フォレスト・ガンプ

著者:ウィンストン・グルーム
出版:講談社
初版:1994.12.12.
紹介:IQ70でも、それだけでははかりきれない才能。
・フットボールの花形プレイヤー・ベトナム戦争のヒーローとして勲章を授与され・ある時は卓球チームのメンバーとして中国に遠征し・その後は実業家としても成功する。
だけど・・・フォレストにとって大切なことは
・大好きなジェニーの姿を見失わないこと・母さんの涙を止めること・そして友達を信じること。
いろんなことがあったけど、フォレストは幸せなんだな
コメント:映画が有名で、タイトルだけは知っていました。実はコメディなのかと思っていましたが、本当はそうじゃなかったんですね。ベトナム戦争の時代。反戦・ヒッピー・・・
私が子供の頃、70年代のアメリカにおいて、本当に大切で、幸せなことがなんなのか、フォレストが教えてくれる。

ささら さや

著者:加納朋子
出版:幻冬舎
初版:2001.10.10.
紹介:どうってことのない平凡な1日になるはずだったあの日
さやと、生まれて間もないユウ坊を残して俺は死んでしまったらしい。
だけど、俺はさやとユウ坊のことが心配で心配でたまらない・・・
寂しいけど、ちょっと不思議な心あたたまるお話。
コメント:こんな風に、あっけなく死んでしまったら、やっぱり誰かの体を借りてでも、そばにいて欲しいと願うだろうな。人の心にはそんな力があるような気がする。

淑女の休日

著者:柴田よしき
出版:実業之日本社
初版:2001.05.25.
紹介:シティホテルでリゾート気分を味わう女たち。
ホテルに住む女・そのホテルに出没するという幽霊のウワサ・・・
その真相は?
コメント:ホテルという場所は、ある種「非日常」を手に入れる場所らしい。
ホテルでは、お客様であるいはお姫さま気分になれたり・・・私も、優雅な独身だったらそんな非日常に時には浸ってみたい気分になる。あぁ・・・でも現実に戻ったときが、寂しいかもしれないなぁ。

著者:石原慎太郎
出版:幻冬舎
初版:1996.07.24.
紹介:弟、石原裕次郎への追憶。
コメント:兄弟であることは知っていたが、私が知っている裕次郎はもう既におじさまだった。
今は都知事としての「顔」時々とんでもない発言が飛び出す「口」・・・我が道を行く慎太郎のイメージだが、少年期、青年期の兄弟の様子を垣間見ると、また印象が変わってくる。小説家の兄と、俳優の弟がお互いを支え合っていた・・・・イヤ、弟はまだ慎太郎の中に生きているのかもしれない。

水に眠る

著者:北村薫
出版:文藝春秋
初版:1994.10.15.
紹介:恋愛小説・水に眠る・植物採集・くらげ・かとりせんこうはなび・矢が三つ・はるか・弟・ものがたり・かすかに痛い
ちょっと不思議な短編集
コメント:「矢が三つ」男と女の生まれる比率が2:1。だから二夫一婦生になるのは当たり前・・・そんな世の中だったら?これはちょっとおもしろい。

蒼龍

著者:山本一力
出版:文藝春秋
初版:2002.04.15.
紹介:「あかね雲」で直木賞受賞前の作品集
「のぼりうなぎ」指物職人だった弥助が呉服大店の手代に招かれた。型にはまった商売に新風を吹き込むことができるのか?
「節分かれ」灘の酒一本で商売を続ける。そのこだわりの理由は?うまい酒を安く売る。
「菜の花かんざし」身内の責任をとって腹を切ろうとする父親と、子どもを守ろうとする母親。
「長い串」大井川の川止めで行われた島田宿での相撲。藩のピンチを救ってくれたのは・・
「蒼龍」借金におわれる貧乏生活。茶碗の絵付けの図案に毎年応募するが、良いところで落ちてしまう。今年こそ!
コメント:時代は、江戸時代に置かれているが、そこには現代の世相や経済が良く映されている。
表題となった「蒼龍」は筆者の文学賞を心待ちにしている立場が重ねて描かれていて、思わず笑ってしまった。

“It”と呼ばれた子(少年期)

著者:デイヴ・ペルザー
出版:ソニーマガジンズ
初版:2003.02.20.
紹介:「ぼくには、どこにも居場所がない」──すさまじい虐待から逃れ、
ようやく子どもらしくのびのび暮らせると思えた里子としての暮らし。
しかし、そこでも数々の試練が彼を待ち受けていた。
母親から離れてもなお恐怖にさいなまれ、それでも母親に愛されたいという
思いに心を揺さぶられる日々。学校や少年院でのつらい出来事や世間の偏見の目にさらされながら、それでも希望をすてずに自分の生き方を探し続ける。
カリフォルニア州史上最悪といわれた児童虐待の体験者が自ら明かす、少年期の記録。
コメント:どうして自分の子どもに、こんな仕打ちが出来るのか、分からない。
そして、それ以上に切り離すことの出来ない、親子関係・・・
日本でも児童虐待のニュースを目にすることが多くなってきて、被害に合う子供が増えてくるのかと思うと、心が痛む。

イミテーション・ゴールド

著者:林真理子
出版:角川文庫
初版:1992.03.25.
紹介:ブティック勤めの福美は、プロのレーサーを目指す恋人邦彦のためになんとしても1000万円を工面したい。
 トラの子の70万円を株投資、高級化粧品のネズミ講販売等々とその手段はエスカレートし、ついに若い自分の「体」をも商品にしてしまう。
 ふたりの大きな「夢」をかけて思いつめた献身が、ふたりの愛と信頼を崩してゆくのだった───。
 若さ、金、権力がちょっとした仕掛けで簡単に手を結ぶ「現代」の様相と仕組みを映し出した、出色の恋愛長編小説。(表紙扉より引用)
コメント:一生懸命なのに、なんだか安易だなぁ・・・読んでいてちょっとため息です。

ミスキャスト

著者:林真理子
出版:講談社
初版:2000.11.15.
紹介:名門商社に勤め、家庭的な妻と子供を捨てて、バリバリと仕事をこなす若い美人の妻と再婚。しかし幸せは長く続かない。
妻への不倫疑惑・自分の不倫の正統化・なんでも自分に都合よく考える・・・
そんなにうまくいくか?ラストでアリ地獄に落ちるアリのように、絡め取られていく様子はなかなか小気味よい
コメント:読んでいるうちに、この男のバカさ加減に気分が悪くなるわ。もちろんそれがこの本の意図するところでしょうけど、願わくば、こんな男に出会うことのないように!

風精の棲む場所

著者:柴田よしき
出版:原書房
初版:2001.08.07.
紹介:浅間寺竜之介はサスケとともに、京都北山をさらに分け入った“地図にない村”へやってきた。村で行われる奉納の舞をぜひ見て欲しいということだった。
舞手はすべて若い女性で、祭の前日に、近親を集めて最後の稽古舞が披露された。
悲劇は舞の終幕とともに始まった。舞手のひとりが、衆人環視の下、しかもわずかな時間の隙に、刃物で胸を一突きにされて殺されたのだ。「どう考えても犯人がいないんです。」竜之介はやがて、ある可能性に気付くが・・・。
美しくも切ない痛み、「消えた乙女の伝説」、そしてゼルフィスの棲む場所とは・・・。狂おしいほどの哀惜を封じ込めた本格長編ミステリ。(表紙扉より引用)
コメント: