むかし・あけぼの 上下

著者:田辺聖子
出版:角川文庫
初版:1986.06.25.
紹介:美しいばかりでなく朗らかで怜悧、しかも文学的才能もゆたか、という類まれな女主人・定子中宮に仕えての宮中ぐらしは、今まで家にひきこもり、乾き喘いでいた清少納言の心を一気に潤して余りあった。男も女も、粋も無粋も、典雅も俗悪も、そこにはすべてのものがあった。
「心ときめきするもの」など、小さな身のまわりの品、事象をとらえて書きつけた「枕草子」。そこには、共に過ごし、話に興じた、細やかな情趣を解してくれた中宮への憧憬と敬慕、中宮を取り巻く華やかな後宮の色と匂いと笑い声を、千年の後まで伝えたいと願う清少納言の夢が息づいている───。
平安の才女・清少納言のつづった随想を、千年を経て、今清少納言・田辺聖子が物語る、愛の大長編小説。(表紙扉より引用)
コメント:これは「枕草子」の現代口語訳ではない。小説です。
作者の清少納言を主人公に、その時代の背景・後宮・貴族文化のひとこまを垣間見ることが出来てとても面白い。清少納言がどんな感性の持ち主だったのか?周囲の人々からどのように思われていたのか?そしてもちろん、彼女が一番大切にしていたものは何だったのか・・・・
実は、途中で清少納言の性格が鼻について来ちゃったんですね。何故かと考えてみたら、私が嫌だなと思っている性格が、実は私自身の中に似たような部分を感じたかもしれませんね。でも、なかなかこの小説の中の清少納言のように自分の思い通りに生き抜くことが出きる人はいないし、そういうことが出来たとすれば、何とも幸せな人だなあと感じてしまいました。気になっていた本がやっと読めて、すっきりしました。

ポプラの秋

著者:湯本香樹実
出版:新潮文庫
初版:1997.07.01.
紹介:夫を失ったばかりで虚ろな母と、もうじき7歳の私。二人は夏の昼下がり、ポプラの木に招き寄せられるように、あるアパートに引っ越した。
不気味で近寄りがたい大家のおばあさんは、ふと私に奇妙な話を持ちかけた───。18年後の秋、お葬式に向かう私の胸に、約束を守ってくれたおばあさんや隣人達との歳月が鮮やかに蘇る。世界で高い評価を得た「夏の庭」の著者が贈る文庫書き下ろし。(表紙扉より引用)
コメント:ゆっくり読もうと思っていた、「ポプラの秋」
午前中にカーテンの洗濯をしながら、気がついたらどんどん進んでしまいました。
千秋とおばあさん・千秋とお母さん・千秋が見ていたあの季節・・・
良かったです。おばあさんがとっても魅力的ですね。
多くの人が、何度も読み返すという理由がわかりました

デルフィニア戦記18「遙かなる星の流れに・下」

著者:茅田砂胡
出版:中央公論社C★NOVELS
初版:1999.03.25.
紹介:放浪の戦士と異世界の少女の出逢い。すべてはここから始まった。
盟約という固い絆で結ばれた二人は幾多の危地を乗り越え、あまたの合戦に勝ち抜いて、戦士は大国の王に、少女は王と国の守護神となった。
獅子王と妃将軍がつむぐデルフィニアの伝説が、ここに完結する。(裏表紙より引用)
コメント:パラストにつくサンセベリアのもとに飛び込んだ王妃生還とタンガ王の死の知らせ。
サンセベリアの選んだ道は・・・・
一方タンガ軍壊滅のためにケイファードに向かうデルフィニア軍を迎え撃つ新ナジェク王は、リイの挑発にのり城を飛び出す。タンガとパラストに勝ってデルフィニアは戦乱の世を終わりにする。
ルウ・リイ・シェラ・・・闇・太陽・月の神がそろうとき・・・。

デルフィニア戦記17「遙かなる星の流れに・上」

著者:茅田砂胡
出版:中央公論社C★NOVELS
初版:1998.11.25.
紹介:リィを嫡子ナジェックの妻とする!勝利の女神を辱めデルフィニアの戦意を削がんとする、ゾラタスの卑劣な策に、三騎はタンガへの途をひた走る。
王位を捨て、一戦士に戻ったウォル、異世界の相棒ルウ、己の意志で行動するシェラ───
昏々と眠り続けるリィだったが・・・・・・難攻不落のポナリス城に轟音が響くとき、最後の奇跡が始まった。(裏表紙より引用)
コメント:王冠を手にしたバルロを中心にタンガとの戦いが始まる。一方リイを救うために城に忍び込んだルウとシェラの前に現れたのはレティ。レティに倒されたルウは・・・生き返った・・・。
ルウのケガ・リイの反応・指輪・そして城からの脱出・城の破壊!
タンガの王子への報復はリイが、ゾラタス王はルウが・・・

デルフィニア戦記16「伝説の終焉」

著者:茅田砂胡
出版:中央公論社C★NOVELS
初版:1998.07.25.
紹介:生きて戻れ───リィの言葉に送られてシェらは北を目指す。ついにヴァンツァーそしてファロット一族との死闘が演じられるときがきたのだ!
一方、シェラと別行動中、騎士団員千人の命と交換に捕虜となり意識を無くした戦女神に、レティシアは微笑みながら歩み寄る。研ぎあげた必殺の針を手に───(裏表紙より引用)
コメント:異界からリイを探しにきたルウはコーラル城でウォルと意気投合した。そのリイは、ティレンドン騎士団の命と交換に人質としてボナリス城に幽閉されていた。
一方ヴァンツァーとの戦いに勝ったシェラは、ファロットの館で伯爵を倒した。その場で族長をなったシェラはファロット一族に「死ね」という命令を下したのだった。
リイを救うためにウォルは王座をバルロに渡し、ルウとシェラとともに出かける。

デルフィニア戦記15「勝利への誘い」

著者:茅田砂胡
出版:中央公論社C★NOVELS
初版:1998.03.25.
紹介:トレニア湾にスケニアの大艦隊。国境にはタンガ軍2万集結。ピルグナ砦陥落───!
王妃の矢傷も癒えぬうちに、デルフィニア包囲網は厚く強固に完成されつつあり、獅子王ウォルは防戦一方に──
この危機に黒衣の独騎長は飄然と形勢逆転の「切り札」を担ぎ出すべく単身大海に乗り出すのだった。(裏表紙より引用)
コメント:リイの傷も癒えぬ間に海からの攻撃を受けたデルフィニア。イヴンはキルタンサスの旧友を訪ねる。海の他にタウの山中でもスケニアに味方する巨人族の侵入があった。彼らはなぜデルフィニアに刃を向けるのか?その陰に隠された策略を暴けば・・・。人質の交換に願い出たのはシャーミアンだった。
そして、時を待っていたかのようにピルグナに侵攻するパラスト。またその後ろでサンセベリアの王妃を誘拐するリイ。リイの活躍で海の戦いも大勝利をおさめた。いよいよイヴンとシャーミアンの結婚式が実現する。

デルフィニア戦記14「紅の喪章」

著者:茅田砂胡
出版:中央公論社C★NOVELS
初版:1997.11.25.
紹介:フェズ河以北の一帯カムンセンの地がデルフィニア領となって半年、タンガの元領主らがゾラタス王の制止すら振り切り失地回復を叫んで挙兵する。早急に鎮圧せんものと最前線で大剣を揮う戦女神リイ。
だが、戦闘の混乱ついてファロットが暗殺の魔手を伸ばす。リイに向け必殺の矢が放たれたのだ!(裏表紙より引用)
コメント:ラティーナに求婚するナシアス、一方イヴンの方は簡単にはいかない。
パラストからの支配から逃れたいサンセベリアとの同盟。タウの山中を船を担いで通るスケニアの男たち。リイのトラウマ・・・雪の中の血・赤いバラ・・・
タンガとの戦いでまさかの負傷をしたリイ、その陰にレティの姿が。
その時、異界の相棒ルウは、リイの異変に気がついた。

デルフィニア戦記13「闘神達の祝宴」

著者:茅田砂胡
出版:中央公論社C★NOVELS
初版:1997.07.25.
紹介:獅子の紋章を象った招待状が届けられ、使者が大陸全土からコーラルに赴く。豪華な式典の背後で、飽くことなき権力への執念に策動し、、周辺諸国と大華三国のかかわりは微妙に代わり始める。ウォルとリィは毅然と顔を上げ、互いの手を取り大広間に踏み出した、偽りの宴が始まる───。 (裏表紙より引用)
コメント:バルロの結婚と「国交回復記念式典」そこに再び美しい王妃リイを登場させようと考えた手段は?!
リイを狙うレティシアの仲間・式典に現れた「光り輝く王妃」「戦女神リイ」
アランなを助けるために闘うリイ、ナシアスとラティーナの関係は?イヴンの押し掛け女房となったシャーミアンの決断。

デルフィニア戦記12「ファロットの誘惑」

著者:茅田砂胡
出版:中央公論社C★NOVELS
初版:1997.03.10.
紹介:コーラル城の華やかな喧噪にまぎれ、王妃暗殺の罠は巧妙に精緻に張りめぐらされた。
無関係に見えた少女の死、応急の内部で殺された侍女。決戦の場となった雪原で暗殺集団ファロットの青年はあでやかに微笑む。
リイの本能が警鐘を鳴らす。この奇妙なイキモノは「人間」なのか?(裏表紙より引用)
コメント:ポーラとウォルを結びつけるためには、離婚すればいいと考えたリイは結婚証明書を処分しようとする。ポーラの真意を探るためバルロとイヴンが出向く。
そんな中パラストに支配されつつあるサンセベリアの使者が訪れ、そこで交わされた約束とは?
・シャーミアンへの奇跡・ベノアのジルは貴族だったのか?・バルロの求婚・ポーラのお茶会に現れた光り輝く王妃・・・・
侍女暗殺、犯人探しの中、レティシアの手に落ちたシャーミアンを救うリイ。
しかしその後、リイとレティシアの間に奇妙な友情が・・・

めぐみ

著者:キョウコ・モリ
出版:青山出版社
初版:1996.02.20.
紹介:春には帰るから、と離婚の決意を隠し、家を出た母。最愛の母の心がはかりかね、ひとり悩む15歳のめぐみ。
幼なじみとも心が通わず、淡い恋にも挫折した孤独なめぐみは優しくて勇敢な女性獣医との出会いによって、新鮮な喜びを発見する。野鳥の傷を治し森に返すことにピュアな愛と希望が芽生えてきたからだ。豊かな自然の恵みと人間の愛のめぐみによって、一羽の鳥がいやされ、大空に羽ばたいていく姿に、自らの愛と希望をはぐくませていくめぐみの心を重ね合わせた、美しく輝かしい魂の再生の物語。(表紙扉より引用)
コメント:母において行かれた自分・・・・シズコズ・ドーターとストーリーがかぶるのはどうしようもないが、こちらの方が面白い。娘が読んでもいいなと思う。