著者:松森果林
出版:筑摩書房
初版:2003.10.10.
紹介:ある朝起きたら、音がなくなっていた・・・
十代での失聴、手話との出会い、聞こえない母親としての育児。
かけがえのない〈音〉の記憶と〈伝え合う〉ことの喜びを瑞々しく綴った処女エッセイ。目次/音が、消えた/手話の世界/聞こえない母親/泣き声が聞こえない/「ママ電車!」/ユニバーサルデザイン/他
コメント:自分の耳が聞こえなくなっていることに気付いたら・・・子ども心に沸き上がる不安。
突きつけられる現実・・・。心を閉ざしてしまいそうな現実を乗り越えて、手話や人と出会うことで、自分の世界をどんどん開いていった作者のパワーに圧倒される。
母親となり、子供とともに成長しながら、この人でなければ出来ない仕事もこなしていく。前向きに生きていく姿勢に力をもらえる気がする。
著者:森博嗣
出版:講談社
初版:2004.01.08.
紹介:手がかりは孤島の研究所の事件ですでに提示されていた!大学院生となった西之園萌絵と、彼女の指導教官、犀川創平は、真賀田四季博士が残したメッセージをついに読み解き、未だ姿を消したままの四季の真意を探ろうとする。彼らが辿り着いた天才の真実とは?『すべてがFになる』の真の動機を語る衝撃作!(裏表紙より引用)
コメント:犀川シリーズと、瀬在丸シリーズがいよいよ合体!?犀川先生って・・・!
いったいいつが現在で、過去なのか?
登場人物の相関関係と、年表をつくらないと・・どこかにないかしら?
それにしても、真賀田博士の死んでしまった娘の細胞はどうなっているのか?
そして、四季の存在は?
萌絵ちゃんと、紅子さんの対話が、なかなか興味深かったです。
その人が「扇風機」なのか?それとも「太陽」なのか?それは自分の認識。
著者:森 博嗣
出版:講談社
初版:2000.09.05.
紹介:航空ショーでアクロバット演技中のパイロットが撃たれ、死んだ。航空機は二人乗り。パイロットが座っていたのは後部座席。しかし、撃たれたのは背中から。犯人は一緒に登場していた女性記者なのか?衆人環視の中、成立した空中の完全密室。シリーズ最高何度の謎を、没落した名家の令嬢・瀬在丸紅子が解き明かす。(裏表紙より引用)
コメント:でた!「エンジェル・マヌーバ」これが「ねじれ屋敷の利潤」に出てくる魔剣の出所だったのだ。やっぱり、シリーズは順番に読まないと・・・
今回も、小さな謎がいっぱい。「暗号に隠された、名前はどこに?」「消化器でどうやってざる蕎麦をつくるのか?」「紫子さんの部屋を密室にしたカギの動きって?」
小さな謎に翻弄されてしまうと、大きな謎を見失ってしまう・・・。
著者:森博嗣
出版:講談社
初版:2003.11.05.
紹介:米国から帰国した真賀田四季は13歳。すでに、人類のなかで最も神に近い、真の天才として世に知られていた。叔父、新藤清二と行った閉園間近の遊園地で、四季は何者かに誘拐される。瀬在丸紅子との再開。妃真加島の研究所で何が起こったのか?「すべてがFになる」で触れられなかった真相が今、明らかになる!(裏表紙より引用)
コメント:
著者:森博嗣
出版:講談社
初版:2003.09.05.
紹介:『すべてがFになる』の天才科学者、真賀田四季の少女時代。叔父、新藤清二の病院で密室殺人が起こる。唯一の目撃者は透明人間だった!?すべてを一瞬にして理解し、把握し、思考する才能に群がる多くの人々。それを遥かに越えて、四季は駆け抜けていく。其志雄は孤独な天才を守ることができるのか!?(裏表紙より引用)
コメント:四季と常に一緒にいる栗本其志雄・・・同じ名前を持つ真賀田其志雄・・・誰からも見えない透明人間の僕・・・乖離した意識。閉じこめられた記憶。
四季と瀬在丸紅子、西之園萌絵との、最初の接点がここにある。
これからの「夏」以降がどうなるのか楽しみだ。
著者:石黒謙吾 写真:秋元良平
出版:文藝春秋
初版:2001.04.10.
紹介:ラブラドール・レトリーバー。盲導犬の血統を持たない仔犬が、その性格を見込まれて盲導犬となる訓練を受ける。誕生・可愛い仔犬の頃・訓練を受け盲導犬になる・その後引退して息を引き取るその時までを、追い続けたカメラ・・・
クイールを追い続けた写真家秋元良平さんの写真に引きつけられる。
コメント:本にしてしまえば、アッという間に読み終えてしまう。これが映画になったら、きっと涙を誘うだろう。
私はペットと暮らしたことがほとんどないのだが、クイールの最期の写真が心に焼き付いている。
盲導犬として生きたクイールの生涯は人間にとっては感動ものだが、クイールにとってはどうなんだろう?これだけ人と交わって、人のために尽くす事って、犬にとっても幸せなんだろうか?自由気ままに人間と暮らし愛情を受けるペットとしての一生と、どっちが幸せなのかな?
著者:森博嗣
出版:講談社
初版:2000.05.05.
紹介:「夢の中の女に、殺される」──N放送のプロデューサは、20年以上前に死んだ恋人の夢に怯えていた。彼の番組に出場する小鳥遊練無たちの前で事件は起きる。銃声は一発、ところが密室の中の死体には傷が二つ?随所に挿入される犯人の独白は、読者を混迷の渦に巻き込む。そして明かされる、あまりにも意外な犯人!!(裏表紙より引用)
コメント:あー、参りました。やっぱり、事件の鍵は一番最初にあったんだ。
しかし、探偵・タクシーの運転手と聞いて、男性をイメージしてしまう、この固定観念がダメなんだなぁ。またやられてしまいました。
著者:森博嗣
出版:講談社
初版:1999.09.05.
紹介:避暑地に建つ施設博物館「人形の家」。そこに常設されているステージで、衆人環視の中「乙女文楽」の演者が謎の死を遂げた!被害者の一族では、二年前にも、新婚の青年が殺されていた。悪魔崇拝者だった彼は、「神の白い手」に殺されたのだと、若き未亡人は語るのだが!?ラストの1行で、読者を襲う衝撃の真実!(裏表紙より引用)
コメント:毎日細切れに読んでいたせいで、どうも本にのめり込めなかった。やっぱり一気に読まないと楽しめない。今回も、やっぱり最初の部分が重要になってる。
さーて、もういちど読み直さなくちゃ。
と、読み直してみたのだが・・・ラストの1行で、ますます謎が深まってしまった。
トリックとか、状況はわかるんですけどねぇ。
著者:金原ひとみ
出版:集英社
初版:2004.01.10.
紹介:舌の先を2つにわける・・・スプリットタン。麒麟の入れ墨。
自分の体を改造する事によって、この世の中で生きていこうとする、生きにくい少女。
コメント:私が今この時代に、同じ年代だったとしたら、この少女に感情移入をすることが出来ただろうか?それほどに、生きにくい時代だろうか?同年代の子を持つ親としても、今こうして、生きてゆくことにもがいている子どもたちが、いるという現実を思い浮かべても、ちょっとなぁ・・・。世間を今を知らない、お気楽な大人なんだろうか?
著者:NHKプロジェクトX制作班編
出版:NHK出版
初版:2003.01.25.
紹介:「救命救急 ER誕生~日本初 衝撃の最前線」
「料理人たち 炎の東京オリンピック」
「運命の最終テスト~ワープロ・日本語に挑んだ若者達」
「赤いメロン 北の大地の20年戦争」
「革命トイレ 市場を制す」
「勝負の警備システム 作動せよ」
コメント:私がまだ学生だった頃、英文タイプライターを使っていました。
就職した会社には、「タイプ室」があって、文書はみんなそこで作られていました。
いつだったでしょうか?我が家にワープロ・東芝ルポがやってきたのは?
打ち込んだ言葉が漢字に変換されて文章となってでてくる。そして印刷できる・・・
自分で字をつくることもできる・・・なんだか自分がなんでも出来るような気分になってとても嬉しかった。
今はPCがあるしその便利さに慣れてしまったけど、その開発の様子を知ると、ワープロってスゴイ物だったんだ。と改めて感心させられた。
今では当たり前のように、身のまわりにある様々な物が、本当に近年、私の知らないところで多くの人達の研究によってもたらされた大きな恵みであることを、ぜひ心に留めたいと思う。