戻すため、僕は親友で将棋部のエースの島崎と真相究明の調査に乗り出した!(裏表紙より引用)
コメント:ある日突然5億円の遺産相続が舞い込んだら!?
まあ、そんなことはお話のなかでしかあり得ないわけだし・・・
しかしこの騒動の結果、手元に残ったのが利息だけだなんて・・このご時世いくらにもならないよなぁ。あ!そういう次元の話じゃなかったんだっけ(^-^;
著者:夢枕獏
出版:文春文庫
初版:2000.11.10.
紹介:丑の刻、貴船神社に夜毎現れる白装束の女が鬼となって、自分を捨てた男を取り殺そうとする。そんな男の窮地を救うため、安倍晴明と源博雅が目にしたものは?女の悲しい性を描いた「鉄輪」他、全7篇。百鬼夜行の平安時代。魍魎立ち居立ち向かう若き晴明と博雅の胸すく活躍、魅惑の伝奇ロマンシリーズ第三弾。(裏表紙より引用)
コメント:迷神:仲のよかった夫婦、たとえ死んでももう一度会いたいと思うあまり、死者を呼び寄せてしまうと・・
ものや思うと・・・:内裏歌合の最終戦で戦った2首、敗れた「恋すてふ・・」の壬生忠見が、死んで鬼となったその背景にあるものは・・・
血吸い女房:日照り続きの夏。雨乞いのために経を投げ込んだり女房を池に飛び込ませたり・・・。果たして、陰陽師は雨を降らせることができるのか?
なかなか面白い話が並ぶ。晴明と博雅のかけあいが魅力的だ。
著者:乃南アサ
出版:双葉文庫
初版:1996.09.15.
紹介:この小説を書いている間にも、世間では実に様々な事件が起きた。そして、その都度、容疑者については様々な記事が出た。被害者は、遺族は、常に置いてけぼりを食らうのである。運命を狂わされ、心に癒しようのない傷を負った人たちを救う手だては、現在のところ皆無といって良いと思う。(乃南アサ)(裏表紙より引用)
コメント:母が殺されたことで、家族がどう変わったか?殺人者の家族が追い込まれていく様子。
マスコミと、警察と、裁判と・・・犯人に対する恨み?ただ母親に帰ってきて欲しいと思う気持ち。他者とのかかわりの拒絶。狂わされたそれぞれの人生。いつ誰が、そんな境遇に陥らないと断言できるだろう?心の傷は深い。
著者:池田理代子
出版:中公文庫コミック版
初版:1995.06.18.
紹介:ベルバラの脇のエピソード
コメント:これはこれで、まあその時代や歴史が反映されていて、興味深い。
著者:池田理代子
出版:集英社文庫
初版:1994.12.05.
紹介:懐かしのベルバラである。
コメント:娘が読んでいるので、すごく懐かしくて手に取ってみた。
世界史が苦手だった私は、「オスカルとアンドレ」はともかくとして、歴史もこういう話になれば興味が沸くのにと、ひそかに思ったものです。
著者:養老孟司
出版:新潮新書
初版:2003.04.10.
紹介:自分自身は変わらないものではなくて、常に変化しているもの。そして変化していると思われる情報は、実はひとつひとつの情報は不変なのだ。自分自身の殻あるいは止まった視点からしか物事を見ないと、その向こうに見えるはずのものも、見なくなってしまう。それが「バカの壁」というものらしい。
コメント:ベストセラーだという、タイトルも気になる、やっぱり読んでみたいと思う。いったい何が書いてあるのか?値段も手頃だし・・・それでみんなが買うから、ますますベストセラーが続くというわけだ。だけど、天の邪鬼な私は、ベストセラーと聞くと手が伸びないのである。「しまった!」と後悔することが多いから。
なので、人に借りて読みました。最初3分の1は「何を言いたいんだ?」と感じるところもあったが、後半はなかなか面白く読みました。1度では今一つつかみきれないところもあるので、再読してみると納得できるところもある。まあもともと論文でも書き下ろしでもなく、口述筆記であると言うから、まとまった文章ではないわけで、読む方もそのつもりで読まないと、結構行ったり来たりさせられてしまう。
でも、医学博士という視点、脳の働きなど、なかなか興味深いことがあっておもしろかった。
著者:夢枕獏
出版:文春文庫
初版:1998.11.10.
紹介:「童子のあやかしが出没し、悪さを働いているようだな、博雅」「よし、では行くか晴明よ」。我らが都を魔物から守れ。百鬼が群れる平安の闇の果て、幻術、風水術、占星術、を駆使し、難敵に立ち向かう希代の陰陽師・安倍晴明、笛の名手・源博雅。名コンビの活躍、すがすがしくて、いと、おかし。(裏表紙より引用)
コメント:天邪鬼:樹齢1000年の大きな檜が倒された。その切り株のあたりに少年の姿をした鬼がでるという。
下衆法師:人の欲は深い。人が仏になるというのは幻だ。だが、その幻によって仏教は支えられ人は救われるのだ。奇怪の下術のとりこになった絵師は・・・
陀羅尼仙:仏の道を修行していた僧が、仙の道を求める。しかし懐かしい尊勝陀羅尼にひかれて下界に降りてみると・・・結局、仏にも仙にもなれず人となる。
鬼小町:この晴明にして、救えぬものが・・・
鬼もあやかしも、けっきょく人の心に棲んでいるものが形を変えたもの。
博雅はよい漢よ・・・。後半の2編は博雅の人となりが良く描かれていて、興味深い。
著者:乃南アサ
出版:双葉文庫
初版:1996.09.15.
紹介:犯罪被害者に限定して言えば、事件の加害者となった人間以外は全て、被害者になてしまうのではないかと、私はそんなふうに考えている。そして、その爆風とも言える影響が、果たしてどこまで広がるものか、どのように人の人生を狂わすものかを考えたかった。(乃南アサ)
保護者会に出かけた母親が、その日帰ってこなかった。長女の暴力、父親の不倫・・・そして殺された母親。暴かれるプライバシー・・・(裏表紙より引用)
コメント:読み始めて思わず考えてしまった。私が予定外に夜遅くなっても帰ってこなかったら?家族はどうするだろう?「
著者:夢枕獏
出版:文春文庫
初版:1991.02.10.
紹介:平安時代。闇が闇として残り、人も、鬼も、もののけも、同じ都の暗がりの中に、時には同じ屋根の下に、息をひそめて一緒に住んでいた。安倍晴明は従四位下、大内裏の陰陽寮に属する陰陽師。死霊や生霊、鬼などの妖かしのものを相手に、親友の源博雅と力を合わせこの世ならぬ不可思議な難事件にいどみ、鮮やかに解決する。(裏表紙より引用)
コメント:・玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること:
・梔子の女:口がない女・・・写経をみると
・黒川主:孫娘が池の鯉を丸飲みする・・・
・蟇:応天門にあやかしがでた・・・
・鬼のみちゆき:かけたるはうしとこそ思へ たまさかに車は何の心をかやる(桔梗)
・白比丘尼:齢230歳。30年に一度はその身にひそむ鬼を殺さなければならない。
陰陽師シリーズの幕開け。陰陽師たるものが何か?その時代背景がわかった。
著者:柴田よしき
出版:角川書店
初版:2003.03.30.
紹介:単なる事務のOLじゃなくて、本当に、自分でなければできないと思えるやりがいのある仕事なんて・・・・あるんだろうか?不倫の末会社を退職させられた、茉莉緒の前に現れた「海」。撮影現場でエキストラが死んだ。狙われたのは誰?思いがけなくも、芸能マネージメントの世界に足を踏み込んだ茉莉緒が遭遇する様々な人間。果たして茉莉緒がその手でつかむのは・・・
コメント:コバルト文庫の芸能ものラブストーリーなら、ハッピーエンドになるところだが・・、やっぱりそうはいかないらしい。柴田よしきの世界があちこちに垣間見えて、なかなか楽しめる。