著者:村上春樹
出版:新潮社
初版:2002.09.10.
紹介:猫の言葉を話せるナカタさんの周りには、不思議なことが立て続けにおきる。そのナカタさんに惹かれて一緒に旅を続ける星野さん。
家出の理由は父の呪縛から逃れること。図書館の一部になったカフカと、まだ会ったこともないナカタさんとの関連は?
コメント:
著者:村上春樹
出版:新潮社
初版:2002.09.10.
紹介:15歳の誕生日に、僕は家出をする。それより前では早すぎるし、それよりあとになると、多分手遅れになる。僕が向かうべき場所は、多分四国高松・・・そこしかない。
世の中の様々な理。自分を見失わないためにすべきことは?運命は砂嵐に似ている、その砂嵐を抜け出した後、君はもう以前の君ではない。カラス
コメント:少年の家出と、1946年に起きた失神事件との関連性がまったく予測できなかった。
このまったく関係性のないふたつの出来事が、これからどうかかわっていくのか?
それがとても興味深かった。
著者:東野圭吾
出版:毎日新聞社
初版:2003.03.01.
紹介:二人きりの兄弟。両親をなくした兄が弟の学費捻出のために犯してしまった強盗殺人。
服役中の兄からの手紙と、殺人犯の身内として、人生を振り回される弟。
罪の償い。被害者の家族と加害者の家族。世間からの差別・・・。
自分自身と新しい家族を守るためにはどうすればいいのか。
コメント:悲しい・悔しい・怒り・恐れ・挫折・諦め・・・
読んでいて心に浮かぶのはどんな言葉がぴったり来るだろう?
憤り・・・かな?虚しいかな?どんなに努力をしても足元から崩されてしまう。
絶望的な気分です。それでも、切れないのが肉親なのかな・・・。切ないな。
著者:京極夏彦
出版:角川文庫
初版:2003.06.25.
紹介:怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議なものたちと出会う。
御行姿の男、垢抜けた女、初老の商人、そして、なにやら顔色の悪い僧───。長雨の一夜を、江戸で流行の百物語で明かすことになったのだが・・・。
闇に葬られる事件の決着を金で請け負う御行一味。その裏世界に、百介は足を踏み入れてゆく。小豆洗い、舞首、柳女───彼らが操るあやかしの姿は、人間の深き業への裁きか、弔いか───。
世の理と、人の情けがやるせない、物語の奇術師が放つ、妖怪時代小説、シリーズ第一弾!(裏表紙より引用)
「小豆洗い」「白蔵主」「舞首」「柴右衛門狸」「塩の長者」「柳女」「帷子辻」
コメント:「後巷説百物語」を読んだので、こちらを読みたくなりました。
感想は、「百介さんが若い!!」
著者:村山由佳
出版:集英社
初版:2003.05.30.
紹介:カレンが忘れていった本を見つけた僕は、言い知れぬ不安に襲われた。
「あいつは何をしようとしているんだろう?」
ただ話したいだけなのに、それすらうまくいかない・・・。
そんな時、僕はついにカレンの兄「風見鶏」のマスターを怒らせてしまった。
コメント:このシリーズ、どのくらい続くんだろう?と心配になります。
勝利はすこしづつ成長していく様子が見えるのだけど、色々大変で思わず、「ショーリ。ガンバレ!」なんて、心の中で声援の送ってみたりして。
今後ちょっと気になるのは、ネアンデルタール人の先輩ですね~。
著者:天童荒太
出版:新潮文庫
初版:2004.02.01.
紹介:高校教師・巣藤浚介は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。
馬見原光毅刑事は、ある母子との旅の終わりに、心の疼きを抱いた。
児童心理に関わる氷崎遊子は、虐待される女児に胸を痛めていた。
女子高校生による傷害事件が運命の出会いを生み、悲劇の奥底につづく長き階段が姿を現す。山本賞受賞作の構想をもとに、歳月をかけて書き下ろされた入魂の巨編が、いま幕を開ける。(裏表紙より引用)
コメント:何年か前に「家族狩りを読んだ」家族や家庭の崩壊がその子供に影響する力を思うと、
とても怖かったのを覚えている。
今回、また新に書き下ろしとなっているが、大筋ではストーリーが変わらないんだろ
うか?いろんな意味で、また次の作品が気になる。
著者:小川洋子
出版:文春文庫
初版:1994.02.10.
紹介:出産を控えた姉に毒薬の染まったジャムを食べさせる妹・・・妊娠をきっかけとした心理と生理のゆらぎを描く芥川賞受賞作「妊娠カレンダー」。
謎に包まれた寂しい学生寮の物語「ドミトリィ」
小学校の給食室に見せられた男の告白「夕暮れの給食室と雨のプール」。
透きとおった悪夢のようにあざやかな三篇の小説。(裏表紙より引用)
コメント:こわい・・・。予想していたのと全く違った雰囲気なので、恐ろしかった。
なんだか、自分がきわめて健全な人間のように思えてくる。
著者:森博嗣
出版:講談社
初版:2004.03.05.
紹介:天才科学者真賀田四季の孤独。両親殺害、妃真加島の事件、失踪、そしてその後の奇跡。
彼女から見れば、止まっているに等しい人間の時間。
誰にも理解されることなく、誰の理解を求めることもなく生きてきた、超絶した孤高の存在。
彼女の心の奥底に潜んでいたものは何か・・・?
「四季」4部作ついに完結!!(裏表紙より引用)
コメント:フーム、難しい。
著者:江國香織
出版:新潮社
初版:2003.11.20.
紹介:前進、もしくは前進のように思われるもの:夫は母の飼っていた猫を捨ててしまった。
じゃこじゃこのビスケット:でたらめばかり信じる17歳だったこと
熱帯夜:男も女も、犬も子どももいる世の中の片隅で・・・
煙草配りガール:
溝:「悪いけど、私あなたの妹が嫌いよ」
こまつま:暇でも孤独でもない主婦である美代子は、デパートに出かけ、買い物をし
てタクシーで帰る。
洋一も来られればよかったのにね:夫の母との温泉旅行。浮気の相手はフランス人。
私は独身女のように自由で、既婚女のように孤独だ。
住宅地:ある住宅地に、下校の中学生を眺める男がいて、浮気の夫を取り戻すそうと
する女がいて、犬の散歩をさせる男がいて・・・
どこでもない場所:昔の旅先の恋といくつもの物語に、乾杯
手:「予期せぬ事にわずらわされちゃったわよ」
号泣する準備はできていた:木がなくて、青い電飾だけのクリスマスツリーを買う夢
を見た、
そこなう:「離婚して、やっと一緒になれる」けれど、それはもう決して元には戻ら
ない。
いろんな人の、いろんな記憶。悲しんでも、失っても、生活は続いていく。
コメント:直木賞受賞作品というので、ちょっと楽しみにしていたのですが、今の私には、ちょっとなぁ・・・。でした。
著者:島本理生
出版:講談社
初版:2003.01.31.
紹介:母と父親の違う幼い妹ユウちゃんと3人でくらすふみ。大学受験は棚上げにして取りあえず人と関わりの少ないバイトをさがす。
会いに来なくなった父親への思い。キックボクシングをする一つ年下の周と過ごす、ひとときの平穏。
怖くなったとき。逃げ出したくなったとき。目をつぶってひとりで耐えていないで・・・
口に出さなければ、誰にも伝わらない。
コメント:なんだろう?かなり、幸せな人生・・・とは思えないんだけど、でもプチ幸せな気分なのかな。
素直になれる・・・そんな人がそばにいてくれれば、人生、なかなか捨てたものでもない。うん、悪くないな。